僕たちは
僕たちは幸せになるはずだった。
二人で一緒にいられたら嬉しくて楽しくて幸せで、二人なら何にでもなれるし何でも出来ると思っていた。
僕はユリコを幸せにできなかった。
ユリコは自分の体を傷つけるのをやめられない。
常に暗いオーラを放ち瞳はどんよりとして、まるで屍のようだ。
溌剌としたユリコはどこに消えたのだろう。
僕たちは、もう、目を合わせて会話をすることも手を繋ぐこともない。
一緒にいると自分の心がガリガリと削られて、痛い。
この苦痛から逃げ出す気力も体力もなく沈んだまま転がって目を閉じる。何も感じない石みたいに。
二人で笑いあって生きていたかった。
僕たちは幸せになるために一緒になったのに。
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