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チームラボ猪子寿之さん面白いんだよなぁ

はじめに

おそらく一番最初に知ったのは情熱大陸の動画を偶然見つけたのがきっかけだったと思います。

本格的に興味を持ったのは、このTedを観た時だったような。

何年かに一度、猪子さんの情報に触れたい時期が来ては、動画や記事などを漁ってきたこれまででした。

ここ最近、久しぶりにその熱が高まりいろいろ検索していると、ちょうどビジネス映像メディアPIVOTで取り上げられていました。

この動画の中で紹介されている作品や猪子さんの発言を観ていると最近まで学んでいた西田哲学に通ずるものを感じました。もしかして読んだことあるのかな?という安易な発想からネットで検索してしまいましたが、特に記載はなかったですね。

もっと色々知りたいと思い調べてみると、2019年に共著が出ていたので購入し、今読んでいますが、これが面白い!

チャプター1〜3の中で興味深かった箇所

ここでは、チャプター1〜3の中で興味深かった箇所を紹介します。ずばりチャプター1の『花と人 コントロールできないけれども共に生きる』という作品について話している箇所が特に面白かった。

普通の絵とか彫刻だけだと作品の境界が「ここからここまで」と明確になっているけど、デジタルテクノロジーによって作品が物質から解放されていくと、境界という概念すら今までとは違ったものになっていくんじゃないか

p6から引用

『花と人』は、じっとしている人の周辺には花がたくさん咲くし、走り回る人の周辺では花が散るという作品なんだよね。同じような作品をニューヨークでも展示したんだけど、そのときのオープニングに人が殺到して、ギュウギュウ詰めになっちゃったんだね。そしたら、花が全部散っちゃった(笑)

でも、そのあとが面白くて、その場でみんな「ここに(人が)いすぎるんじゃないか?」ということを話し出して、「私は前の部屋に戻る」じゃぁ、私は次の展示を観ておくよ」と言い合って、みるみる3分の1くらいの人数が減ったんですよ。そうしたら、隙間ができて花が咲きだして、みんな「おおー!」となって盛り上がったんだよね。

これが面白いのは、ほかの人の振る舞いでアートが変化しているのを、第三者的に見て面白がってるってことなんだよ。インタラクティブというときに、みんな「自分の振る舞いで作品を変えること」を考えていると思う。でも、それってデジタルゲームに代表されるように、「自分と作品」に一対一関係になってしまう。そこには他者がいない。だけど、こういう作品をうまく設計すると、同じ空間にいる「自分と他者」の関係をポジティブに思える気がするんだよね。

p10から引用

『モナ・リザ』を観るのに隣の人は邪魔で、できれば一人で観たほうがいいんだよ。「ゆっくり鑑賞させて」としか思わないじゃない。それって、『モナ・リザ』では同じ空間にいる人が邪魔になるということなんだよ。でもさ、それは他人の振る舞いで目の前の『モナ・リザ』が変化しないからだと思うの。

僕らは他人がセットで作品として観えるようにしていて、だから、みんな作品の写真を観客とセットで写したりする

p13から引用

他者の存在まで含めて作品として鑑賞できることで、他者に対してポジティブになれる感じ

p16から引用

スマホもPCもゲームも操作している肉体は個人利用でしかないじゃん。でもチームラボのアプローチは、複数人が同一空間にいて、デジタルに介在する主体が必ずしも自分でなくてよおくて、他人でもいいし、自分を曖昧に含んだ集団でもあっていいというアプローチなんだ。

p21から引用

隣人の行為のおかげで自分が存在することは、かつてはもっと見えやすかったはずだと思う。

p23から引用

作品の公式動画はこちら。

さいごに

書籍をもっと読み込んで、猪子さんの思想への理解を深めたいし、それを通じて自分が何に惹かれているのかも知りたいという欲求があります。

分かっているのは、猪子さんと落合陽一さんのデジタルテクノロジーの捉え方・使い方には、これまでの世界・経済を駆動してきたパラダイムとは異なるものを感じるということ。そして、その異なるパラダイムに基づいてデジタルテクノロジーが活かされる機会がもっともっと増えていく必要がある、それでもってやっとちょうどいい塩梅の人間社会になると感じるということ。

私はプランターをやったり、リジェネラティブな取り組みについての探究も深めていますが、それだけでは片手落ちとまではいかないものの、足りないものがあると思っていて、それがズバリ彼らの取り組みにまつわる何かだと思っているのです。

これはまだまだ直感に過ぎず、ロジックの世界からすると説明できないんだから、切り捨ててないことになってしまいますが、分からないけれど、感じる方向に進む力はこれからますます大事になってくると自分に言い聞かせて(笑)、インプットやフィールドワークをしていきたいです。

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