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春のような温かさがいつもある学校に… 心の中で乗り越えた山の高さが伝わったよ〜心の宝物97

🌷全校の中心として


山に囲まれた小さな学校
1年生の彼は、背の順の最前列。つまり、全校で最も小柄な人でした。
しかし、運動会に向けての取組の中では、全校で最も大きな存在感を発揮しました。

開会式の整列は、1年生が全体の真ん中。準備体操の形に広がる際には、最前列の彼が中心になります。
体育委員長が高らかに声をかけます。
「○○さんを中心に!」
その声がかかるや否や、
「はい!」と元気に返事をし、背筋を伸ばして右手をピンと挙げます。
まだ小さな体から、大きな気迫がグラウンド全体に広がり、全校児童の表情が一段と引き締まります。

🌷心の中で乗り越えた山の高さが伝わったよ


 この学校の教育目標は「進んでやる子」でした。
 どちらかと言えば内気な彼でしたが、運動会で、全校の中心が自分になると悟ってからは、その役割を全力で果たそうと、様々な場面で挑戦する姿が見られるようになりました。

 個人種目の呼び出しに対しても、練習から、大きな声で返事をすることを意識し続けました。

 仲間と関わったり、自分を表現したりすることにも積極的になりました。
休み時間に、得意の側転を連続で披露した姿には、子供たちだけでなく、私たち職員も釘付けになりました。
 まだ幼児の体形を保っている彼が、器用にくるくると全身を回転させる姿は、まるでテディベアのぬいぐるみが舞うようで愛らしく、終えて恥ずかしそうに微笑む姿に、その場にいた全ての人が拍手喝采を送りました。

 決して簡単ではない役目を、強い心できちんと受け止め、大きな声で果たしましたね。優しいあなたが、心の中で乗り越えた山の高さと、それであなたが得た力は、全校の仲間にも、先生たちにも確かに伝わったよ。
全員があなたから勇気をもらったよ。ありがとう。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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