見出し画像

【作品#5】「flowers」『パーク・ライフ』

こんにちは、三太です。

最近、国語の授業で、稲垣栄洋さんの「ダイコンは大きな根?」という教材を扱っています。
タイトルそのままが大きな問いとなって、文章は展開していきます。
それほど長い文章ではないですが、ダイコンに関する豆知識が得られ、面白いです。(もちろん授業としてはこれだけで終わらず、この文章の面白さ、わかりやすさについて考えていきます)

では、今回は「flowers」を読んでいきます。

初出年は1999年(8月)です。

文春文庫の『パーク・ライフ』で読みました。

あらすじ

「僕」は東京で妻の鞠子と新生活を始めようとしています。

仕事先には望月元旦という男がいて、「僕」の従兄の幸之介に似ています。

その他、祖母や仕事先の慎二、永井さん、そして地元で働いていた墓石の会社のことなど様々な場面が出てきますが、要所に生け花をはじめ、花の描写が散りばめられており、タイトルとつながっています。

色んな人物との関係性が読ませどころだと思います。

出てくる映画(ページ数)

『セブン』
『テルマ&ルイーズ』(p.148)

「ブラッド・ピットの大ファンだった彼女が、劇団仲間に感化され、いつの間にかルイ・マルというフランス人監督にのめり込んでいた。ブラッド・ピットの「セブン」や「テルマ&ルイーズ」なら、一緒に見ていても楽しいが、肉体労働で疲れ果てた平日の夜に、いくら厭世的な中年政治家の官能世界や、戦時下の子供たちの繊細な心の動きが完璧に表現されているからと、鼻息荒く説明されても、眠気に負けてしまうのは仕方がない。」(pp.148-149)
 
 

今回は、ブラッド・ピットに関連する2つの映画が出てきました。
 

感想

元旦という男の破天荒ぶりがこの話の一つのポイントかなと思います。

例えば、こんなエピソードがあります。元旦が以前出演したテレビの録画を「僕」と「僕」の彼女は見せてもらいます。

その番組で元旦は「脳なし巨根男」と紹介されていますが、あまりそれについて恥じらう姿も見せません。

また、元旦は職場の同僚の奥さんを家に連れ込んでいました。

その秘密ごとに「僕」も巻き込まれます。

どこにでもありそうで、でも、実はどこにもない話が書かれていると感じました。


では、次回は「セブン」を見ようと思います。「flowers」の本文には「一緒に見ていても楽しい」と書かれているので、見るのが楽しみです。

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?