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春のような温かさがいつもある学校に…彼はいつも勢いよく、真っ先に 〜心の宝物80

🌷後ろからでも、あいさつするよ


コロナ機の学校。
 7月の終わり、朝の一年生廊下もずいぶん落ち着いてきました。手洗いを済ませ、担任の先生が、健康カードの点検をされるのに並ぶ列も整ってきました。たまに密集すると「ソーシャルディスタンス!」と呼びかける子も出てきました。

 そんな姿に感謝を伝えたり、すれ違う子と挨拶を交わしたりしながら、教室に入ろうとしたときでした。

「おはようございます!」と背後から勢いよく声をかけられました。驚いて振り返りました。満面の笑顔を浮かべた彼でした。

🌷彼はいつも勢いよく、真っ先に


 いつも元気で外遊びが大好き。とりわけこの頃はかくれんぼがお気に入り。体力があり、足も速いので、鬼役の子を出し抜いてポコペンするのが大得意でした。
 ただタイミングがきわどい場面では無理をしがちで、バランスを崩し、転んで派手な擦り傷を負うこともしばしば。それを理由に、先生方から一時、かくれんぼう禁止論が沸き起こったほどでした。

 しかし、その思い切りのよさや冒険心は、たしなめるよりも伸ばすべきもの。
 
 授業中に手を挙げるとき、何かがこぼれたとき、誰かが困ったとき、まるでポコペンするときのように、真っ先に勢いよく挑んだり、駆けつけたりする彼の姿は、周囲に勇気を届けるものでした。

 返してもらえなかったらどうしよう。なんだか恥ずかしい。
 そんな思いから、たとえ正面ですれ違っても、自分から挨拶の声をかけることができない。そういうときは誰にでもあって、決して特別なことではありません。だからこそ、そうしようと決意した挨拶は、その人の心に、温かいものを届ける力があります。

 そう考えると、その人の後姿に向かって挨拶の声をかけるという行動に、彼がつかった心の力や、それがその人に、このときは私に、届けてくれた勇気や優しさがどれだけ豊かなものかが想像できると思います。
 
 これからも、あなたの勇気と、行動する力がますます強くなりますように。
でも、けがには気を付けてね。

そんな願いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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