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きょう心にしみた言葉・2022年7月13日
打たれまい、打たれまいとこりかたまった姿勢ほど、もろいものはない。
打たれてけっこう。いや、もう一歩進んで、打ってもらおう。
この心境を得たとき、むずかしく禅などといわんでも、なやみ苦しむ人生の森の迷路に、おのずと道もひらけると思うのじゃが、いかがかのう。
昭和の時代、子どもだけでなく大人たちもが熱狂したマンガ「巨人の星」(原作・梶原一騎・作画・川崎のぼる)の一場面です。主人公の星飛雄馬は、大リーグボールという魔球を編み出そうともがき苦しみます。心の迷いをふり払おうと鎌倉の禅寺で座禅を組んだ飛雄馬ですが、参禅者の中でひとりだけ棒で打たれ続けます。姿勢を工夫しても打たれてしまい、和尚にも笑われてしまいます。「勝手にしろ。いくらでも打ち据えろ」と開き直ったところ、いい姿勢になり、打たれることがなくなりました。それを見た和尚の講話が「打たれまい、打たれまいとこりかたまった姿勢ほど、もろいものはない。打たれてけっこう。いや、もう一歩進んで、打ってもらおう……」でした。飛雄馬は、この言葉で大リーグボールを開眼するのですが、私たちの心にも深く届くものがあります。
「失敗すまい」「迷惑はかけまい」「弱音を吐くまい」。気を張りすぎたり、気を遣いすぎたりして心が疲れた時、思い出したい言葉です。
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