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やればできる?

 自分の闘病記を書きたくなり、noteを始めて1週間あまりになりました。最近は仕事をしていなかったので執筆への意欲や体力がもたないだろうと思っていたんです。でも、なんとか毎日文章を掲載することができました。最近「やればできる!」と声を張り上げることで人気を博している芸人さんがいらっしゃいますが、正に「やればできる!」でした。

 ただ、稚拙な文章だし珍しい病気なのであまり読まれないだろうな…と思っていたんです。でも、実際には延べ数百人の方にお読みいただくことができました。また、フォロワーになってくださる方も想定以上の数でした。皆さん本当にありがとうございます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 さて、5年間の闘病記「慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど」が完成しました。8日間ほどで書き上げたのですが、読み返してみると5年間にいろいろあったな…とあらためて感慨深いものがあります。マガジンを作成してありますので、御一読いただけると幸いです。

 闘病記にもありますが、私の慢性骨髄性白血病は完全寛解レベルに到達しました。病気が良くなったのだからハッピーエンドのはずなんですが、現実の世界は甘くありません。詳細は闘病記をご覧いただければと思いますが、人生の大きな転換点を迎えることになってしまいました。

 実は、私は生涯で入院を8回もしているのです。慢性骨髄性白血病による2回の入院を除いても6回です。交通事故に遭い救急車で入院…とかではありません。普通の人がどのくらいの入院回数なのかわかりませんが、おそらく50歳でも0回や1回という人が多いのではないでしょうか?

 夢中で働いていると忘れてしまうのですが、おそらく私は少し体が弱いんです。でも、体が弱いのは自分の努力や根性が足りないせいだと思って余計に頑張ってしまうんです。元々体が弱いのに、体が丈夫な人と張り合うために睡眠時間や休日を削って働けば、そりゃあ病気にもなりますよね。

 「やればできる!」と声を張り上げる芸人さんが人気者になるように、努力の大切さは誰もが認めるところです。たしかに「やればできる」ことは世の中にたくさんあります。でも、場合によっては「やってもできず」に大きな挫折感を味わうこともあります。

 大きな挫折感から気持ちが折れてしまう人がいるかもしれません。ただ、もしかしたら挫折感は人間の成長につながるかもしれません。複雑な思いを抱いてしまうのは「やればできた」んだけれど、その後に大きな体の故障や病気になってしまうことではないでしょうか。

 若いときは、怪我や病気をしても治ることが多いです。だから、いつも治ると思いがちなんです。でも、年齢を重ねるにつれて怪我や病気が治らずに慢性的な障害や基礎疾患につながっていくケースがあります。そうなると障害や病気と一生つきあわなければいけません。

 若いときには「命がけでやる!」とか「これが成功したら体が壊れてもいい!」とか思いがちなんです。その気持ちはよく分かります。でも、その後の人生がとても苦しいものになったら本人にとって生きづらいでしょう?また、回りの支えてくれる人にとっても辛いことがあるかもしれません。

 人間は、それぞれに持って生まれた能力や体力が違います。分かっていても、向上心の強い人は能力の低さを隠すために他人より長時間勉強したり働いたりしてしまいます。体力のなさが恥ずかしくて栄養剤やサプリに頼ってしまいます。その時、自分の限界の外か中かを見誤ることがあるんです。

 最近になって盛んに言われている働き方改革やワーク・ライフ・バランスって、長い一生を考えたときにとても大切なことなのです。「本人にやる気があれば疲労感は感じない!」とか馬鹿げた講釈をする上司の言うことなど信じてはいけません。格好つけずに自分に合った努力をしましょうよ。

 と、若いときの自分に言ってあげたいです…(^^;)

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