美味しくて情けなくなる、母の料理

物心ついた時から人間関係が上手く行かなかった。

保育園ではよく一人、時々強気なカオルちゃんにエリコちゃんと付き従って、みんなと遊びたくなると大泣きして仲間に入れて貰った。

小学校では、入学早々いじめられる。
原因は、当番の時に他の子が黒板消しているのに癖である腕組みをしながら、ボーっと突っ立っていたのが、偉そうに見えたから、らしい。

中学では緊張が原因で授業中、おならが止まらず男の子にいじめられ、男の子はコリゴリと選んだ女子高では、やはり緊張でおならが止まらず、少数のすみっコ達以外の女子達に嫌われた。

そんな私の趣味は読書。
母は毒親だったけど、姉を読書好きにさせられなかった経験から、私に対しては読書好きにさせるという作戦をまんまと成功させた。

小学生の時は学校の図書館、中学からは市の図書館によく行った。

高校卒業したら、とにかく何もせずずっと寝ていたくて…
用事と言えば、親に何かしなさいと諭されて通った週一のフラワーアレンジの学校と
(当時は大船にあったフラワーアレンジメントの学校の先生方、大変お世話になりました)
何日かおきに行く、図書館だった。
当時、手紙をやり取りしたりたまに電話する友達はいたけど、本が友達だった。

ひながいちにち、猫と寝ていることも多かったけど、母は毎日ご飯を作っていた。

「私のせいで家の中、暗いんだよね…」
と思いつつ、ご飯を食べる。

母の夕飯はいつもいつも、情けなる位とても美味しかった。

白菜と沢山の野菜と豚肉を炒めてコンソメで味付けする、冬の定番家庭料理。

白菜があるから、今夜はあの料理、作ってみようかな。

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