見出し画像

僕は、まだ「ごまめ」だった

僕は友達と5人でキャンプに行くことにした。

「どこ行く?」

「そうやなぁ~」

あれやこれやと行先や準備とかの話で盛り上がっていた。


「俺、テント持ってるし、ヒロとさとるで食材は頼むわぁ~」

「OK」

「寝袋とかどうするよ?」

「あぁ~毛布で良くない?」

「食器とかは?」

「みんなで買いに行くべ?」

「あ、俺、炭焼きするの持ってるし」

おぉーーーーー

歓声が上がった。


「あ、僕は?」

「あ、おさるはいいよ」

え・・・

「何で?」

「結構、俺たち持ってるし」


多分・・悪気はないことは分かっていた。


何となく僕は

今までも、こんなことあったし・・・もしかしたら

でも・・・

やっぱり少し淋しかった。


僕は今までキャンプに行ったことがないことに気を使ってるんだと思う。


みんなのはしゃいでる声が小さくなっていった。


「花火するかーーー」

「お、残ってるやつあるある!!」


僕も持ってた。


「楽しみやな、おさる!」

「え、あ、うん」

僕は笑っていた。


だけど・・

まだ「ごまめ」だった。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?