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「“大いなる俯瞰”のイメージ」

アシトの視野の広さを見た月島コーチの言葉。


テクニック全盛期

今、SNSを見ていると、たくさんの動画が目に入ってくる。
試合での有名選手の切り抜き集の時もあれば、プロ選手以外でも、
誰でも練習の成果を多くの人が動画であげて、
君はそれを参考にいくらでも学べるいい時代だ。

また、「サッカー教室」と言ったらどんな教室を思い浮かべるかな?
マーカーや1対1でひたすらテクニックを磨く、
「テクニック教室」や「ドリブル教室」のことが大半じゃないかな。

そんなテクニック、とっても大切だ。
足下の確実さがあれば落ち着いてプレーできる。
一気にチャンスを作り出すことだってできる。

何よりとても華やかでわかりやすい。
君はそんなプレーができたらとても楽しいだろうし、
周りも大いに称賛してくれるだろう。

でも、テクニック全盛期のこの風潮に対して、
パパはもう少し違った視点からサッカーを話してみたいと思う。

サッカーフィールドの大きさ

さて、君はサッカーのフィールドの大きさを知っているかな?
小学校低学年で40m×60m、高学年で50m×68m、大人のサイズで68m×105mが目安だ。
余談だが、実は、このサイズが推奨されているだけで、
世界にはもう少し大きかったり小さかったりするフィールドが
プロチームの本拠地ということもあったりする。

でも、いずれにせよ、プロの選手でも端から端までキックでは届かないような、
とってもとっても大きなフィールドが、君の好きなサッカーの舞台なんだね。


サッカーのプレー人数

サッカーは、君も知っている通り、大人で11人、敵味方合わせて22人のスポーツだ。
君たちの年代でも8人、計16人。
とってもたくさんの仲間とともにゴールを目指し、または守る。
これは、同じ目的で相手チームも同時に攻めたり守ったりするんだね。

こちらも余談だが、どれだけチーム内で退場者が出たとしても試合をしている限りは
少なくとも7人は一チーム内にいるはずだ(ルール上、7人未満だと試合が続行されない)。

サッカーは広いフィールドにて大勢で

ということで、サッカーは広いフィールドにてたくさんの仲間や敵と攻防するスポーツだ。

そんな広くてたくさんの仲間とのサッカー、
得点までのパターンは無限大だし、それを防ぐ守備のパターンも無限だ。

もちろん、一人テクニックで相手を抜くというのも、パターンのうちの一つだ。
でも、無限のパターンのうちの中でも、
人数を掛けずに狭いスペースで行われる分単純で、
相手から人数を掛けられると防がれやすいものでもある。

逆に、広く、多くの味方を絡める視点を持つと、
攻撃のパターンは無限大に広がるし、相手の守備も焦点を絞りにくくなる。

今のテクニック全盛の風潮は、そんなサッカーの特性からしたら
細部に偏りすぎているんじゃないかと思ってしまうよ。
前にも話したけど、サッカーは1+1=2、のスポーツではない。
広さや連携をうまく使えば1+1が10にも20にも100にもなることだってあるし、
逆に使えなければ2に届かないことだってあるんだ。

俯瞰的な視野

そんなサッカーの特性を踏まえると、「アオアシ」のテーマの一つにもなっている「俯瞰的な視野」の重要さがわかると思う。
「俯瞰的な視野」とは鳥が上空からフィールドを見下ろすような視点で、敵、味方、スペースを把握するということ。
これができて、その状況を正しく分析し、数ある選択肢の中からベストな動きやプレーを選ぶということができることが、本来の「サッカーの上手さ」なんじゃないかな、とパパは思うよ。


今日からできる俯瞰的視野

パパは決してテクニックを否定しているわけではないよ。
サッカーは足を使うスポーツ。
その足下の練習はサッカーをやっている限り続けて上達を目指さないといけない。
君はまだサッカーを始めたばっかりだから、なおさらだ。

でも、その足下の練習の目的は、広いフィールドでのチーム戦というサッカーの特性を理解し、表現できる選択肢を増やすため。

おのずと足下の練習も、広いフィールドを見渡し、見方や相手の位置や動き、スペースを把握しながら、というものにならないといけない。

君の毎日の練習やプレーも、すべて見直してみよう。
アシトもアニメでやっていたように、リフティングを、周りを見ながらやってみよう。
パス練習は、受ける前に何度も首を振って周りで何が起きているか観察してみよう。
ドリブルの練習は、目の前のマーカーを見るのではなく、常に顔を挙げて君の周り10~30mに何があるか挙げながらやってみよう。
試合や全体練でも常に周りがどういう意図で何をしようとしているのか観察しながらプレーしてみよう。

アシトのように、フィールドに出ている選手全員を把握するのはとても難しい。
でも、常に周りを見る癖をつけていけば、決して不可能なことでもないとパパは思っているよ。
この視点を持ってできるようになっていけば、君は近い将来「サッカーの上手いやつ」になっているとパパは期待しているよ。

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