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ソースプリンシプル提唱者ピーターカーニックに学ぶ「お金の起源」とは??


はじめに

2021年冬から吉原史郎さんが発起人のJUNKANだいこんの仲間たちと共にソースプリンシプルについて探究実践しています。

JUNKANだいこん(社団法人考案中)とは
発起人・ソース:吉原史郎

日々の暮らしでの 「じゅんかん(循環/いのちの流れ)」を土壌として、 「オーガナイジング(Organizing)・経営」、「マネー&テクノロジー」について実践探究をしている団体です。主な探究テーマとしては、ピーター・カーニックの「ソースプリンシプル(ソース原理)とマネーワーク」、また、JUNKANと親和性のある哲学(西田幾多郎、ヘラクレイトス等)があります。

ソースプリンシプルとは?

日本で書籍が出版されたトムニクソンや提唱者であるピーター・カーニックから直接学び、先日日本初のプラクティショナーにもなった吉原史郎さんが書かれたblog記事から引用します。

(補足1)ソースプリンシプルとは?

ソースとは「”リスクを最初に取って、あるイニシアティブを始めた特定の個人“」を意味しています。特定の個人は2人以上ではなく、1人であるというところがポイントになります。経営文脈において、ソースは創業者である場合が多く、その際、イニシアチブは会社となります。また、ソースという考え方自体は、トム氏が学んだピーター氏(Peter Koenig)が、実際の企業を観察し続けた結果、考案した考え(ソース・プリンシプル)になります。

ただ、大前提として「すべての人は、生まれながらにして、ソースである」という、いのちの循環に基づく深い慈愛があり、「ソースは、特権階級のものではなく、世界のあらゆる場所にあり、富裕層から貧困層まで、あらゆる階層の人々がいる」という観方が不可欠となります。これらを見失うと、ソースの横暴や悪用に繋がっていくためです。』

こちらのブログから引用

(補足の補足)

【言葉の意味①:イニシアチブ (Initiative)
イニシアチブとは、「個人の心の中にある、世の中に何かを創造したり、世の中の何かに変化をもたらすようなアイデア」(ビジョン)を実現することを目的とした継続的なプロセスのこと。

【言葉の意味②:アイデア (Idea)
アイデアとは、「明確な始まりがなく、多くのインスピレーションや影響を受けて形作られるもの」を意味している。アイデアには、「こういう取り組みをやってみたい」というものから、日常的な場面での「昼食にこれを食べたい」といったものまで含まれている。

こちらのブログから引用

私がソースプリンシプルを学び始めてよかった4つのこと

書いた記事がこちらです。

今回は、ソースプリンシプル提唱者であるピーター・カーニックの公式HPから、ピーターの専門である「お金」に関するテーマ「お金の起源」にまつわる箇所を引用しながら書いていきたいと思います。

6つのお金の起源

ピーターは、お金の起源について以下の6つについて紹介しています。以下は、ピーターのこちらのサイトの該当箇所にDeepL翻訳をかけたものとなります。

「交換媒体」

貨幣の発明について、最も一般的な説明は、経済的なものである。 その昔、交易社会では物々交換が行われていたが、欲しい物のある相手と交換するために、常に貴重な品物を手元に置いておかなければならないのは、あまりにも不自由である。 そこで考案されたのが、売り手と買い手の間で共通に合意された品物(たとえば穀物など)を代金として受け取る方法である。 このように使用される物資の総称が、英語では「Money」、フランス語では「Argent」、ドイツ語では「Geld」であった。

「価値の貯蔵・尺度」

英語の "Money "は、貨幣のもう一つの起源とされる「価値の貯蔵」という意味と緩やかに結びついている。

「支払い手段」

Joe Cribbは、貨幣経済学者がこの活動を説明する際に通常好んで使用する「交換媒体」の定義は技術的に不正確であると指摘しています。 貨幣を「支払手段」と定義する方がより正確である。 貨幣取引では、通常、財の交換は行われない。

貨幣は、売り手から買い手へという一方向にのみ通過する商品に対して与えられるのである。

「人的交流の意味での交換」

「交換媒体」という言葉は、貨幣のもうひとつの、あまり認識されていない役割から生まれたのではないかと推測するのは興味深い。 それは、貨幣が交換されるたびに促進されるコミュニケーション、すなわち人的交流という意味での交換の役割である。ウィリアム・ブルーム は、(ポール・アインツィヒの人類学的研究を引用して)貨幣のこの役割を強調しているが、その起源は、原始的で物々交換以前の贈与社会における、最古の貨幣の交換にまでさかのぼる。

「神への神聖な捧げもの」

さらに別の主張 (J.P. Hallmark) は、お金の起源は神への神聖な捧げものとしての役割にあるというものです。 司祭は価値の裁定者として機能します。

「所有権と引き換えにする約束手形」

マルグリット・ケネディ は、貨幣を発明した当初の衝動は、まったく別のものであったと指摘している。 彼女は、原始的な母系社会で、男性が共同体から追い出されたときに生まれたと推測している。 彼女は、男性たちは自分たちの場所を確保するために土地の境界を定め、その所有権は約束/借金/約束手形によって支払われたと示唆しています。

これらのうち最初の2つは以前から聴いたことがありましたが、他の4つについては知らなかったのでそれぞれの説を提唱している人の書かれているものを辿ってみたいなと思いました。特に最後の男性たちが自分たちの場所を確保するために支払われた、というのはどういうことなんだろう!?と検討がつかなすぎて興味がそそられました。

過去に学んだ別の由来

また、私がお金について学び始めた頃に知った交換媒体(物々交換)とは異なる由来があります。

それはこちらの『新しい時代のお金の教科書』に書かれていた、

お金の起源は記帳だった、とする説です。

引用します。

ミクロネシアのヤップ島という小さな島の中にフェイという大石があります。このフェイが、お金の起源だと言われるのですが、とても大きくて持ち運べないほどのものでした。これをどうしたかというと、持ち運んだのではなく、実はここにナマコ三匹とかヤシ一個とか、お互いにもらったもの、あげたものを刻んでいったのです。

つまり、お金という便利なツールが最初からあったのではなく、記帳(記録)から始まっているということです。お互いの貸借の記帳がお金の起源だと言われています。

こちらの著者のnoteから引用

私は書籍を通じてこの由来について知った時、ちょうど書籍「帳簿の歴史」やブロックチェーンにまつわる書籍を読んでいたこともあり、物々交換以上にしっくりきたことを覚えています。

上記の本に書かれていたかは覚えていませんが、著者である山口揚平さんのnoteでは以下の内容が書かれていました。

このヤップ島のフェイの記帳の仕組みが、今、世界規模に広がっているということです。

今、ビットコイン(Bitcoin)をはじめとした仮想通貨やその元となっているブロックチェーンが注目されています。あとで詳しく説明しますが、ブロックチェーンを簡単に説明すると、分散台帳システムと言って、暗号化された取引が各々の持つ台帳に記帳されるものです。

そして、あらゆる人がこの台帳を持つ(分散して持っている)、ということです。この仕組みによって台帳を一つ改ざんしても他を改ざんすることができないので、噓がつけない仕組みになっています。その記帳のプログラムをどんどん堅牢にしてゆく人がおり、その人たちにビットコイン(Bitcoin)が配られるわけです。

よく考えてみてください。これはフェイを使った記帳がヤップ島という小さな島を超えて、地球上に広がったとも考えられませんか? つまりお金は記帳から始まって、やがて今の円やドルのような貨幣となって共通の価値の単位となった。それがまた記帳へと戻ってきている。ぐるりと一周したという見方もできます。記録・信用から単なる数字へと、そしてまた記録・信用へと回帰しつつあるのです。

こちらの著者のnoteから引用

今回の本筋とは逸れましたが、以前私が読んで興味深かった「お金の由来」、書籍だったので紹介させてもらいました。

もしよければ山口揚平さんの書籍もぜひ読んでみてくださいね!

さいごに

6つ、+1つ、合計7つの由来を紹介しました。このうちのどれが正しいのだろう?と思ってしまうかもしれませんが、ピーターカーニックは、文章の中でここで説明した機能のそれぞれは、「現在においても日常的な金銭のやりとりや取引の中で、あからさまではないにせよ、潜在的にその役割を果たしている」と書いています。

また、インテグラル理論の提唱者であるケン・ウィルバーはお金に限らず「全ては正しいが、部分的である」と言っています。

これらを踏まえると、出ている説のすべてに共通することが何か?を浮かび上がらせることができれば、何がお金を生み出させたのか?に迫っていくことができそうだなと思いました。うーん、これは面白い問いだなぁ。

ちなみに、ピーター自身がお金の起源をどう捉えているのかについて、少なくともHPをみた限りでは分からなかったので、今度聴く機会がありそうなので、聴いてみたいと思います。


追伸

「お金の探究」シリーズ続きの記事はこちら。


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