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世界で一番パパが好きなむすめを持つママの葛藤 / 単身赴任か家族帯同か

夫の任期はニ〇一九年、一月一日から三年間と決まった。
次に話し合うのは単身赴任か家族帯同か。
単身と帯同ではこれからの生活、ひいては我が家の将来設計を大幅に見直さなければならない。
幸いなことに、夫も私も帯同で意見が一致したけれど、最終判断はむすめに任せる事にした。
もしも日本に残りたいと言った場合は、それぞれの土地で頑張ろうと約束した。

いつ切り出すか。洗濯ものを畳みながら考える。

大好きな幼馴染や幼稚園の先生と離れるのは辛いだろう。プリキュアも見れなくなるし、回転寿司などあるはずがない。もしかすると、日本に残ると言うかもしれない。むすめは今テレビの前に座って録画したプリキュアを見ている。
辛い選択にタイミングを計るなど意味がない。
アニメの終わりを待って声をかけた。

パパの仕事の都合で来年の春からメキシコで暮らすこと、お友達やじぃじ・ばぁばとしばらく離ればなれになることを説明する。
「パパとママと赤ちゃんと四人でメキシコで暮らすか、ママと赤ちゃんと三人で日本に残るのとどっちがいい?」
むすめの目に、みるみるうちに涙が溜まっていく。
「家族四人で暮らしたい」

即答だった。
これからもずっと家族一緒に暮らせる。
見つからないように静かに泣いた。
泣きじゃくるむすめの背をさすりながら、小さな声でありがとうと呟いた。

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