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寒露|2023.10.8-2023.10.23

日々の食卓、食卓での会話、食材やレストラン、食に関する本や映画、イベントなど、食にまつわることだけ書く日記のような「食雑記」。節気毎に更新。

10月8日(日) 「食」の話の交換所

KIITOが主催するクリエイティブマルシェイベント「ラ・フェス♪」に出展する。東遊園地に隣接するみち広場という屋外スペースでの開催。
本を売るだけだとつまらないし、ちょっとひねって、「『食』の話の交換所」と題して、お客さんの食の話と、私の本(食の話)とを物々交換するというのを試してみた。
神戸で生まれ育った人、海外生活を経て神戸に戻ってきた人、別の土地から神戸へ引っ越してきた人などから、それぞれ、いろいろな話が聞けた。
パンの話をしてくれた人に、神戸のパン文化を食べて知るための3つをおすすめしてとお願いしたら、ビゴの店のクロワッサン、イスズベーカリーの山食、ドンクのバケットかカルベル、と教えてくれた。いつか、この3つを並べて食べてみたい。

10月9日(日)〜18日(水)  釜山旅

※後日、追記予定。

10月18日(水) 金木犀仕事といつもの食卓

10時に大阪港に着き、入国。フェリーの旅は、入国の直前まで韓国にいるような気分で面白い。韓国と日本がシームレスにつながる。

家の前でタクシーから降りたら、やっぱり庭の金木犀が満開だった。過去2年、やろうやろうと思ってできなかった、金木犀仕事。今年こそは、とにかく何でもいいからやってみようと、買い物行かずにできるシロップ煮にする。花が開いてしまうと匂いがとんでしまうらしく、本当は五分咲きくらいのがいいらしいけど、ほとんど開き切っていた。トレイいっぱいの枝でようやく20gくらい。とりあえず、季節の香りを瓶に閉じ込めた。来年は五分咲きの花を白ワインにつけて桂花陳酒をつくる。

帰ってきて初めての夕食。いつものシチリアの白ワインを一口飲んで、日常が染みてくる。人参と柿のサラダに秋の訪れを、大きく切ったエリンギとジャガイモのトリフォラーティに韓国旅の影響を、そして調味料は塩だけの豚スペアリブと玉ねぎの煮込みに、そうそうこれなんですよ、と自分の好みを再確認する。最後に、恋人がパンチェッタがうまくできてから、ずっとつくりたがっていたカルボナーラをつくる。


10月20日(金) 寒露の買い出しと金井山城マッコリ

スマイル阪神へ寒露の買い出し。旬島の右はオクラから栗になり、左は茄子のまま。でも、栗と茄子が並ぶと秋っぽい感じ。小松菜、青梗菜、菊菜。蕪も増えてきた。相変わらず無花果は島ひとつ占領しているが、固めと書いてあるパックがあったので、買ってみる。バナナとかもそうなのだけど、果物はなんでも完熟より、少し未熟なものが好き。あと、小さい里芋は、土居先生が若い里芋は皮のまま煮るのが一番美味しいと言っていたので、やってみる。あと、夏の間は並んでいなかった「塩瀬のおみそ」が復活していたので、買う。旅先で味噌を買ってくるとき以外は、塩瀬のおみそ一択。旨味豊か。

釜山で行ってきた金井山城マッコリを開ける。蓋をあけるとものすごい勢いで吹く。瓶内2次発酵だ。賞味期限を過ぎると爆発する危険があるというのも、頷ける。落ち着かせて、お猪口に注ぐと、表面が小さな気泡で埋め尽くされる。そして、なかなか消えない。一口飲むと、酸味と泡がすごい。泡はそこまで細かくないが、強い。飲むヨーグルトがめちゃめちゃ発泡しているような感じ。でも、甘さはない。普段飲んでいる、日本で帰るマッコリと全然違うのはもとより、釜山で飲んだ生マッコリともあきらかに違う。別の飲み物と言ってもいいくらい。麹の量が違うのかもしれない。足で踏んで成形する、あの円盤状の餅麹1枚で、8度のマッコリを30本くらいつくるといっていた。それが他のと比べてどのくらい多いのかはわからないが、とにかく濃厚で美味い酒だった。残り1本は、賞味期限ギリギリで飲んでみる。

10月22日(日) 「グランドツアー」のアフタヌーンティ

仕事でお世話になった友人へのお礼に、アフタヌーンティをご馳走する。お店は、彼女に選んでもらった谷町9丁目「グランドツアー」というティールーム。お茶が好きな人はやっぱり素敵なお店を知っている。
本格的なティールームはほとんど行ったことがないので、ティーポットの蓋のつまみを押さえてしまってはアチチとなり、傾けすぎて茶葉が飛び出し、こぼしたり。50歳になっても、食卓で自分の知らないことはまだまだあるなあと、ちょっと恥ずかしいような、でも少し新鮮な気持ちになった。
お菓子は二段皿の上段にはスイーツ、下段にはセイボリー。とにかく、焼いた小麦粉の美味しさが、全部違う食感と風味で実現されていて、楽しめた。個人的には一段目では、ビーツケーキ(キャロットケーキのビーツ版)にオレンジフラワーの香りのクリームがのったもの、二段目ではポークパイが素晴らしかった。ロンドンで気にいって何度も行ったレストラン「St.John」のことを思い出した。

10月23日(月) 焼きリンゴとバニラアイス添え

夕食のデザートに、恋人が焼きリンゴをつくってくれる。バニラアイスも添える。むせそうな量のシナモンをぶっかけるのが、彼らしい。夜は冷えるようになって、温かいデザートが恋しい季節になってきた。

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