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ライフリンク・メディア報道・2009年10月

98年から11年連続で年間自殺者が3万人を超えていた当時、メディアの報道にも切迫感が漂っていました。ライフリンクは、メディアを通じて繰り返し自殺対策の必要性を訴えていました。
京都市で開かれた自殺予防と自死遺族支援について考える公開シンポジウムの記事(2009年10月1日 毎日新聞京都版)では、清水康之代表の講演内容が詳細に紹介されました。

清水康之代表は3つの数字をキーワードに深刻な状況を分析しました。
最初は「98・3」。当時から遡ること11年前の1998年3月、自殺者は3265人になり、前月より984人、前年同月より1241人増えていました。この急増について、清水康之代表は「98年3月は97年度の決算期。97年は三洋証券、北海道拓殖銀行が経営破たんに陥り、山一証券が自主廃業した年。その年の決算期である98年3月、倒産件数が急増して失業率が上がる社会経済状況に引きずられるように自殺者は急増を始めた」と指摘しました。記事が掲載された当時は、リーマンショックの暗い影が日本中を覆っており、警鐘を強く鳴らしたのでした。
次に「4」。ライフリンクが進める自殺実態調査から、自殺の背景には、平均四つの問題が絡み合っていると指摘しました。「四つの要因が複雑に絡まり合って起きているのに、それぞれの問題に対応する行政や専門機関の連携が不十分で、容易に問題が連鎖していく。対策が点になっているため、結果としてセーフティネットがネットではなく格子状にしか機能していない。一度滑り落ちるとはい上がれない構造になっている」と訴えました。
三つ目は「72」。自殺実態調査では、72%の人が亡くなる前に、何らかの専門機関に相談していたことがわかりました。しかも、その6割以上が自殺する1カ月以内に相談していました。清水康之代表は「自殺は身勝手な死と言われるが、実際には多くの人たちが最後まで問題を解決しようと模索し、結果として生きる選択ができない状況に追い込まれている」と提起しました。その上で、失業、多重債務、うつ病……など、それぞれの問題に対応する行政や医療、法律などの専門家たちが連携した包括的な支援体制の構築を呼びかけました。

2009年10月1日 毎日新聞京都版

医療ルネサンスのシリーズ「仕事と自殺予防」1回目の記事(2009年10月2日 読売新聞)では、30歳代の自殺が10年前と比べて3割以上増加し過去最悪になったことについて、清水康之代表のコメント「最近は非正規雇用の拡大や景気悪化による就職難で、中高年だけでなく、若い世代が疲弊している」が紹介されました。
「仕事と自殺予防」6回目の記事(2009年10月9日 読売新聞)では、清水康之代表のインタビューが掲載されました。
清水康之代表は「無職者が病院に行き、治療を受けたとしても、失業、生活苦、多重債務の問題はそのままです。逆にうつ病を抱えた状態では、就職も金銭問題への対処にも適切な判断がしにくくなります。多分野の相談機関の『連携』が必要です」
「例えば、ハローワークに、保健師が常駐し、心の健康相談を行ったり、弁護士が多重債務に対する無料相談を開いたりする。逆に医療機関や保健所から、必要なら弁護士会の法律相談やハローワークなど、問題に合わせた窓口を具体的に紹介できる枠組みを作ることです。相談窓口や支援制度の存在を知らずに悩み続けている人も多いので、助かる人は増えます」
「ライフリンクは東京都内で自殺者の多い足立区と協力し、関係機関に呼びかけ、実践的なネットワークを作ろうとしています」と答えました。

2009年10月9日 読売新聞

東京都足立区が、ライフリンクの協力の下、医師会やハローワーク、弁護士会など区内24機関と連携し、「こころといのちの相談支援ネットワーク」を発足させたことが報じられました。(2009年10月2日 読売新聞江東版

2009年10月2日 読売新聞都内版

写真は、岩手県立美術館にて

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