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BtoB製造業マーケターの仕事紹介

こんにちは。
BtoB精密機器メーカーに勤務している、とも(@yuuzaki_t)です。

「マーケティングって具体的にどんな仕事してるんだろう?」

という方向けに、少しでも役立つ記事になればと思います。

マーケティングの仕事の種類

まず、マーケターと言うと、所属先は大きく2つあります。

1.マーケティング会社
複数の事業会社の抱える課題解決を支援する。電通や博報堂といった総合マーケティング会社から広告代理店など、特定のマーケティング領域に強い会社も。

2.事業会社のマーケティング職
自社の商品やサービスのマーケティングを担当する。インハウスマーケターとも呼ばれます。

私の場合、BtoB製造業のマーケティング部に所属しているので2になりますね。

マーケティングの仕事内容

次にマーケターの業務内容ですが、非常に多岐に渡ります。なぜなら、マーケティングの定義は「継続的に売れる仕組みを作ること」なので、その目的のための仕事は、何もかも全部マーケティング、と言うことに。

例えば、リサーチ・分析、商品企画、販売促進、広告宣伝…etc 同じ事業会社のマーケター同士であっても、会社規模や業務範囲によって、その人がどんな仕事をしているのか、一人一人かなり違うと思います。

マーケターの仕事内容

最初に、簡単に私が勤めている会社の紹介をします。

地方にある精密機器メーカーで、設立43年目になる、中小企業です。海外売上比率が高く、主要顧客やビジネスパートナーが多く集まる米国カリフォルニア州に研究拠点があります。社員の8割を技術系エンジニアが占めており、博士号(Ph.D.)ホルダーが何人もいます。

そう、皆さまお察しの通り、私のような文系人間は社内でごくわずか。周囲を見渡すと、工学系、物理学系の大学&大学院出身の秀才ばかりです…

そんな私の担当は、宣伝広告&コミュニケーション(Promotion)です。求人だと「販促企画」「Marketing Communications Specialist」などで募集されている職種かと思います。

●イベント企画運用
展示会や学会などのイベントに企業ブースを出展。どの製品をどう展示するか、販促物はどう訴求するか、デモ内容などを考えます。

米国、EU、中国、アジアなど各拠点の現地担当者と協力するため、英語でのメール交換やMTGなどもあります。

一年中、世界各地で展示会や学会があるので、荷物の梱包や発送に汗を流すことも。日本開催の展示会の場合は、現地へ行って調査や運営サポートをすることもあります。

●各種プロモーション、コンテンツの企画運用
価格プロモーションや、デモ機プロモーション。お客様からよくいただく質問をFAQとしてWebコンテンツにしたり。ウェビナーアーカイブを新規リード獲得用の中間コンバージョンとしてWeb公開したり。特にWebコンテンツは、これから注力していきたい分野ですね。

●クリエイティブ制作
展示会グラフィック、製品カタログ、広告、Webバナー、動画などを制作しています。言語は日本語、英語、中国語がメインです。

主に使用するツールは、Adobe Illustrator(チラシやバナーデザイン)、Photoshop(画像加工)、Premiere Pro(動画編集)、Audition(音声編集)辺りです。

ウェブサイトの更新はCMSで、フォーム作成はMAツールで行いますが、簡単なHTMLの編集もします。
製品撮影は一眼レフ。社内に簡易的な撮影スタジオがあるので利用しています。

広告の運用と分析
業界専門メディアのWeb広告が多いかもしれません。学会広告だと、要旨集広告、スライドショー広告、バナー広告など。あとは、リスティング広告、SNS広告。

海外向けのGoogle広告運用は入社当時から担当していて、データポータルでレポート・分析しながら細かい改善を積み重ねています。直近だと広告効果を検証するため、GA4探索レポートに参照元メディアレポートを追加しました。

●広報
担当している事業領域のプレスリリース作成、メディアの方とのリレーション作り。ニッチな製品を扱っているので、業界専門メディアの方とのつながりが多いと思います。

IR(Investor Relations)、株主・投資家さんに対し、財務状況などの情報提供を行う部署は別にあり、よく情報交換をしています。

マーケターとしてのKPI

マーケターとして最大のKPIはリード獲得です。

展示会や学会から得られるリードや、Webから得られるリードを最大化するために、どんな施策をしたらいいのか、いつも考えています。もちろん、売上、工場の稼働状況も鑑みます。

「マーケティングは1日あれば学べる。だが、使いこなすには一生かかる。最高のマーケターになるためには、現実におけるたくさんの失敗や成功から学ぶことが大切。」コトラーの言葉です。

たくさんの失敗も、失敗事例からの学び、そして成功もあります。

直近でやらかしたのは、見込み顧客へ郵送したキャンペーンDMが3万円かけて2アクセスしかなかった時です。もう真っ青でした。恐る恐る上司に報告したところ「失敗してもいいんだよ。それを検証結果として、改善していこう。」と言ってくださり、救われました。

マーケターとして他部署との関り

技術系の会社だとお話しましたが、撮影、チラシ、メルマガ、ウェビナーひとつ取っても、研究開発部との協力は欠かせません。私の知識レベルが、コンテンツのレベルであってはいけないからです。

研究開発部の方も、快く協力してくださるので、本当にありがたいです。私は中途採用なのですが、今の会社の社風、と言うか、仲間同士で助け合う雰囲気は、すごく良いと思います。

それから、営業担当者との関係も大切にしています。営業担当者もまた、この業界に長く携わってこられた技術系のベテランメンバーです。お客様が求める、本当に必要な情報は何かを教わりつつ、それをもとにコンテンツ案を練っています。

他部署ではないですが、同じマーケティング部署で、営業企画、製品企画を担当されている上司(米国駐在経験のある理系エンジニアです…ってもう十分ですか?笑)にも、日々ご指導いただいています。

こうして書いてみると、たくさんの方々に助けられてばかりですね。

事業会社のマーケターは、部署を超えた関りが多いことが、ひとつの特徴かもしれません。製造、生産管理、業務管理、経営企画、情報システム、人事総務部…、色々な場面で助けられています。

おかげで、商品を届けるというプロセスの中で、自分が担当しているのは、ほんの一部だと知ることができました。職種は違ってもそれぞれの部署でプロフェッショナルな仕事をされている人が大勢いることも、よく知っています。

だからこそ、自分が担当している分野で、プロフェッショナルであることを目標にしています。

マーケターを選んだ理由

私のキャリアのスタートは、新卒で入社した出版社の広告営業でした。

その時に、広告を契約してくださったオープンしたてのケーキ屋さんの店長と、膝を付き合わせて、どうしたらお店の魅力が伝わるかと、掲載内容について話し合う時間が好きでした。

プロモーション担当とは、その企業の魅力について誰よりも深く知ることができる仕事だと思っています。その気持ちは、今も変わりません。

BtoBものづくり企業を選んだのは、ひとつは、アプリケーションの多様性が面白いと思ったためです。

同じ精密機器ひとつでも、お客様によって、その製品を使って何をするのか、用途は一人一人違います。用途の広がりを学び続けられることが面白いと思いました。

あとは純粋に、ものづくりに関わる人が好きですね。

ベテラン技術者の方が「設計図を見るだけで、頭の中で製品が立体的に組み上がる」と仰るんです。凄いですよね。

ジブリ「風立ちぬ」に出てきた三菱重工の工場、愛知県「大江時計台航空史料室」のゼロ戦の展示は、床に巨大な図面が書いてあって、その上にゼロ戦が浮かび上がるように展示されているんですが、あれは設計者の頭の中だったのかと思うと、感慨深いです。

マーケティングに関わる仕事内容は、本当に多種多様です。こんなマーケターもいるんだなと、どなたかのお役に立てば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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