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きょう心にしみた言葉・2022年11月21日
この「近代」の最終ステージとしての「現代」の特質は、人びとが未来を失ったということである。
未来へ未来へとリアリティの根拠を先送りしてきた人間は、初めてその生のリアリティの空疎に気付く。こんなにも広い生のリアリティの空疎の感覚は、人間の歴史の中で、かつて見なかったものである。
加速に加速を重ねてきた走行の果てに、突然目的地に到達して急停車する高速バスの乗客のように、現代人は宙を舞う。
私たちは、なぜこんなにも生きづらいのか。現代に生きる多くの人々の問いかけに、見事に答えてみせた見田宗介さんの著書からの引用です。日本の社会学をけん引してきた見田さんは、統計データを駆使し、成長をひたすら目指して爆走してきた「近代」という時代が劇的な転換点を迎えていると指摘します。経済も、人口も、地球環境も、そして人々の意識も、急激に変わりつつある「現代」。「現代」は、家族のあり方はもちろん、人生のとらえ方や、幸福の感じ方まですべてが変容しつつある時代だといいます。「この新しい戦慄と畏怖と苦悩と歓喜に充ちた困難な過渡期の転回を共に生きる経験が『現代』である」と。今の生きづらさは、「現代」を生きる私たちの「共に生きる経験」。次に訪れる新しい時代の姿が見えてくるまで、私たちは、生きづらさを分かち合い、助け合いながら、歩いていくことになると示唆しています。
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