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人生100年時代をアクティブに過ごす秘訣は脳にあり

少々滞りがちな読書メモですが、本日は2022年8月に発行されたこちらの新刊をご紹介したいと思います。

『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(西剛志(脳科学者)・著、アスコム刊)

「人生100年時代」というキーワードも定着してきましたね。私が活動しているキャリアコンサルタント界隈でも、定年延長や70歳代までいかに自律してキャリア形成していくか、ということはホットな話題の一つです。

平均寿命は日本人の場合、女性で87.5歳、男性で81.4歳と、確かに人生100年に近づいていっています。その一方で「健康上の問題で日常生活が制限なく生活できる期間」である健康寿命は、女性で75.4歳、男性で72.7歳(2019年)。

平均寿命の伸びとともに、健康寿命も伸びてきてはいるのですが、平均寿命と健康寿命の間に10年程度のギャップがあったりするのです。

あれ?
人生100年時代、長くはつらつと活躍したいと思うけれど、心身ともに健康で活躍できる期間となると、案外と短いのかも?

でも、その心身ともに健康的に過ごす秘訣の一つが、認知機能に関わっている脳の老化を防いでいくことだったりします。

今回ご紹介する本は、脳が老化しない人がやっていることを、行動、運動、食事、さらにはマインドセットまで網羅して詰め込まれています。巻末の参考文献では、なんと209もの学術文献や調査報告などが掲載されていて、これらをまとめ上げて取り組みやすい形で紹介されているのは、脳科学者の著者ならではと感じました。

脳の老化度もわかる診断もあり、簡単に診断できます。脳の萎縮は30代から少しずつはじまっているとのこと。私自身は40代後半なので、どうなんだろう??と思いましたが、幸い診断ではまだ老人脳ではなさそうでホッとしています(笑)。

キャリアコンサルタントとして、ちょっと嬉しかったのは、(情報処理能力のピークは18歳だけれども)相手の気持ちを読む力のピークは48歳、とのこと。脂の乗った?!この年代で、クライエントさんの心に寄り添う活動ができているのはありがたいことだなぁ、と思わずにはいられませんでした。

ただ、同時に、それ以降はどんどん下がっていくとのこと(がーん。焦)。
だからやっぱり、今からでも脳を老化させない習慣を身につけていくことは大切だわ、と思うのでした。

その点、本書はいつでも取り組める方法が満載。
しかも、取り組むハードルを下げる工夫も秀逸なんです。

例えば…
80代、90代まではつらつと人生を謳歌している人は「いまを楽しむこと」に貪欲なので、日々自分を楽しませてくれることをしましょう、というメソッドが紹介されていました。

これだけでもそうなのか!という気づきがあるのですが、本書はさらに自分を楽しませてくれる100のメニューを作るという提案があり、極めつけは実際の100の実例まで挙げられているのです。

リストを作るのって、実は意外と時間もかかって、めんどくさかったりするのです。加えて、我慢や和を重んじることが美徳の日本人にとっては、自分を楽しませることを自分に許可するというハードルもあったりします。そうすると、リスト作りで詰まったりしてしまうかもしれません。

そこを、具体的な実例まで挙げられていることで、読んだその日からやってみることができますし、「あ、そういうことで自分を楽しませてもいいんだ」という気づきになったりもします。

そうしているうちに、こんなこともやってみちゃおうかな、と知らず知らずのうちに行動が変わっている。実際に行動したくなるという部分にまでケアしようと意図されているな、と感じました。

そんなわけで、シニアの年代に差し掛かっている方も、脳の老化を防ぐ習慣を早めに身に着けていきたいミドルの方にも、実践的でおすすめの書籍です。


ところで、著者の脳科学者・西剛志 博士には、脳科学に基づくコーチングの手法を師事させていただいています。講座や個人指導でも多くの知識を教えていただいているのですが、こうして書籍を拝見すると、まだまだ知らないことも多く、西博士の知識の深さには恐れ入っております(笑)。

その西 博士もこれまでに4冊の書籍を出版され(一般の書店で購入可能な書籍として)、累計発行部数が10万部を超えられたとのことです。

人生の様々な局面で、知っておくと役立つ脳の知識。他の書籍のリンクも貼っておきますので、必要な方に届くと嬉しいです。


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