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WIRED(ワイヤード)vol.35を読んで考えてみた(3)世界の中で日本が影響力を高める方法とは?

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はじめに

雑誌WIRED(ワイヤード)の12月号のテーマは地球のためのディープテッ ク。地球破壊の文脈に置かれることが多いテクノロジーをむしろ活用することによって地球環境問題を解決していく事例をたくさん紹介している号です。

私は「地球環境問題×テクノロジー」というテーマに強く関心があったので今回初めて購入しました。読んでみると1つ1つの記事が示唆に富んでいて深く考える機会をたくさんもらえました。まとめるとかなりの分量になってしまったため分割して書いていきます。

今回は3つ目です。

過去の記事はこちら。
・持続可能な人間社会を創るために重要な人間の価値観とは?
・今後、深刻な食糧難や資源枯渇が起こることはない!? 

ディープテックベンチャーが日本の未来を創っていく!?

私は最近、日本の国際政治や経済面の現状を学んでいました。
 
もし興味があれば以下の書籍はオススメです。

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・経済の現状について
奇跡の経済教室/中野剛志著/KKベストセラーズ

新・生産性立国論/デービッド・アトキンソン著/東洋経済新報社

・政治の現状について
日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか/矢部宏治著/講談社+α文庫

・世界の大国の動向について
2030年の世界地図帳/落合陽一著/SBクリエイティブ

他にも同テーマの本を読みましたが、政治や経済についてとっかかりとして読むのにはとても分かりやすかったものを紹介しています。
 
なお、政治については上記は賛否両論ある書籍なので鵜呑みにしない方がいいですが普段の私たちの生活では気にかけることのない話が書かれていて、新たな視点を得られます。
 
上記の書籍などを通じて分かったことは、個別具体的な事例を除いて俯瞰した場合、世界の中でいかに日本の立場が危うくなっているかということでした。
 
軍事の面や食糧・エネルギーの自給率は他国依存が強いです。
 
また、最近話題になっている地球環境問題への取り組みについても世界の方針と逆の方針という理由から国際会議で日本の評価は悪いです。
 
ちなみに世界の大国の動向というテーマで紹介した落合陽一氏の著書は、SDGsが単に世界中の社会課題を解決するための世界の協力を生み出すもの、という以外の視点をもたらしてくれるものです。
 
それは、端的に言えば「国が世界の中での影響力を高めるための手段」という視点です。
 
落合氏曰く、SDGsの評価は、ヨーロッパの各国が軒並みトップクラスになっているそうです。もっと正確に言えば、ヨーロッパの各国が高評価になる評価基準が定められているとのこと。
 
一方で、アメリカはオバマ氏の時代には積極的だったこの取り組みからトランプ大統領は離脱しようとしています。(パリ協定からの離脱宣言)
 
また、アメリカのエネルギー自給率は高まり、中東依存ではなくなっています。軍事力やエネルギー自給率の割合などは、国が自立するだけではなく他国に優位性を持つための不可欠な要素です。
  
これは私の解釈ですが世界での影響力争いという観点から考えると、アメリカにとってヨーロッパが主導権を握りやすいSDGsという土俵で闘うことはよろしくありません。

だからこそ、アメリカは主導権を握るために自分の土俵ではないところを避けたのではないでしょうか。
 
SDGsの中でも世界的に話題になっている地球環境問題の解決策は循環可能な経済を実現することが挙げられます。
 
その経済は、サーキュラーエコノミーと呼ばれオランダが主導しています。また、原発依存を減らす動きはドイツがリードしています。
 
アメリカの方針としては新しい技術を開発することで課題解決を図っていこうとしています。WIREDで紹介されていたジェフ・ベゾス氏の宇宙開発はまさにこれにあたるでしょう。
 
アメリカは近代から今に至るまで世界中に影響を及ぼし、各国の動向や人々の生活様式を変化させてきました。
 
各国には軍事力を通じて。
 
個々人に対しては、古くはハリウッド映画を通じて、
昨今ではAmazon含むGAFAを通じて。
 
つまり、アメリカは常に主導権が握れる土俵で勝負したいというプライドがあるし、それができる力もあるでしょう。
 
本では他に中国が世界の中で影響力を持つための武器も載っています。
 
話が広がってしまいましたが、
 
つまりは、日本が国として自立できていない、政治的な影響力も、魅力も弱い、世界から尊敬されていない面がある、という現状なのだと思ったのです。
 
正直どこに希望を持てばいいのだろうと思っていました。
 
そこで「日本のどの部分を伸ばすことが世界の中の日本としての魅力・存在感を増すことになりかつ上記で言う経済面での成長にも繋がるのか?」といった問いが生まれました。
 
それから情報収拾していく中で見つけたのが「ディープテック」という概念でした。

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詳しくはこちらの書籍をぜひ読んでみてください。

ここには日本が過去に培ってきた技術を、東南アジアなどのこれから人口が増加していくエリアに応用転用することをオススメしており、国内事例もいくつか紹介されています。
 
私はこれを知った際に、ディープテックは上記の問の答えの1つだと思いました。
 
株式会社PLANTXはそんなディープテック企業の1つとしてWIREDで紹介されていました。
 
この会社は、人口型植物工場を展開しています。
 
詳しくはHPを直接見て欲しいのですが素人目に見てもとても素晴らしい取り組みですし、日本にもっとこういった企業が増えて欲しいと思いました。
 
難点は事業化まで時間がかかるということです。トップクラスの技術者が集った上で実装するまで7年がかかっています。

その間の資金をいかに調達するかが課題なのでそこにお金が流れるようになっていくといいように思いました。
 
ディープテックについては引き続き注目していきたいと思います。

続きはこちら。


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