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民俗学・宗教学

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主に妖怪と仏教に関する話
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#妖怪

河童の正体①   ~その分類について~

河童の正体① ~その分類について~

河童、またの名を河太郎という。全身は緑色で、粘膜に包まれており、手足には水掻き、背中には甲羅がある。胡瓜や尻子玉を好み、しばしば人と相撲を取りたがる…。私たちは誰かに教えられたわけでもないのに、河童というものに同型のイメージを持っている。

だが、こうした河童のイメージが成立したのは、ほとんど近世からだったようである。河童という妖怪が現在の姿に定着する以前、原型となった水生の妖怪たちは実に様々な形

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狐のはなし

狐のはなし



1.狐のイメージ

日本の神仏の中で、最も多く信仰されているのは稲荷である。農耕神である稲荷は、古くから稲作で栄えてきたこの国の人々に信奉されてきた。しかし、その一方で稲荷と同一視される狐は、人を化かしたり取り憑いたりする妖怪としての側面をも備えている。以下に『動物信仰事典』という本より、狐について書かれた文章を引用してみよう。

よく勘違いされやすいのだが、稲荷神社のご神体は稲荷大明神(宇賀

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