見出し画像

「ハイタッチはテックタッチに置き換えられない」カスタマーサクセスの生産性向上

「現場のカスタマーサクセスがとにかく忙しそう...」

社内にカスタマーサクセス(以下、CS)の部署がある方にとっては、あるあるかも知れません。弊社も同様でして、なんとかこれを解消できないかと日々試行錯誤しています。
これまで、そして現在の弊社の取り組みを整理したいと思います。


①そもそもタッチモデルとは

言わずと知れた、ユーザー企業のLTVに応じて対応方法を変えるというモデルです。このモデルによると、エンタープライズに対しては、カスタマーサクセスが伴走しながら対応(=ハイタッチ)する。一方、SMBに対しては、カスタマーサクセスの個別対応などは極力せず、動画や各種資料などによって代替(=テックタッチ)する。という対応を是としています。

タッチモデル
(引用:11 Considerations for an Enterprise Customer Success Management Pilot

ただ、きれいにこのような対応ができればいいのですが、弊社の場合、結局どのユーザー企業にも(SMBであっても)、ハイタッチでのサービス提供になってしまっていたのが実態でした。


②ハイタッチはテックタッチに置き換えられない

そこで冒頭にある「現場のカスタマーサクセスがとにかく忙しそう...」に繋がります。CSのカレンダーログを調べてみると、確かに稼働時間が溢れかえっていそう。そこでさらに実態を調査していきました。

そもそも弊社のモチベーションクラウドというサービスは、組織改善クラウドというBtoB SaaSのプロダクトです。

モチベーションクラウド

組織状態を「診断」し、その診断結果をもとに「改善」策を講じるのですが、CSは担当するユーザー企業に伴走しながらその「診断」「改善」のサイクルを回すお手伝いをしています。

サービスとしての型はある程度決まってはいるものの、お客様から頂くご相談は多岐にわたっています。「組織に理念を浸透させたいんですが...」という粒の話から、「このシステムのここの操作が...」という粒の話まで、ありとあらゆるお悩みがCSに集中してしまいます。

どうやら忙しさの原因は「対応業務の複雑性の高さ」にあるようでした。


そこで複雑性を縮減するために、ユーザーサイトを作成しました。
CSから個別に伝えずとも、ユーザー自身が能動的に情報を得られるようにできれば、CSの複雑性は縮減できるのではないかと思ったわけです。そこで、割とどのCSもユーザー企業にお伝えしていたノウハウは、すべて動画化。また併せて他社事例なども複数掲載し、かなり厚めのコンテンツを用意しました。要するにハイタッチをテックタッチに置き換えようとしたわけです。

ユーザーサイト


ところが、、、、CSの忙しさは変わりませんでした。。


結局のところCSにとっては、ユーザーサイトという新しい選択肢が生まれたことで、「複雑性がより増してしまった」ということのようです。


③大切なのは、そもそものプロセスから見直すこと

恐らくですが、多くのユーザー企業にとって、ユーザーサイトからコンテンツを探すより、これまで通りCSに相談した方が良かったのだと思います。その方が早いし楽ということもありますが、何より組織の課題は複雑なので、サイト上で何と検索したらいいのかわからないということも多かったのかも知れません。

ただ、組織課題は複雑ですが、一定の法則はあります。

なので個別課題に逐一対応していくのは大変ですが、フレームワーク(=型)やその背景にある「思想」を理解できれば、ユーザー自らが対応(=形)ができるようになるのではないかという仮説に至りました。

「思想・型・形」のフレームワーク
(引用:組織風土改革を成功させるポイント

そこでオンボーディング期において、法則を「教える」というプロセスを追加しようとしています。プロセスが増えるため、一時的なCSの工数増大はあるものの、トータルで見れば複雑性は縮減されます。またCS自身の工数が減るということもメリットですが、同時にユーザー企業にとっても、自身で課題解決ができるようになるため、非常に価値のあることだと考えています。

まだ取り組みとしては現在進行形ではありますが、手ごたえはあります。
引き続き仮説検証をしていきながら、プロセス自体をブラッシュアップし、生産性の高いCSを作っていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?