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MtG勢から見たシャドバ勢の強みを考えてみる

こんにちは、ウーパールーパーです。
私は最近シャドウバースエボルヴとMtGというカードゲームをプレイしています。
その中でそれぞれのカードゲームの違いについて考えることが増えたのでここで纏めてみます。

1. 「進化」というギミック

シャドウバースには進化というギミックがあります。それぞれプレイヤーが出すフォロワー(クリーチャー)は進化することができ、それにより様々な恩恵を受けられます。フォロワーを横展開させたり、相手のフォロワーを除去することができたりその効果は様々です。

しかし、その機能の狙いはシンプルで、「先手有利を軽減する」ということです。

この進化について、アプリのシャドウバースでは進化権という進化できる回数が先手は2回、後手は3回になるうえに進化可能になるのは後手4ターン目からで、後手のほうが先に進化できるようになります。

エボルヴのほうは少しルールは異なりますが、後手に特典があるという意味では同じです。

この機能が何をもたらすかというと、シャドウバースプレイヤーは「後手はなんらかの方法(進化など)で先手後手をひっくり返す必要がある」ということを理解しており、その成功体験と失敗体験をゲームシステムによって初めから与えられています。

つまり、後手はダブルアクションなどでテンポを奪い返す瞬間がないと勝てないことを殆どのプレイヤーが理解しているのです。
この進化というゲームシステムで4ターン目という指標も与えられており、4,5ターン目には一度先手後手をひっくり返さないといけないことも理解しています。
進化権与えるの6ターン目でもいい?とシャドバプレイヤーに聞けばほぼ全員が激怒するでしょう。

さらに言うと、これにより先手は「後手に捲らせない」プレイングが重要だということも理解しています。

このゲーム感覚を持っていることはシャドバからMtGに来た人間の明確なアドバンテージの一つだと思います。

MtGは土地という不確定要素がとても大きく、スムーズに動く再現性が低いです。それにより、先手後手関係なくただマナカーブ通りに動けるだけで勝つことも多々あり、先手後手で動き方を変えないと負けてしまうというゲーム体験がシャドバよりもはるかに得にくいです。特に初級者やカジュアル色が強い人には顕著で、この先手後手の感覚を持っているシャドバ勢はそれだけで上達速度がかなり違うはずです。

2. シャドバは妨害が弱い

MtGから来た人間として本当に苦労する上にストレスなのが、シャドバはあまりにも妨害が弱い点です。
打ち消しはなく、除去も自分のターンにしか撃てないうえに殆どの場合相手の展開力に見合っておらず、受けに回ることがそもそも難しいです。

つまり相手のブン周りにカードで干渉することが難しいのです。

私が自分で勝手に使う表現で「相手をコカす」とよく言います。相手のブン周りに対してどのタイミングで打ち消しや除去を撃てば止められるかを考えるときによく使っています。相手を転けさせて、やりたいことを走りきらせないという意味です。MtGでは妨害が強いため、そのように相手に何もさせないことが度々発生しますが、シャドバではそんなことはまずあり得ません。

MtGから来た私は率直に言って「シャドバは相手の強い動きを見ていることしかできないまま負けるのでつまらない」と思っていました。今も少し思っています。

ではシャドバ勢はどうしているのかというと、相手を妨害するカードを考えるのではなく被害を抑える立ち回りを磨くのです。

相手の強い動きが除去重視ならあえてフォロワーを並べない、除去できないフォロワーを並べるなど、自分への被害を最小限にするプレイで戦います。
もちろんMtGでも全除去などわかりやすいものについては類似の思考で戦うことも少なくありません。
しかし、シャドバはその回数が尋常ではありません。ほぼすべての対面で毎ターン何が出てくるかを理解し、立ち回りだけでテンポを取ることが求められます。
それほどに再現性の高いゲームなのです。

相手のデッキよくわからんけどとりあえず打ち消しか除去構えておくか、ハンデス撃ってから考えるか。そういった妨害優位なプレイングはシャドバでは認められず、対戦相手のデッキに対する高い理解度が求められます。

ここでもMtGの土地問題があるのですが、立ち回りで1ターン遅らせるということはMtGではシャドバほど重要なテクニックとして話題に上がりません。
極端な話、2ターン連続で土地を引くだけでその遅らせは無意味になるからです。

それよりも何を妨害するか、といったインパクトの大きい判断に議論が集中します。要所を消してしまえば1ターンと言わず何ターンも遅らせられるますし、それくらいじゃないとトップ次第ですぐになかったことになってしまいます。

そこから進んで、妨害や除去が無くても立ち回りでテンポを遅らせて勝利を掴み取ることができるプレイヤーは間違いなく強豪扱いです。

その素地をシャドバプレイヤーは既に持ち合わせているのです。

3. そもそもDCGである

シャドバはDCGとして産み落とされたゲームです。それが何を指すのか?
私を含めMtGおじたちは、昭和もしくは昭和の香り残る平成初期に産声をあげ、スマホどころかガラケーもなく、公園の遊具も撤去されていない未開の地で暮らしていた過去を持ちます。
そんな私達MtGおじは、どれほどおっさん化が進もうとも、どれほど周りに情報とコンテンツが満ち溢れようとも、友人と楽しく自分なりにデッキを組んで対戦していた過去を後生大事に握りしめているのです。(偏見)

それは、対戦に勝つことよりもデッキ構築や対戦ゲームをすること自体が楽しい、という原体験です。ただ4,5人程度の身内、もしくは地元のカードショップの小さな世界で勝ち負けを楽しむようなそんな穏やかでセピア色の時代を過ごしてきました。

しかしDCGネイティブ勢はそうではありません。アプリを開けばランクが可視化され、世界中の対戦相手と戦います。その中にいるマナーの悪い回線切断プレイヤーなどに不快な思いを受けながら、環境デッキを相手に勝利を目指してゲームを遊んでいるのです。

昔とは比べ物にならないくらいコンテンツに溢れ、いくらでも他のことができる時代に生まれてなお、彼らは子供の頃から勝利を求めてDCGに取り組み、敵を屠り続けてきた屈強な戦士たちなのです。

そんなバーサーカーが我々の村にやってきたとしたらどうでしょうか?
君たちも私達と遊ぼうよ、と我々MtGおじは純真無垢な目でスターターデッキや統率者デッキをきっと渡すでしょう。自分たちの原体験に近いものを彼らが感じられるように。
しかし彼らはバーサーカーです。飛んでくるのは感謝の言葉ではなく鉛玉です。
そんな竹槍はいらん。Tier.1デッキを、この村で最強の武器を寄越せ。使い方を教えろ。駆逐してやる…!と今にも襲いかかりそうな顔で舌なめずりをしているのです。
(※知り合いのシャドバ勢の発言と体験に基づいた妄想です)

少し話が飛躍しましたが、つまりはDCGは普通のTCGよりもかなり競技的な側面が強いのです。それはDCGとなったMTGアリーナも同様であり、その中で生き抜く経験をシャドバ勢は既に持っているといえます。

4. では我々は滅ぼされるのか?

ここまでシャドバ勢バーサーカーの強みを説明してきました。しかし我々もただ焼き払われる子羊ではありません。

MtGプレイヤーはシャドバでは経験が難しいことを経験しています。
それはデッキ構築と妨害です。

シャドウバースはかなりデッキ構築に制限があります。そもそものカードプールが狭く、カードもアーキタイプを明確にしたデザインにされているため、オリジナルで組もうとしても似たようなデッキになってしまいがちです。しかも大会で結果を出したデッキを簡単にコピーできる機能もついており、極端な話、一切構築を経験せずとも遊ぶことが可能です。それもあってか、シャドバ勢はMtG勢に比べてデッキ勝ちを狙う意識が少し低いように思います。

対してMtGはかなりデッキ構築の自由度が高く、相手の裏をかく構築が可能です。
これは相手の出す手を綿密に読もうとするシャドバ民には刺さりやすいはずですので、積極的に構築で差を作り出して、完コピデッキで勝てるほど甘くはないことを見せてやりましょう。

もう一つの妨害もシャドバプレイヤーは慣れていません。出したフォロワーが攻撃する間もなく死んでしまう、それどころか着地すら、唱えることすら許されない。彼らはその事実に必ず発狂します。強迫を撃つたびに相手に1d3のSANチェックが入ります。

しかも土地のせいで後続を引く保証もシャドバよりはるかに低い。そのなかで突っ込むべきか引くべきなのか、再現性が低いからこそ、よりアドリブが求められるのがMtGです。
そこを突いて一時的狂気に陥ったバーサーカーに「運だけかよ、クソゲーが」と言わせてやりましょう。

5. さいごに

今回はシャドバ勢の友人のリクエストに応えてシャドバとMtGの違いについて書いてみました。

少し前にシャドバプロが何人も晴れる屋に移ったということでMtGに興味のあるシャドバ勢も増えていると思います。シャドバ勢は上手くなる素質に溢れているのでぜひ積極的にMtG村に遊びに来てください。
でも純真無垢なMtGおじを焼き払うのはNGです。この世界はおじで成り立っている高齢社会ですので、私と当たったときは忖度して負けてくださいね。

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