今年最後の本と思っていたのだけれど...

今年最後に読む小説として購入した川上未映子の『夏物語』は昨日読了した。小説以外に数冊同時読みしている状況だったが、物語が佳境に入ってきてからはほぼ『夏物語』だけを読むこととなり、思った以上に早く読み終えてしまった。

残り4分の1になったあたりから、ページを次に次に進むことを止めることができなくなった。残り数ページになると、もうすぐ物語が終えてしまうことに寂しさを覚え、読む速度がゆっくりとなり、同じ行を何回も読んだり少し前に戻ったりして、どうにか物語が終えるのを先に伸ばそうとした。それでもとうとう昨夜よみおえてしまった。

今回のようにページを繰ることを抑えることができずに読み進める本は、あまりに物語に入ってしまうからかはわからないが、その後内容をさっぱり忘れて思い返すことがないことも多い(読むという体験だけに集中できているということであって、忘れるとしても悪いことではないと思っている)。だが、『夏物語』に関して言えば、そこで書かれていた内容についてこれからも引き続き考えていくことになりそうだ。
あいにく、いまは体調が悪くて現時点での考えをまとめることができないので、後日改めて書くことにしたいと思う。

で、『夏物語』は読み終えてしまったので、ブルース・チャトウィンの『パタゴニア』を購入した。ブルース・チャトウィンは、今読んでいる『Pole 2 Pole』の石川直樹がおすすめとして度々名前を上げているし、今年のMONKEY『猿の旅行記』でもブルース・チャトウィンの翻訳があった(気づかなかったけれど、この雑誌でブレイディみかこも「一番最初の旅」という質問コーナーで投稿している)。それに、記憶違いでなければ須賀敦子もブルース・チャトウィンについて言及していなかったか。
とにかく、ブルース・チャトウィンのことは今年ずっと気になってはいたのだ。

明後日、仕事で東京に行くことになっているし、何かと移動の多い年末から年始にかけて読んでいく本としてはとてもいい本になるのではないだろうか。

さて、体調は良くなるどころか昨日よりも少し悪化しているが、今日はクリスマスイブ、そして明日はクリスマスである。数週間前からクリスマスプレゼンは用意していて、これから娘が寝ている布団のそばに置く予定だ。気に入ってくれるといいのだけれど。

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