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映画「第9地区」は人類の問題と向き合う衝撃的なSF映画

こんばんは。ムララボです。
「○○地区」といって差別的に人々を隔離する。世界のいたるところでやっているのが人間という種族。仲良く一緒に住めないのものなのでしょうか?
この昔からある人間社会の問題に鋭く突っ込んだ映画があります。

映画「第9地区」とは?

映画「第9地区」(原題:District 9)は、2009年に公開された南アフリカとニュージーランドの合作映画で、監督はニール・ブロムカンプ、製作は私の大好きな「ロードオブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンが務めています。ストーリーは、宇宙船が南アフリカのヨハネスブルグに突如出現し、その船内にいた異星人たちが地球に避難するという異色のSFドラマです。

初めてこの映画を観たとき、最初に感じた印象は、そのリアルなドキュメンタリー風の映像と、異星人と人間の間に広がる差別と偏見の描写の衝撃でした。映画のジャンルはSFであり、テーマは人種差別、社会的隔離、そして異文化間の摩擦を描いています。主要キャストにはシャールト・コプリーが主人公のヴィカス・ヴァン・デ・メルヴェを演じていますが、この彼の演技のおかげで一気に物語に引き込まれてしまいました。

ストーリーについて

映画のストーリーは、異星人が難民として地球にやってくるところから始まります。彼らはヨハネスブルグのスラム街「第9地区」に隔離され、人間との摩擦が絶えません。物語の中心は、異星人難民の管理者である仕事をしている主人公ヴィカス・ヴァン・デ・メルヴェが、ある事件をきっかけに自分自身が逃亡生活を強いられることになります。

ストーリーが進むにつれてキャラクターに親近感が湧きました。とりわけ主人公のヴィカスや異星人のクリストファー親子にいっきに感情移入。
自分たちに起きた不幸な事件にもめげず、彼らが幸せに暮らしていってほしいと強く思ってしまいました。

お気に入りのシーンは、異星人の親子がまるで人間の親子のように振る舞う場面です。外見は人とは似ても似つかぬグロテスクな異星人でありながら、その親子の絆や愛情が描かれていることが非常に興味深く、心温まる瞬間でした。また、クライマックスでヴィカスが異星人たちを守るために戦うシーンは感動的です。守るべき人々のために自分を犠牲にして、かつての自分サイドを戦うのです。

そして、やはりラストシーンが一番心に残ります。全く思いもよらぬ結末です。ヴィカスの運命には驚きつつも、さきほど言いましたように、彼には幸せに暮らしていってほしいという願いが湧いてきました。

映像技術について

「第9地区」の映像美とカメラワークは圧巻です。ドキュメンタリー風の手法を取り入れることで、現実感と緊迫感が増しています。
手持ちカメラのビューで、異星人を取り締まるシーンが、緊迫感を盛り上げます。この映像表現、今おきている戦争のリアルなニュース映像と似ています。

美術とデザイン

セットやロケーション、衣装やメイクも非常に工夫されています。「第9地区」のスラム街は、リアルで荒廃した雰囲気を醸し出しており、異星人たちの苦難を象徴しています。異星人のデザインも独特で、グロテスクでありながらもどこか親しみやすさを感じさせる造形が印象的です。

この映画のメッセージ

「第9地区」は、単なるSF映画にとどまらず、社会的メッセージを含んだ作品です。異星人を通じて人間社会の問題を浮き彫りにし、観客に強いメッセージを伝えているのです。
今になって思うのは、さきほど述べたように、今日もテレビで放送されているニュース映像とこの映画の映像表現とテーマがダブってしまい、そのの見方が変わってしまったということです。
「地区」の問題が、早々に解決することを願うばかりです。

映画はこちらからご覧になれます。

お読みいただきありがとうございます。

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