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De-sign語り-7

仕事の依頼を受けたときに、担当セールスマンが「先方が赤色でとんがった感じが好きなんだよね」なんて説明をした日には、そんな担当者とは二度と仕事をしたくないな、って思う。

「赤色」や「とんがる」の意味をなぜ聞き出してこないのか?

おそらく、表現できるボキャブラリーの欠如している者同士じゃないと仕事の上でそんな話にならない。

「赤色」が示しているのが「情熱」なのか「温度」なのか「危険度」なのか?それらは他の言葉に置き換えて問いたださなくてはデザインの方向性は決まらない。

「とんがったコンセプトでさぁ」なんていうならすぐにでもこの部屋を出ていってください、と言いたくなる。

「コンセプト」ってなぜ必要なのか意味がわかっちゃいない。

例えば「赤色」から想像するものは何ですか?と10名に言えば、10名は店でバラバラのものを想像するだろう。

「バラの花です」「太陽です」「情熱」「プレゼントのリボン」「ぶたれた頬」「怒った顔」「魚の鯛」「消火器」etc.それぞれが全く別の方向を向いてしまう。

この「赤」という言葉に別の形容詞を加えるとどうだろう?

「沸るような赤」を表現してください。と言われたとき「たぎる」という言葉から想像できる言葉は方向性が狭まってくる。

「沸る」のは感情を表しているんじゃ無いかと皆が想像する。「ぶたれた」のではなく「怒り」が近いし、「魚の鯛」じゃなくて「情熱」が近い。

方向性を定めるためのキーワード。これを「コンセプトワード」と呼んでいる。

デザインを考える人間や文章を考える人間が一緒に一つの作品を作り上げるときに、みんなが同じ方向を向いていないとチグハグな表現になってしまう。

ミーティングを始めるときに「コンセプト」を決めておかないと、全員の会話が噛み合わなくなってしまう。

多くの人間がチームを組んで作品に取り組むような広告業界では合理性を高めるために「コンセプト」という方向を定める必要があった。

そして、一つの「コンセプト」という方向に向かって「どんな表現を用いるか?」という部分がクリエイターの才能を発揮できる部分になる。奇抜であっても凡庸であってもこの「方向性」から外れてしまうとデザインは効力を失ってしまう。

もちろんこの「コンセプト」の裏側には「誰に?」という言葉が隠されている。

「誰に?→ユーザー」「どっちに?→方向性」「どうやって?→表現」「伝える→媒体」が揃って初めて広告は力を発揮する。

デザインが依頼から始まる限り、「何を求めているか?→目的」がある。

まずはそのことを自覚し、確認する。

もしも、思わぬ方向から「目的」を達成するには凡庸ではない才能が必要。

それができるのは人の心理を熟知しているから。

でも、凡人であっても天才に勝つことはできる。

それができるのは人の真理を熟知しているから。


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