沈没事故のあった小学校で、みんなの思いが重なった「水難防止教室」をやって感じたこと。
先に結論から言います。実際にやって心から感じたことは、「『ライフジャケット』を着ければ子どもたちは全員がすぐに浮ける。『ライフジャケット』の着用体験は、全国の学校で実施してもらいたい!」ということ。体験することで守れる命がある・・・実際にやってみて心の底から本気で思っています。
沈没事故のあった小学校での「水難防止教室」
この「水難防止教室」は、7月8日(木)に、香川県坂出市立川津小学校で開催されました。これ、ただの教室ではなく、関わっておられる方々の並々ならぬ思いが重なって実現したものです。
というのも、この川津小学校。昨年11月に修学旅行中に旅客船が沈没してしまう・・・という事故があった学校なのです。幸い、様々な条件が重なって、全員が救出され、犠牲者はゼロ。大きな要因として、「全員が『ライフジャケット』を着けていたこと」が挙げられています。
いろんな意見がある中で、校長の白川豊浩先生は、この「水難防止教室」の実施を決断されました。全員が助かって命を繋いだ・・・という事実から、これからの教育に繋いでいこうという並々ならぬ思いでの開催でした。
この事故について、詳しくはこちらの記事を読んでいただければ・・・と思います。白川校長先生が、事故について語っておられます。
「水難防止教室」ってどんな学習をしたの?
「水難防止教室」は、日本ライフセービング協会副理事長であり、教育本部長の松本貴行先生を講師に迎え、「e-Lifeseaving」の教材を使っての座学からスタート。動画を使って、水辺での注意点、もしも落水してしまったら・・・どうするのかということを分かりやすく学びました。
この教材、誰でもアクセスできて、気軽に学ぶことができます。学校や園でのプール学習の導入にもオススメです!
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp
次に、僭越ながら、私、ライジャケサンタも「ライフジャケットがなぜ必要なのか?」ということと、「ライフジャケットの正しい着け方」についての話をさせていただきました。
そして、最後にプールで実際に「ライフジャケット」を着用しての学習。実際に、この学習を目にして、本気で思いました。水泳学習のうち1時間でいいから、この学習をすべての子どもたちに体験してほしい・・・と。もしも、すべての子どもたちが体験できたら、間違いなく、命を守ることにつながる・・・と。
もちろん、今、学校に導入されている「水泳」や「背浮き」の技術を向上させることも大切です。学校では、「ライフジャケット」はまだまだメジャーではありません。
ただ、今回やって思ったことは、「ライフジャケット」を着ければ、すぐに全員が浮けるということ。練習する前から、プカプカ浮けるのです。難しい技術は必要ありません。
そして、何かがあったときに、その「ライフジャケット」を着けてどのようにすればいいのか・・・ということを学んだこの教室。このことを知っていること、そして体験していることは、間違いなく今後の水辺での過ごし方に影響するものだと思いました。おおげさではなく、間違いなく、命を守ることにつながると思います。本当に素晴らしい時間でした。
ただ、こんなに素晴らしい指導をしていただける機会はなかなかないと思いますが、あれだけすぐに浮けるということは、5分でも、10分でも体験する機会を作ることだけでも、多くの子どもたちが体験できるといいな・・・と思っています。
必要なのはまとまった数の「ライフジャケット」
こういった学習がいくらすばらしいとは言え、肝心の「ライフジャケット」がないと実現は難しいものです。学校や園などで、体験させてあげたり、水辺の活動で使いたい・・・という時に、現状では準備するのはなかなか難しいと思います。
できたら、学校や園、子ども会などで「ライフジャケット」を使いたい!という時に、気軽に借りることができる「ライフジャケット・レンタルステーション」のシステムを充実させていくことが必要だと思っています。
今回の「水難防止教室」で使用された「ライフジャケット」は、なんと坂出市民からの寄付による寄贈によるものです。この寄贈にかかわった「Sakaide Lifejacket Santa Project」の代表・河野倭須子さんは、市内の13の企業や個人から寄付を集め、85着の「ライフジャケット」を寄贈してくださいました。この「ライフジャケット」は、坂出市の生涯学習課が管理し、市内の学校や園、子ども会などで利用される予定です。
香川県では、他にも香川県環境管理課による「SATOUMIライフジャケット・レンタルステーション」、教育委員会保健体育課による「ライフジャケット・レンタルステーション」の2つで、合計100個のライフジャケットを貸し出ししています。この2つは、いずれも企業からの寄付によるものです。
これらの「レンタルステーション」は、すぐに予約でいっぱいになってしまうほどのニーズがあるようです。香川では、これから県でレンタルできる「ライフジャケット」の数を増やしたり、坂出市以外の市町村にも「レンタルステーション」を作っていけるように、さらに動きを広げていこうと思っています。
どうか、お住まいの都道府県、市町村でも、ぜひ「ライフジャケット・レンタルステーション」を作ってみませんか?来シーズンに向けて、動きを作られる方がおられたら、全力で応援します!ぜひ、連絡してくださいね。
この「水難防止教室」について、四国新聞社さんが素晴らしい記事で報道してくださいました。こちらもぜひ読んでいただければ・・・と思います。
思いはただ1つ・・・子どもたちの命を守ること。
「子どもたちにライジャケを!」
http://lifejacket-santa.com