果たされ無かったマルジルシ 作tukiyo
カレンダーのマルジルシ
そこにそっと指をあてた
嘘つきだなぁ、、、あなたって人は
この日はわたしに全部譲るって言ったのにね、、、
いま、雨が降りだしたよ、、、あなたの街では、どうでしょうか?
濡れた道から雨の匂いがたちこめて
わたしは急に泣きたくなった
遠くに稲光が見えた
ひかって消えて、また、光は現れる、、、それは、音が聞こえて来なくても、たしかに、あそこにあるんだろう、、、
光るだけを感じる雷を
薄らボンヤリ眺めるわたしの膝に
飼い猫がピョンと飛び乗ってきて
わたしと目を合わせた、、、
その、お月様のような目が囁いている
「、、、やめときなよ、あんなやつ」
そうだよね、、、、
そう、、、だよね、、、
わたしは、自分を斜め上から
静かに俯瞰しながら
猫の背を撫でた
猫は目を細めて喉をならした
その心地よさ気な表情は
きっと、あなたに触れられたときの
わたし、そのものだ、、、
カレンダーの果たされ無かったマルジルシをあざ笑いながら
今日は泣いてなんかあげないんだから、、、
あなたのためには、、、
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