ビジネスパーソンに必要なのは「下降」する身体的プラクティス?
はじめに
2020年に「肚の叡智をつかって失われた直感と洞察を取り戻す」というコンセプトのオンラインプログラム『ガット・ウィズダム』を学びました。
ここで学び、実践するプラクティスとは、心身をアスリートのように鍛えていく方向性を「上昇」と表現するならば、「下降」と表現する方向性なのではないかと個人的には思っています。そして、多くのビジネスパーソンにとって重要なのがこの「下降」の方向性の身体のプラクティスなのではないかと思うのです。
今回は上記のオンラインプログラムで紹介されていた「人間のパーソナリティに関するモデル」がとても興味深いと共に、多くの人にとって価値あるものだと感じたので紹介したいと思います。
ボディサイコセラピー(身体心理療法)とは?
「ガット・ウィズダム」の講師をされていたのは贄川治樹さんという方で、ボディサイコセラピストをされています。私はそういう分野があることを当時初めて知りました。今回紹介する図と関係が深いものでもあるので、贄川さんの言葉を紹介する形で説明します。
概要
どういうことを行うのか?
ボディサイコセラピーで捉える人間のパーソナリティとは?
上記の図は、プログラムで紹介されたものを私が作成しなおしたものとなります。個人として理想的なバランスになっている場合は上記のような三角形になっているそうです。
それでは、図の内容について紹介していきます。
私たちは、生まれてから、図の下から上に向かう「ベクトル」によって発達していくそうです。
多くの人は逆三角形になっている
本来あるべきバランスは上記で紹介した図ですが、現代人の多くの方の状態は逆三角形になってしまい、一番上にある自我・セルフイメージが肥大化してしまっている、頭でっかちになっていて、そのために本来は土台であるはずの身体プロセスを感じにくくなっている。また、それに紐づいて本能的なものや感情も感じにくくなっている。とのこと。
セルフイメージが肥大化していることにより、イメージに合わないものを抑え込んで、ないことにしようとする。その結果、どんどん自分の体と心が分かれる、自分のイメージだけが大きくなっていく。合わせて、周囲からの承認を得ようばかりしてしまう。そういったことが起こりやすくなるそうです。これは言い換えれば、自然・大地と切り離されていっているとも。
思い出したこと「上虚下実」
この三角形・逆三角形の図を見た時に思い出したことがあります。それは、その昔、ハワイ島のオーガニックファームで生活していた時に毎朝ヨガをしていた時に教えてもらった「上虚下実(じょうきょかじつ)」という言葉です。
当時してもらった説明については忘れたので、ネットで検索し、近しい意味だと思えるもの「しゅとう整体」さんのHPで見つけたので紹介します。
また、その状態だと何がいいのでしょうか。
成人発達理論とのつながり
この傾向は成人発達理論の後期合理性段階(オレンジ)における弊害に通ずるものを感じます。
これは言い換えれば、都心部で暮らす多くの人にとって、ビジネスフィールドに最適化するために成長していく・能力を伸ばしていく、ということは、同時に上記でいう後期合理性(オレンジ)段階の持つネガティブな側面が育まれてしまうということでもあると思えます。
どうすればいいのか?
では、どうすれば適切なバランスへとシフトしていくことができるのでしょうか。
プログラムの中ではいくつかのワークが紹介されていました。自身の体を丁寧に観察するであったり、丹田呼吸的なものだったり、横隔膜を刺激するもの、膝などにアプローチするもの、などなど。
それらを抽象化して、ずばり「どうしていけばいいのか?」には言及されていませんが、私なりに解釈すると、今回紹介した三角形・ピラミッドでいう「土台(身体プロセス)に直接・意識的にアプローチをすることを通じて、その上に座している情動・本能、感情・意志を取り戻していく、育んでいく」ことでしょう。
さいごに
自分の経験を振り返ってみると、今回の図でいう自我が、苦しみを感じるだけではなく、その苦しみが閾値を超えるようなものになっていた状態から気持ちや意識が解放されていった時にはいつも集中的な「身体のプロセス」への取り組みがあったように思います。
古くでいえば、高校生の時に硬式テニス部に入り、テニススクールに入るぐらい夢中になり、毎日のように練習していた時が思い起こされます。
実は、それよりも前の小学校3年生から中学校2年生頃まで、転勤などのきっかけによりイジメを受け、精神的に、時には肉体的に痛みを感じ、昔の自分からすると暗黒時代と呼びたくなるような時期がありました。
その暗黒がすっかり晴れたことは、高校でそれまでの友人関係が大きく一新されたと言う意味で生活環境が変わったことも大きかったと思いますが、先に述べた硬式テニスに夢中になったことが情動・本能を取り戻す上では大きかったように思うのです。(その分?それまで無意識に抑圧していた怒りの感情が大きく出たことにより、親を含め色んな人に迷惑をかけましたね 汗 ただ、ああいった歪でも表現していかなければ、発達していかないのだろうなぁと感じます。)
今回、こういう記事を書いてみましたが、せっかくの機会なのでプログラムを学んでいた頃よりも心身についての解像度が高まるように、関連する情報にも触れて学びたいなと思っています。
おまけ
「ガット・ウィズダム」を受けての学びについて書いたものだったり、その他の身体知性にまつわる記事をまとめているマガジンはこちらからご覧いただけます。
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