夜が明けるを読みました
私は「心に残ってる小説は何か?」と聞かれたら、西加奈子さんの「夜が明ける」という作品を挙げる。
本作は去年の11月に読んだ。読み終わってからもう4ヶ月は経つのだが、未だに心に残っている。
約400ページあるのだが、1日で読み終えてしまった。これだけの大作を1日で読み終えてしまったのは生涯で初めてである。
あらすじ
あらすじは、主人公「俺」と深沢暁が高校1年のときに出会い、そこから33歳になるまでを描いた物語である。
主人公「俺」は父親の影響で映画が大好きである。
「俺」は高校に進学したときに深沢暁と出会う。
「俺」は深沢暁を見て、フィンランドの俳優の「アキ・マケライネン」に似てると思い、深沢暁を「アキ」と呼ぶ。
深沢暁は身長が190cm以上あり体が大きいが、性格は気弱で吃音を持っている。
このことから、周囲の人たちも「アキ」と呼び、深沢暁自身も「アキ」という名前を気に入っていた。
二人は仲良く高校生活を送っていたが、高校卒業後、主人公「俺」は大学に進学してそこからテレビ局に就職したり、「アキ」は俳優を目指すため、劇団員になったりと、それぞれ別々の道を歩む。
以上が本作のあらすじである。
読んでいて辛い、でも読んじゃう
主人公の「俺」がテレビ局に就職するのだが、そこで過重労働やパワハラを受けるシーンがあったり、また、「アキ」も母親から虐待を受けるシーンがあったりと、読んでいてとても辛くて胸が苦しくなる。
さらに「俺」が体を壊してしまい働けなくなったことで奨学金返済が出来ない、と精神的に追い詰められて自傷するシーンもある。
読んでいてとにかく辛い。でも読み進めちゃう。不思議な体験だった。
人に頼ることは決してダメなことではない
基本的に私は人に何かを頼るのが苦手である。迷惑をかけてしまうと気を遣ってしまうからだ。
だけど意外とそんなことなくて、なんだかんだ人は頼られると嬉しくなる。私も頼られると嬉しい。確かに頼られたくない人もいるが、それはほんの一部だと思う。
本作を読んで、私はこれから何か困ったことがあったらガンガン人に頼ろうと思ったし、その分頼られたらガンガン助けると決めた。怖いけど。
でも一人でなんとかするとか言ってられる時代ではないから。それに一人で抱え込み過ぎて、自ら自分の命を絶ってしまっては元も子もないから。
この記事を読んで、少しでも気になった方がいらっしゃれば、是非本作を手にとって読んで欲しい。
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