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ウェルビーイングを追い求めることで見落とす可能性があること、とは?
ウェルビーイングという言葉を知ったきっかけ
最近すっかり定着したように思える用語ウェルビーイングですが、過去記事を漁っていたら、2019年に冬頃に参加した2つのイベントのどちらでもウェルビーイングの話が出たことで気になっていたことがわかりました。
1つ目のイベントは日本シェアリングエコノミー協会が主催するSHARE SUMMIT2019でした。「WIRED」日本版編集長の松島倫明氏が「Wiredの見ている次の社会の個人の理想は、well-beingというキーワード」といった話をされていたのです。
2つ目のイベントは転職サイトDODAが主催していたソーシャル・ワークスタイルフォーラムというNPO・NGOやソーシャルビジネスを手がける法人と、それらの組織で働くことに興味がある人をマッチングするためのイベントでした。
貴重講演をされていた当時、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社にて取締役 人事総務本部長を務める島田由香氏がPERMAというキーワードでWell-Beingの概念について紹介していたことがきっかけです。
PERMA
Positive emotion:ポジティブな感情
Engagement:主体的な関わり
Relationship:よい人間関係
Meaning:人生の意味や意義の自覚
Accomplishment:達成感・熟練
※この5つの度合いが持続的に幸せを感じられているかどうかに強く関係しているそう
短期間に2回も大型イベントのキーノートスピーチ的な時間で出てきたキーワードだったので「マインドフルネスなどの次のバズワードになるのかも?」なんてメモが残っていました。
ウェルビーイングとは何か?
その後、ウェルビーイングという枠組みで何かを学ぶという機会はほとんどありませんでしたが、著者のドミニクチェンさんに興味を持ったことがきっかけでこちらの本を読みました。
この本の中では、ウェルビーイングの3つの定義が紹介されていました。
(1)医学的ウェルビーイング
心身の機能が不全でないか、病気でないかを問うものである。これは健康診断やメンタルヘルスに関する診断を通じて測定可能である。
(2)快楽的ウェルビーイング
その瞬間の気分の良し悪しや快/不快といった主観的感情に関するものである。
(3)持続的ウェルビーイング
人間が心身の潜在能力を発揮し、意義を感じ、周囲の人との関係のなかでいきいきと活動している状態を指す包括的な定義
ウェルビーイングというキーワードについての物足りなさ
また、本ではウェルビーイングについて以下のようなことが書かれており、「なるほど!このように説明できるのか!」と膝を打つ内容でした。
研究上さまざまな考え方があるが、代表的なものは、ウェルビーイングを「構成概念」と捉えるものである。「構成概念」とは、状態やメカニズムを説明するために人為的に構成された概念であり、「天気」や「景気」も構成概念である。いったんその存在を仮定することで、新しいものの見方を提供したり、それをよくするようにさまざまな働きかけを行えるようになる。ただし、構成概念は直接見たり測定したりすることができないので、それに関連すると考えられる要因を計測することでその状態を把握する。
注)ここから書いていることは書籍の内容からは離れています。
いつからか忘れましたが、ウェルビーイングというキーワードについて「wellだけじゃないよなぁ」と思うようになりました。
なぜならば、天気がまさにそうであるように晴れの日ばかりではないからです。英語でwillの反対はill やsickという病気を意味する語ですので、そうなると適切ではありませんが、心のうちにどうしても生まれるネガティブなことや、どうしても心が晴れない状態というのもあると思います。
wellだけにフォーカスしようとすることで削ぎ落とされてしまうのは、悪い状態であることをそのまま受け入れること。その上で丁寧に向き合い、寄り添うことかもしれません。
本当はそれらが必要な時にも、それらをないことにしたり、克服しようとしてしまうと、それは不自然なことではないでしょうか。
では、どういう表現ならいいと思うかで浮かんだのは、安直かもしれませんが、with being ウィズビーイング です。英語表現として適切なのかは確認していないのであくまでイメージです。
上記で引用した表現を借りるならば、
wellかどうか以前に『「ビーイング」というものがあると仮定して、関連すると考えられる要因を計測していこう』というレンズを持てること
です。
書きながら思いましたが、ポジティブシンキングに偏ることの違和感に似ているかもしれません。
さいごに
ウェルビーイングについてたくさん調べた上での記事ではないので、好き勝手に書いていると思っていただけたらと思います。
ちなみにwellだけ、ポジティブだけ、を追い求める弊害や、対策として大事なことについて書いた記事があります。こちらも関係あるかもしれないと思ったので載せておきますね。何か参考になるものがあれば嬉しいです。
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