順応型段階(アンバー)とはどんな段階なのか?基礎について学んでみる
はじめに
先日こちらの記事にも書いたのですが、書籍「ティール組織」が出版されて以降、成人発達理論にも注目が集まる一方で、ティールという段階への美化に伴い、それ以前の段階の陰陽でいう「陰の部分」にフォーカスが当たりやすくなっている状況があるように思えます。
それによってティール以前の段階が軽視されるとしたら、それはある種の不健全さをもたらすと思えます。(厳密に言えば、その軽視やそれによって生じる課題自体はその人自身の発達の重要なプロセスと言えるので良い悪いはないのですが)
私自身、2018年にティール組織の書籍に出会い惹かれて、実践探究を続けていますが、最近、各段階への理解を深めていきたいという気持ちが高まってきたので気持ちが続く限りは記事にしていきたいと思います(笑)
まず、今回はアンバーという発達段階を扱います。参照書籍は、鈴木規夫さん著『人が成長するとは、どういうことか ーー発達志向型能力開発のためのインテグラル・アプローチ』です。
成人発達理論を学ぶ上で重要なこと
書籍の中でも繰り返し提示されているので引用します。
順応型段階(アンバー)の位置づけについて理解する
外向のフェーズ
ケン・ウィルバーは人間の発達のプロセスを大きく2つのフェーズに分けています。前半期のことを外向のフェーズと形容しており、少なくともアンバーからオレンジまでの段階がこのフェーズに該当しそうです。
特徴はこちら。
また、なぜ外向という名称かというと、「メインテーマが時代や社会という外的な文脈の中で自己を確立することにあるから」だそうです。
慣習的段階
順応的段階(アンバー)は発達段階を3つの大別するレンズを用いた時の2番目、慣習的段階に位置する段階です。この段階には他に、アンバー・オレンジ段階が属しています。(鈴木規夫さんの書籍では、アンバー/オレンジという間の段階も紹介しています)
この慣習的段階の重要な目標は、「個としてのアイデンティティを確立する」ことです。言い換えれば、以下の問いに対する答えを見出していくといいうこと。
なお、ここでいうアイデンティティの確立とは、「複数のペルソナを確立し、それらを統合するプロセスを通じて達成される」ことだとされています。(組織人、職業人といった特定の役割に紐づいた限定的なアイデンティティではない)
この確立に至る段階は後期合理性段階(オレンジ)だそうなので、順応的段階(アンバー)はそこまでのプロセスに位置しているとも言えます。
いかにして順応型段階(アンバー)に発達していくのか?
こちらでは書籍の中から順応型段階に発達していくためのポイントだと思われる箇所を引用します。
思ったこと
ここに書かれているプロセスは、この記事を読まれているような方であれば少なくとも2回通っているように思える。1回目は、自我が芽生える前、2回目は(日本の場合)小中高大いずれかの学歴から働き始めてから慣れるまで。
順応型段階(アンバー)の伸び代とは?
ここでは、順応型段階の傾向(表裏一体としての伸び代)について紹介します。
この発達があることで可能になることとは?
ケン・ウィルバーはこの段階の意識を「他者に与えられた期待や規範や規則に従って自らの思考や行動を律する意識」と形容されていうそうです。また、この段階の成果・可能になることについて書籍ではこのように紹介されています。
また、他にも可能になることとしてこんなことが紹介されています。
さいごに
書籍では、この段階からどういう取り組みをしていくと次の段階へ発達していけるのか?についても書かれていましたが、さらに長くなってしまいますので別の機会に回します。
また、書籍「インテグラル理論を体感する 統合的成長のためのマインドフルネス論」によると、ケン・ウィルバーはそれぞれの発達段階には、「前の段階を超えて含む」性質があると言っています。「新たな発達段階は前の段階を包み込んでいるのと同時に、前の段階には全く存在していなかった新たな内容を付け加えている」という意味だそうです。
そして、この普遍的なプロセスにおいて、超えると含むのいずれかがまずい方向に進むことがあるとのこと。
今回は表層的にしか紹介できませんが、この2つの観点は秀逸だなぁと感じました。安易なセルフチェックはよくないと思いますが、あえてこの観点で私自身のアンバー段階、とりわけ「規範・ルール」ということに対する感覚でいうならば、頑なさを感じる(中毒と捉えています)領域と、避けたい感覚を感じる(アレルギーと捉えています)領域のどちらも感じるのが正直なところ。
今の人生のタイミングもありますので、改めて学び、解像度をあげる&プラクティスをしてみたいなぁ。
気になる方はぜひ書籍「インテグラル理論を体感する 統合的成長のためのマインドフルネス論」を読んでみてくださいね。(濃ゆい本なので読み手を選ぶと思いますが)
おまけ
成人発達理論とは?発達段階とは?について入門的な内容を知りたい方は、私が学び始めた頃に書いたこちらの記事がオススメです!ぜひご覧ください(今回引用している鈴木規夫さんの書籍からの引用はありません)
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