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午後のロードショー「氷の微笑」

公開 1992年
監督 ポール・バーホーベン
公開当時 シャロンストーン34歳 マイケル・ダグラス47歳

アイスピック殺人事件の捜査線上に浮かびあがった女性作家。事件を捜査する刑事は次第に、彼女の怪しい魅力のとりこになっていく…

ハリウッドの一級サスペンス映画だというのに、私はなぜか「土曜ワイド劇場」の空気を感じてしまいました。
さながらシャロン・ストーンは松尾嘉代、マイケル・ダグラスは古谷一行といったところでしょうか。

シャロン・ストーンの持つ泥臭さが「土曜ワイド劇場」感を醸しだしているのではないかと思うのです。
彼女の体当たりの演技は昭和の女優のガッツを感じさせます。
マイケル・ダグラスも色欲に溺れてゆく男性を演じる事が多いですね。
これが仮にニコール・キッドマンが演じていたとしたら、ハリウッドの一級サスペンス映画としての高級感を揺るぎないものにしていたと思うのです。
ただ、この映画ほどヒットはしなかったでしょうね。

シャロン・ストーンの持つハングリーさと、それを隠さない彼女のスタンスが、なぜか洗練されていない泥臭さを感じてしまうのです。

この時はさすがに旬の女優の輝きがありますね。やたらと挑戦的で、やたらとエロい女性作家キャサリンの役を魅力的に演じています。

キャサリンは過去に殺人を犯した人間に近付き、彼らを操り、彼らの殺人の衝動を利用するのです。
ラストはいくつか見解があるようですが、アイスピックでの殺人はキャサリンが犯人のようですね。
氷を砕きながら「アイスピックで刺すのが好きなの」と言うキャサリンはまさにサイコパス、彼女を殺人の衝動に駆り立てるものの深層を知りたくなります。

この映画のプロデューサーは脚本家に当時としては史上最高額の脚本料を払ったそうです。
ミスリードさせられる部分もあり、サスペンスとしてはまずまずの出来なのではないでしょうか。

映画を知らない人でも、シャロン・ストーン演じるキャサリンが取調室で足を組み替えるシーンは覚えているのではないでしょうか。
見えてはいけないものが見えているのでは、という期待を抱かせるシーンで当時話題になったものです。

このシーンでシャロン・ストーンは監督のポール・バンホーベンにそそのかされて渋々ノーパンで演じ、試写会を見てショックを受け、上映の後監督にビンタをお見舞いしたというエピソードがあるのですが、私は絶対にノーパンは彼女の方から提案したのではないかと思うのです。
このシーンのおかげで世界的ヒット作になったといっても過言ではありませんね。

シャロン・ストーンは48歳の時「氷の微笑2」に主演していますが、これはさんざんな酷評を受けていましたね。
彼女は50代半ばの時のインタビューで「今でも素っ裸になる自信はあるわ」と語っていたのを記憶しています。
彼女以外でこう言い切れる女優はいないでしょうね。
事実、彼女は64歳になる現在でも美しいのです。


最近の話題で、シャロン・ストーン自身がマッチングアプリに登録したところ、偽物だと疑われてアカウントを削除されたというニュースがありました。
64歳とはいえ、彼女ほどの美魔女が付き合う相手に不自由しているとは考え難く、マッチングアプリは一種のユーモアでしょうね。
3人の養子を育てるシングルマザーである彼女に好感を持ってしまいます。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価★★★★★
ストーリー★★★
午後ロー親和性★★★★★
流し見許容度★★

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