1番好きなアーティストは？

そう聞かれて真っ先に思い浮かべるのは
『BUMP OF CHICKEN』だ。
もちろん他にもたくさんの人の曲を聞くし、好きだ。
自分の中での流行もあって、聞かなくなってしまった曲たちもある。自分が変わっていくのだから、好みも変化していくのは当然だ。
けれど、
バンプだけはまた別の感覚がある。
聞かない期間ももちろんあるんだけど、ラジオから流れたり、CMで耳にしたりすると、『やっぱりここに戻ってしまう』と実感するのだ。


バンプを知ったのは高校生の頃。
インディーズ時代の彼らのアルバムを弟に教えてもらった。
私は音楽が好きで生活には欠かせないと思っているけど、詳しくはない。それは今もずっと。
だからメロディがどうの、ギターやベースやドラムがどうのとは何も言えない。
第一印象、声が好き（声フェチには外せないポイント）
それから歌詞とメロディ。
ビビッとくる。
あのアルバムを聴いて、絵本を読んでいるような、絵が動き出すような、私の頭の中に歌の世界がぶわわっと広がったのだ。

それからもう20年以上のお付き合い。
この間の北海道公演にも参戦して、好きを実感。
好き、なのだけど…、
この言葉だけじゃ足りない気がする。なんというか…気づけばそこにあるような、いつのまにかそっと寄り添ってくれている存在。

私のために歌われた歌じゃないし、そんな歌は存在しないってわかってる。
だけど、そばにいて勇気をくれたり、元気をもらえたり、時には痛いところをついて戒めてくれたりもする。
不思議と『がんばれーっ！！』っていう感覚はない。
ただ、そばで『君を信じてる』と言ってくれている気がする。

ボーカルの藤原さんは、毎回ライブで言っている。
毎回は言いすぎか。私が参戦したライブのことしか知らないから当社比なんだけれど…忘れっぽい私が覚えている数少ないことば。

「俺たちが会いにきたんだ」
「大勢の中の1人だと思わないで、君に会いにきたんだよ」って。

そのことば一つで、自分という存在が浮き上がってくる。
周りにいる人たち、同じ空間を過ごす会場にいる人たちの存在が輝いて見える。
普段は忘れてしまう当たり前のこと。私以外にも人生があって、生きていることが証明されて、「あっ」と気付かされるんだ。

アーティストが届けた作品は、受け手によって如何様にも捉えられる。
作り手が感じてほしいこと（あるとすれば）とは真逆に捉えてしまう人だっているだろうし…。
本だってそうだし、アート作品もそう。
歌もそのひとつで、それを好きになってもらえるかどうかはわからないし、見つけてもらえるかもわからない。
だけど、誰かに届くことを信じて作品を作り続けるって本当にすごいことだと思う。

私も届けたいことばや届けたい気持ちがある時は、とにかくどんな形でも届ける努力はしていこう。
「今は言わなくてもいいかな」
と後回しにして伝え忘れてしまうことがあるから、その時々で言葉にしよう。
うまく言葉にできなくても、きっと名前を呼んだらその先は何とかなる…かもしれない。

話が逸れてしまった気がする…。

BUMP OF CHICKENが自分にとって不思議な存在だということ。
それを言葉にしたいと思ってきた。
その度にうまく言葉にならなくて、諦めていた。今回も言葉にできているとは言い難いけど、公開しようと思えたのは一歩何かが進んだんだろう。

いつかどこかでお話しする機会があれば、この言葉にならない気持ちも、感謝の気持ちも伝えられたらいいなあ…