見出し画像

冬至|2023.12.22-2024.1.5

日々の食卓、食卓での会話、食材やレストラン、食に関する本や映画、イベントなど、食にまつわることだけ書く日記のような「食雑記」。節気毎に更新。

12月23日(土) 丸鶏のロースト、ラムのビリヤニ詰め

クリスマスシーズン恒例の丸鶏ロースト。今年はなんと、鶏のお腹の中に、ラムのビリヤニを詰めてしまった!謎の背徳感。

12月26日(火) 恋人の誕生日ディナー

苺とウドのサラダ、オレンジのサラダ、タコ・イタヤガイ・アサリのパッケリ、アグー豚のファルソマグロ(詰め物入りローストポーク)にカッサータ。ドリンクは、前半は山椒酒のソーダ割り、後半はネロ・ダヴォラ。私の調子が悪くて、いろいろ思い通りにはいかなかったけれど、恋人は喜んでくれた。ほんとに生きるのが上手。

1月1日(月) ご近所交換おせちと卵2個のすき焼き

今年も元旦の朝はご近所交換のおせち。自分たちだけでつくったり、買ってきたりするのとは比べものにならないくらい、今年も縁起がいいぞ、という気分になる。ありがたい。

午後は、人生初めての新春寄席へ。途中、繁昌亭の天井いっぱいの提灯が長い間揺れて、終演後に外に出て初めて、大きな地震が起こったことを知る。帰ってすき焼きの用意をするが、いつも食べながら見る、ニューイヤーコンサートの中継は中止となった。

私の人生の中にすき焼きが入ってきてから、早や数年。甘辛味が本当に苦手なので、これまで自分から食べることはなかったけど、恋人の大好物で、年末年始のごちそうの記憶と結びついているものだと知って、なんとか一緒に楽しんで食べたいと思うようになった。そのうち、甘辛のタレもたっぷりの生卵と混ざれば、意外と美味しいと感じることに気づき、ようやくすき焼きを楽しみにできようになってきたと思っていたところで、冷蔵庫に卵が4個しかないことに気づく。ひとり卵2個で臨んだすき焼きは、割下が激しく私の舌を攻め立て、無念にも途中退散。すき焼きに卵は不可欠。

1月2日(火) 鮭の幽庵焼きと生の柿入り柿なます

一日自宅で、読みたかった本を読んだり、今年の計画を立てたり。夕食にようやくお雑煮を食べる。関西の白味噌雑煮。丸餅に、輪切りの大根、人参と円満に揃えたけれど、椎茸が大きいのしかなくて、ズバッと四つ切りに。見逃されて欲しい。年末は小さい椎茸を買うのを忘れずに。いや、来年は我が家の鶏出汁雑煮を久しぶりにつくりたい。
今年のお節には鮭を入れるんだと息巻いていたけれど、二日夜にようやく実現する。北海道では普通に塩鮭を焼いて詰めている気がするけど、ブリの照り焼きに塩鮭ではちょっと丸腰すぎるかとひよって、柚子入り幽庵焼きにしてみる。恋人は塩鮭よりこちらが好きという。本来は塩鮭であり、これは関西に迎合した邪道なんだと力説するが、まあ好きというんだから仕方ない。そして、意外にも、秋鹿の生しぼりに合う。

そして、最後の最後で、柿なますに生の柿を小さく切って混ぜた。4年前に、最初の彼のお母さんから送られてきた柿なますに別添えで生の柿を切ったのが添えられていた。それが本当に美味しくて、なますなんて、全く興味がなかったのに、毎年つくるようになったのだが、ようやく完全に再現できた。

1月3日(水) 餅三昧

朝は海苔チーズ餅。昼は納豆餅、夜は友人宅でお雑煮、の餅三昧の日。今年、スマイル阪神で買ったお餅がものすごく美味い。みっちりと詰まって、でも、なめらかで、米の甘みが強い。調べたら、三田市にある、手づくりにこだわった家族経営のお店だった。これから、我が家の正月の餅はここで決まり。こうやって近隣で自信を持って美味しいと言える店が増えていくのは嬉しい。

友人宅のお雑煮の餅は、一升瓶とボウルでつくお餅。多少粒が残っていたって、つきたてのお餅にしかない美味しさがある。友人の家のお雑煮は、ニンニク醤油の効いたお雑煮。郷土料理というわけではなく、友人の実家ならではのものらしい。関西育ちの義理のご両親とのお雑煮攻防の話が、お雑煮にさらにパンチを加えてた。

1月4日(木) おせち料理のあとの水炊き

ようやく日常が戻ってきて、夕食は水炊き。おせち料理のあとに、こういうシンプルな塩味の料理を食べると、具材それぞれの味がはっきりわかって、楽しくなる。鶏肉の味、白菜の味、長葱の味、豆腐の味、椎茸の味。味付けの差異よりも、食材そのものの差異のほうが圧倒的に大きいので(食感との組み合わせもあるし)、食材の本来の味を活かしているほうが、口の中はむしろ楽しくなる。塩だけで食べ続ける私を、恋人は不思議そうに見ていた。

1月5日(金)  ハンバーグを我が手に取り戻す

ハンバーグをつくるのは苦手だ。生肉を素手で触る料理は、私がやるとプロセスが複雑になるので億劫なのだ。一方で、恋人は目をつぶっていてもつくれる料理がハンバーグといい、一緒に暮らし初めてからは、(プロセスはできるだけ見ないようにして)いつも彼にまかせていた。しかし、先日、このシェフのレシピなら、一度自分でもつくってみたい、と思う動画を見たのだが、夕食についにその機会がやってきた。

玉ねぎは合い挽き肉の約半量、パン粉と牛乳はかなり少なめ。こねるのではなく混ぜる、バターによる丁寧なアロゼ、が特徴か。結果、我が家のハンバーグ担当が激奨するハンバーグができあがる。私のハンバーグの解像度はそれほど高くないが、目をつぶってハンバーグをつくる人がそう言うなら、きっとそうなんだろう。パン粉が少なめなので、柔らかいという感じはないのだが、ジューシー。アロゼが肉汁を閉じ込めているのだろう。こんな、一度の成功で、またハンバーグつくろうかなと思うのだから、レシピは大事。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?