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1年前のチャレンジで、世界が変わった。アイデア溢れる高校生がアプリ開発の世界へ【ライフイズテック メンバーインタビュー】

ライフイズテックでは、中高生がITを活用し、さまざまなものづくりに挑戦する環境を提供しています。
その一つが、全国の中高生がアプリ開発の頂点を目指す「アプリ甲子園」。昨年からは「開発部門」に加えて「アイデア部門」を設け、プログラミングスキルが十分でなくても、イノベーティブなアイデアがあれば応募できるコースを新設しました。そのアイデア部門で昨年、「GMOアドパートナーズ賞」を受賞したゆりえさん&はるかさん。

彼女たちはその後、ライフイズテックスクールでアプリ開発に挑戦しています。受賞から1年を経て、二人の成長と変化をインタビューしました!

【Profile】
ゆりえさん:高校2年生。中学1年次からライフイズテックのキャンプに通い、iPhoneアプリなどの開発を経験。「アプリ甲子園」の開発部門に出場するのが次の目標。
はるかさん:高校2年生。「アプリ甲子園」のアイデア部門出場をきっかけにライフイズテックスクールに入塾し、Androidのアプリ開発に挑戦中。最近は3DCGアニメーション制作も手がけている。


「いつか自分で本気でアプリをつくりたい」コンテスト参加を通じて夢が大きくなった

「ARカメラを搭載したオンラインショッピングアプリ」のアイデアで「アプリ甲子園2022」アイデア部門の企業賞を受賞したゆりえさん&はるかさん。「働く女性」がルームフレグランスをオンラインで購入する際の課題をテクノロジーで解決するアイデアは高く評価されました。受賞後、ふたりの環境に変化はあったのでしょうか?

はるか:去年、「アプリ甲子園」のアイデア部門にエントリーした段階では、アプリ開発どころか、まともにアイデアを形にした経験もなかったんです。それが、受賞の副賞で、ライフイズテックのスクールに半年間通う権利をいただいて、今はAndroidアプリの開発に挑戦中です!

ゆりえ:私は中学1年のときからライフイズテックのキャンプやスクールに通っていたので、開発部門の決勝大会に出場していたメンバーにも知り合いが多かったんです。実は、私も去年の開発部門にエントリーして、2次予選で敗退したこともあって、「私も本気でアプリ開発をやるぞ!」という気持ちが高まっています。

はるか:授賞式で、企業の方からアイデアを褒めてもらえたことで、モチベーションが上がったのも大きいですね。いつか自分でアプリをつくりたいなって、そのとき本気で思いました。

昨年の「アプリ甲子園2022」授賞式

アイデアをカタチに。ARモデルがスマホ画面に表示される機能を実現

ふたりの目標は、昨年受賞した「ルームフレグランスをARカメラを用いて部屋に置きながら買うことができるオンラインショッピングアプリ」を自分たちの手で開発すること。アプリの名前は「ARF(アーフ)」。ARとFragranceをかけたものです。

はるか:「ARF」は、「働く女性」をターゲットにしたアプリで、ルームフレグランスをオンラインで購入するときの困りごとを解決する機能を搭載させたいと考えました。まず、購入したルームフレグランスを置いたときに、部屋の大きさに対して匂いが強いか弱いかがわからない。あとは、インテリアとして、部屋にフィットするかどうかもわかりませんよね。そこで、ARの機能を使って、ルームフレグランスを部屋に置いたらどうなるかをアプリ上で視覚的に試せるようにしたいと考えました。インテリアとしてどんな感じになるか、また部屋の大きさに対して、匂いの強さはどうかなどを予測して表示させるのが目標です。

制作中の「ARF(アーフ)」

ゆりえ:アイデア部門に提出した設計では、LiDAR(※)センサーを使って、部屋全体を3Dスキャンして、部屋に広がる香りに濃淡を付けるような機能を考えていたのですが、私の今の技術ではまだ難しくて……。現状では、AR機能を使って、スマホのカメラ画像から部屋の平面部分を検出して、そこをタップすると、ルームフレグランスのARモデルが表示されるところまでは実現できました。これで、部屋にルームフレグランスを置いたときの大きさや色味を確認できます。開発には、SWIFT(iOSの開発言語)のARキットを使っています。あと、実際に商品を購入する機能も付けることができました。※LiDAR:Light Detection and Rangingの略。レーザー光を使って、対象物の距離や形状を認識する技術。

はるか:ゆりえは、「ARF」をiPhone向けに開発しているのですが、私はこれをAndroid向けに開発するのが目標ですね。私はAndroidアプリの開発を勉強中なので。

自分が作りたいオリジナルアプリが見えてきた

「ARF」以外にもお互いにオリジナルのアプリを開発中だというゆりえさんとはるかさん。高校の同級生でもあるふたりは、制作中のアプリを見せ合って、お互いにアドバイスをしているといいます。

ゆりえ:私は友達と食べ歩きをするときに使う地図共有アプリを開発中です。週末に遊びに行く街を決めたら、メンバーで共有しているアプリの地図上にピンを立てて、行きたいお店を保存するんです。そこに「コレ食べたい!」みたいなコメントを表示したり、ピンを立てたお店を回る最短ルートを表示したりする機能を考えています。あとは、外部の情報と連携して、周辺のおすすめ店を提案する機能とか。グループLINEで地図を共有するような感じですかね。あったら便利ですよね!

はるか:私は目標達成をサポートする「やることリストアプリ」をつくってます。自分のやりたいことを実現するのって、たくさんのステップが必要ですよね? そこで、自分の最終目標に向けて、1週間単位で中間目標を決めて、最短ルートを選ぶのをサポートするようなイメージですね。具体的には、1週間単位でやることをリスト化して、そこから毎日できそうなタスクを選べるようにするんです。そうすれば、毎日to doリストをあれこれ書き出す必要がなくなるという……。

ゆりえ:お互い自分が使いたいアプリをつくってる感じですね。

「0から1」と「1から100」を生み出す経験

一つひとつ課題をクリアするなかで、「自分は成長している」という手応えをつかめるのが、アプリ開発の楽しさなのだとか。アプリ開発を通して、どのような変化を経験しているのでしょうか?

ゆりえ:最近は既存のアプリを使っているとき、この機能はどうやってつくってるのかなとか、このUI(ユーザー・インターフェース)は参考になるなぁとか考えちゃいますね。もうエンジニア目線というか。

はるか:アイデアを考えるのって、「0から1」をつくり出すことじゃないですか。一方で、アプリ開発って、「1から100」をつくることだと思うんです。「ARF」でいうと「AR」とか「女性目線」とか、そういう要素をつなぎ合わせて、より大きな課題解決に挑むような感覚があります。コンテストへの参加をきっかけに、「0から1」と「1から100」を両方体験できたのは、大きいですね。

新しいプログラミング言語や開発ツールの使い方を覚えるだけでなく、「視点」や「感覚」の変化も感じるというふたり。そのモチベーションは、どこから来るのでしょうか?

ゆりえ:私は中学1年生のときに参加したライフイズテックのキャンプで、メンターさんに言われた言葉が忘れられません。それは、「世界を変えるようなアプリを考えるのも大事だけど、まずは半径5メートルから考えてみよう」というもの。つまり、家族や友達の役に立つ何かをつくるところから始めようというアドバイスなのですが、アプリ開発のモチベーションの原点は、ここにある気がします。やっぱり、身のまわりの人たちに喜んでもらうのって、最高に楽しいですよね!

はるか:私も自分のアプリで誰かを助けることができたらうれしいですね。あとは最近、AIにも興味が出てきて。ライフイズテックが開催したAI体験会にも参加したのですが、ものすごく可能性を感じたし、使っていきたいと思えました。

AI体験会にも参加

ゆりえ:私は最近、キャンプやスクールに参加すると初めて参加したメンバーとかに頼られることが多いんです。エラーコードの意味とか教えてあげたり。それができる自分がうれしいし、自信になります。

通っている高校から、制服の3Dフィッティングアプリの開発を頼まれた

「アプリ甲子園」のアイデア部門出場からアプリ開発にステップアップしたふたりは、なんと学校からアプリ開発を頼まれるようにまでなっています。最後に今後の目標を聞いてみました。

ゆりえ:もっと技術を身につけて、高校生のうちに「ARF」のアプリ化を実現したいです。でもそれ以外にもいろいろ興味があることが増えています。個人的には、「ARF」の開発を通じて、匂いのセンシング技術にすごく興味が持つようになりました。大学のオープンキャンパスに参加したときもセンシングに関する研究をチェックするようにしています。

はるか:いま「ARF」の開発と別で、所属する高校に頼まれて、制服の3Dフィッティングのアプリを開発してるんです。これは、先生が私たちの活動を知って、声をかけてくれたんですけど。

制作中の3Dフィッティングアプリ

ゆりえ:そうなんです。Blenderという3DCGの開発ツールを使って、はるかが3Dモデルをつくって、私がそれをiOSのARキットでアプリ化するような分担です。

はるか:この3Dフィッティングアプリの開発を通じて、私はデザインとかアートにも興味が出てきました。AIアートとかもすごく気になります。やっぱり新しいことに挑戦するのが大好きなんですよね。

ゆりえ:そういう意味では、ライフイズテックのスクールは、大学生のメンターさんからいろいろな研究の話を聞けるのもいいですよね。世界が広がります。メンターさんと話をするなかで、最近は起業とかにも興味が出てきました。

はるか:私も「アプリ甲子園」に出場して、本当に世界が広がりました。ライフイズテックのスクールに通いながらAIとかプログラミングに詳しい人ともっともっと知り合いたいです!

ゆりえさん、はるかさん、ありがとうございました!
ライフイズテックではこれからも彼女たちをはじめ、チャレンジする中高生を応援してまいります!

現在アイデア部門を募集中のアプリ甲子園はこちら👇


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