見出し画像

小満|2023.5.21-2023.6.5

日々の食卓、食卓での会話、食材やレストラン、食に関する本や映画、イベントなど、食にまつわることだけ書く日記のような「食雑記」。節気毎に更新。

5月25日(木) 鶏ハム、巻くか巻かぬか

朝食の食卓の話題は、鶏ハム。私のダイエットに合わせてもらうかたちで、朝食のベーコンを鶏ハムに変えた。私は鶏ハムは丸く成形されていなくても全然かまわない。なんでももとの形が見えるほうが、美味しそうに感じるし、ルーティンでつくるなら、とにかく手間を最小限にするほうが優先。恋人は成形しないとかありえない派。丸く成形されているからこそ、鶏ハムであって、成形されていないなら、それはただの蒸し鶏だと。丸くすることには、ハムを模すという視覚的な目的(均一に加熱するとか)が当然あるんだろうけど、丸くしないことで生まれるだろう食感のムラも、私にとってはむしろ好ましく感じるだろうという気がする。最近、自分の料理の特徴をあげてみたんだけど、それらの根本には「めんどくさがり」という私の性格があるんじゃないかと思い至った。巻かないで美味しいなら、巻く必要ないでしょ。

5月26日(金) ダイエットとお勉強

夕食はひとりだったので、食卓で食生活アドバイザーの勉強しながら食べる(お行儀悪いです)。2019年の受験で、覚えるのが大変だったもののひとつが、ビタミン・ミネラルの働きだった。ただでさえ単純記憶が苦手なのに、一覧表で覚えるのは拷問だった。今回は、栄養素キャラクター図鑑という本を図書館で借りてきて、キャラの図像の視覚的記憶やキャラが説明する風テキストのエピソード記憶も連動させて覚えるのにチャレンジ。表とは全然違うレベルで頭に入ってくる。アラフィフでも覚えられる!ただ、今はダイエット中のため、カロミルというアプリに食べたものを全て入力し、自分がとっている栄養素を把握している。ダイエット的にも、美容的にも栄養素が完全に重大な自分事になっているので、頭への入り方が全然違うというのは大きい。やっぱり目的あっての勉強。

5月29日(月) アーティーチョークとシケレぺ

昨日のスマイル阪神で、アーティチョークを見つけた。茹でて、自家製マヨネーズも添えて、来客の食卓に出す。数日前からアーティチョークを食べたいと思っていたらしい。自分が食べたいから、買ってきたものだけど、食べたい気持ちが重なる偶然は嬉しい。ひょんなきっかけから食卓でシケレペ(キハダの実)の話題が出たのが面白かった。アイヌの人たちは料理に多用していたけれど、本州では漢方である樹皮は利用しても実は使ってこなかったらしい。北海道で食べたシケレぺは微かな甘みも感じられたけど、本州のは全く感じられなかったという。同じ植物(の部位)でも、ある土地では有用とされ、ある土地では無用であるということはよくあること。でも、他の土地のそういう事実を知ることは、新しい可能性を見つけることにつながる。

6月1日(木) 地中海式ダイエットと倹約遺伝子

食生活アドバイザー検定の勉強、今日は生活習慣病と食生活。4年前にチャレンジした時にには人ごとだった生活習慣病のトピックスは、この4年でぐっと自分事に近づいた。内臓脂肪型肥満、高血圧症、脂質異常症、糖尿病。肥満には該当してはいないけれど、内臓脂肪は前回の健康ドックで確実に増加していた(まあ、実物見ればわかるけど)。当時はそれほど気にしてなかったけど、今の脂質制限(他の栄養素とのバランスを整えるレベル)ダイエットは、まさにその増えた内臓脂肪を落としているってことかとお腹を見て納得する。日本には、食物を効率よく脂肪にして蓄えることのできる遺伝子(その名も倹約遺伝子!)を持つ人の割合が欧米よりも多いらしい。日本の気候風土からくる食文化、食体系の中のもとでは、生存のために必要だったということなのだろう。ならば地中海式ダイエット(たっぷりのオリーブオイルと野菜、魚というやつ)が日本で成立しないのも納得が行く。これまで好きなだけオリーブオイルを使って料理していた生活から、ストレスを感じずに抑える方法も少しずつ見えてきた。QOLは人それぞれだし、守りたいものも違うから、好きなものと健康、両方実現できる食生活を自分で発明していくしかない。

6月4日(日) アラブ料理の酸

ずっと前から行ってみたかった、アラブ料理レストランへ。ヨルダン人のシェフのお店。ヨルダンと隣接するイスラエル、レバノン、シリアは同じような食文化圏らしい。ヨルダンの郷土料理と言えるのは、唯一、マンサフという乾燥ヨーグルトでラムを煮込んだものを米にかける料理とのことで、興味がそそられるが、事前予約が必要らしく今回は見送り。いただいた料理は、レンズ豆と野菜のスープ(シンプルだけどおいしかった)、前菜盛り合わせとして、ホンモス、ワラガエナブ(塩漬けしたブドウの葉でお米と野菜を巻いたもの)、ムタッバル(焼き茄子とゴマのペースト)、クッペ(ブルグルにひき肉を詰めてあげたコロッケ)、アラブ風サラダ(ゆかりのようなスマックというのがかかっている)、こちらのオリジナルらしいクフタのゴマソース煮、デザートはクナーフェというチーズ入り激甘クレープのようなもの。グラスで頼んだレバノンワインがなかなか美味しかった。
全体を通して、印象に残ったのは酸味。結構しっかり効いている。今回私たちは食べていないけど、お店の方曰く、タッブーレなんか、酸っぱくてお客さんにびっくりされるとのこと。どうして、あんなに酸をきかせるのか、とても興味深い。あと、クナーフェのちょっと脳天に響くような甘さ。あと、量も多い。アラブの食文化では、完食されると料理が足りてないということになるので、基本残るくらいにたくさん出す、ということらしい。私たちは、それを完食してしまったので、大丈夫ですかと心配されてしまった。いつか、予約してマンサフを食べてみたい。

6月5日(月) 人生初の病院食

手術のため2泊3日の入院。これまで話を聞き、写真を見てきた病院食を初めて食べることに。一時期、保育園給食の調理補助の仕事をしたので、給食ならではの制約は結構わかるようになった。生野菜は使えないから全部ボイルとか、成形ものは数が数なので大変とか。だから、どうしてこうなるかはなんとなくわかる。でも、絶食前の最後の一食として、これに向き合うとなかなか辛いものがあった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?