#12 関係人口について考える
わたしたちはこれからシンギュラリティが起こるまでのあいだ、自分の力で生きていく必要があります。その生きかたとは、どのようなものであるのかを考える必要があります。わたしは個人的な見解として、2045年あたりに本当の意味でのシンギュラリティが起こると思っています。よって、あと20年ほど現行のシステム下で生きていく必要があることになります。
ベーシックインカムという制度が成り立つにはAIの発達が必須ですから、ベーシックインカムが成り立つときにはシンギュラリティが起きていなければ不可能でしょう。ですので、シンギュラリティが起きるまでの20年はベーシックインカムなしで生きることが求められるわけです。ただ、1つの意見として、生活保護を受ければよいという考えもあるかもしれませんが、生活保護についてはいったん考察から外します。
今まではシンギュラリティが起きたあとの世界について考察をしてきましたが、これからは、シンギュラリティが起きるまで存続限界エリアにおいてどうやって生きていけばよいのかについて考察を重ねていきたいと思います。
まず存続限界エリアについては、人口減少の問題があります。そして、それを埋めるために地方に移住する援助などもあるかと思います。しかし、移住については多くの問題があってうまくいかず、撤退する場合もあることが数多く報告されています。
結局のところ、「よそ者」でしかない移住者が、その土地になじむのは難しいということでしょう。そして、その排他性ゆえにそういった地域はさらに人口を減らしていき、地元の平均年齢を上げることになり、いずれは消滅するという流れになるわけです。
この排他性の問題をどのようにして乗り越えるかという問題があるわけです。排他性をなくし、「定住人口」を増やすことが目標として掲げられるわけですが、それは実に難しい問題なわけです。なので、ある土地に関して、そこに住んでいる人口を「定住人口」、そこに観光客的に短期的に訪れる人口を「交流人口」、そこに住んではいないが愛着をもっている人口を「関係人口」とし、このうち「関係人口」を増やすことでうまくやっていくという考えかたが最も無理のないものなのではないでしょうか。
恐らく存続限界エリアは「定住人口」を増やすことは難しいと思います。さまざまな要因があるため、いろいろな試みがありつつもトラブルが続出しているわけです。そして、だからといって、観光客目当ての事業をしたとしても、それがいつまでうまくいくかはわかりません。また、そこに住む人々が働けなくなってしまえば、それでおしまいです。短期的な観光客目当ての事業はほとんどの場合、短期で破綻します。何年も継続的に観光客が訪れるような魅力のある場所にするには、相当の努力と運のよさが必要でしょう。
たとえば世界遺産になったことによって、その土地に観光客が大量に訪れるようになっても、さまざまなインフラ整備の問題もありますし、その整備がうまくいっていたとしても、その数年は観光客によって沸きますが、あっという間に閑古鳥が鳴くことによって、投資分を回収できなかったりするわけです。
よって、その土地に愛着をもってくれている人々との関係を大事にし、その土地のよさを残していくことを目的として活動をしつづけたほうがよいと考えるのです。
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