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本日のおすすめ【行動経済学が最強の学問である】

人とご飯に行くと、自分だけなかなか料理が来ない7号館です。

お店に入って、何を頼もうか迷っているとき…
「本日のコーヒー」
「1番人気!」
「おすすめメニュー」
とりあえず、この辺を選びませんか?

松竹梅のコースがあれば、「竹」を選びませんか?

私たちは「自ら選んでいる」ようで「選ばされている」。
行動経済学を使ったトリックは、日常に溶け込んでいます。

本書では多数の理論を体系化し、行動経済学の本質が分かりやすく解説されています。
たくさんの理論がありますが、特におもしろいと感じた理論を少しだけご紹介します。


行動経済学とはなにか

「無意識の意思決定を科学する」学問が、行動経済学であると述べられています。
私たち自身も、なぜそのような行動をしたのかと問われても説明し難いことがあるように、人間は無意識に選択をすることがあります。
例えそれが、合理的でなかったとしても選び取ることがある。
「非合理な意思決定のメカニズム」こそ行動経済学の本質であるとしています。

行動経済学を構成する3要素

① 認知のクセ(脳の情報処理の仕方)
【真理の錯誤効果】

ある情報に触れる回数が多いほど、真偽に関わらずその情報を信じてしまう。
(繰り返し表示される広告の商品を、良いものかもしれないと感じる)

【概念メタファー】
抽象的な概念を、デザインによって具体化する。
(背の高いもの⇒権威・高級感、背の低いもの⇒安心・親しみやすい など)

左の方が高級そうかも

②状況(行動は状況・環境によって変化する)
【ナッジ理論】

人は選択肢が多すぎると選べなくなる。「本日のビール」や「人気ビール」といったおすすめ(デフォルト)を用意することで、楽に選択することができる。

【フレーミング効果】
同じ内容でも、何を強調するかによって意思決定が変わる。
A:脂肪25%の牛肉
B:赤身75%の牛肉
AとBは同じであるが、受け手はBを評価する。

【おとり効果】
人は無意識に比較してしまう。
「誰も選ばないような選択肢(おとり)」を置くことで、もともとあった選択肢を選ばせる。
(3000円のワインを売るために、7500円のワインをメニューに入れる、等)

③感情(喜怒哀楽よりも"淡い感情"に左右される)
【保有効果】

自分が所有するものには価値があると思うこと。

また、スマホやタブレットを使うとつい色々と購入してしまう。
自分の指が画面上の商品に触れることで、保有効果が働き「自分のもの」だという感覚・価値が高まるためとされる。

【キャッシュレス効果】
現金に触れないカード決済等では、お金を使うことの透明性が下がる。
例えば、メニューの金額表示が「2000円」と「2000」とでは、後者の方が売上が高くなる。「円」がないだけで"お金を払う"意識が薄れ、簡単に使ってしまう。

経済学との違い

経済学の中では、人は常に合理的な意思決定をし、合理的な行動をすることを前提としているため1つの正解に集約されます。

対して、行動経済学の中では人は常に合理的であるとは限りません。
皆がそれぞれ異なる「認知のクセ」を持っており、「状況」「感情」にも左右されます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
感覚では分かっていたことも、名前のついた理論として証明されているなんて面白いですね。
傾向を知ることで、自分の行動を俯瞰して見ることができるようになるかと思います。

【紹介書籍】
行動経済学が最強の学問である
相良 奈美香 著


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▼自分の話
金額表示に「円」がないだけで売れる?いやいやそんな単純なわけ…
と思いましたが、思い返してみればちょっと良いレストランでは「円」がなかった気がする。
飲み物も安すぎず、高すぎずの中間を頼んだ気が…
完全にお店の策略にハマっています。

とはいえ、自分でもどうしようもないんですよね。
絶対一番高いものだけ選ぶ!と思って選択することはそうありませんし、振り返れば自然とそういう選択をしてきていたかもしれません。

Amazon、Netflix、Apple…有名コンテンツには行動経済学を使ったトリックが使われています。
それらも解説されていますので、ぜひ興味のある方は読んでみてください。


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