社長さん3

ついに奥様抜きの生活が始まった。
だが、1番最初の依頼が「奥様の病院へ連れていけ。面会する」とのもの。
しかし、夕方に差し掛かりタクシーも、歩行が不安定な方は難しいと。
息子に電話を掛けるかが、まだ奥様の体調が落ち着かない生活が2日目で浅いので、とにかく大人しくしててくれと釘を刺されていた。

もちろんイライラする。
「おい!グランスなんでこんなことになってんだ。おかしいだろ(# ゚Д゚)」
ほんとですよねとしか返せない。

翌日
電話がかかってくる
川田「腹減った何か買ってこい」
グランス「何か?って…何ですか?」
川田「何でもいいだろ考えろよ」

かなりイライラしている。奥様が入院されたことが、相当応えているようだった。いつも集中していてみている時代劇も、うわの空で。時々…
川田「おい!グランス。金やるからあいつ(奥様)の様子見て来い。」と言われることもあった。

その頃、奥様はというと腰を打って打撲と右足小指の骨折にて大事をとっての入院だった。その事を息子様から聞くと、私はすぐに川田さんへ伝えた。

グランス「川田さん。奥様は右足小指骨折と打撲だったそうです。」
川田「じゃあすぐ家に戻るように言いなさい」
かなり喜んでいるようだった。

翌日、息子さんが家にやってきた。ケガの状態の説明に来たようだ。あと、面会が出来るので、翌日行こうとの事だった。私も、もちろんこれでまたもとに戻ると思っていた。

だが…
翌日川田さんと息子さんが病院に行くと事態は変わっていたようだ。
私は息子さんから話を聞いただけだが…
『母の様子がおかしかった。そわそわしているようで。落ち着きもなく会話も十分にできなかった。精神的に落ち着くまで入院が伸びそうです。』

医師からはせん妄だと言われたそうだ。
もちろん川田さんは激怒し、もう家へ連れて帰るといったそうだが、十分に動けないので、病院で数日様子を見る事になったようだ。

落胆具合は私から見ててもわかった。せっかく退院できると思ったのに、出来なかった。いつも怒る川田さんが少し落ち込んでいるように見えた。

そこから、こだわっていた食事も「いらん」と食べなくなり。テレビはつけなくなり、無気力状態になった。

あまりの変わりように息子さんも「親父このままだと…」と不安をこぼされるようになった。

それだけ奥様の存在が大きかったのかもしれない。

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