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㉒Snuggled on Your Sholder ───あなたに寄り添いながら・・・

大切な友達と交わしてきたやり取りを、今も思い返しています。今でこそ様々なことを細かくノートに記録として書き込んでいますが、二年前に実際に友達と電話で会話していた時には、大まかなことしかノートに書いておかなかった…そのことを少し悔やんでいます。

前にも既に書いていることですが、当時のスクリーンショットを見返すと、2021年5月9日…いや10日の午後まで、自分は随分お気楽なことを彼に発信していました。まぁ…友達も9日までは明るい見通しを電話で話していましたから、それを受けてこちらも…という部分はあるのですが。

5月10日の電話での友達の様子はそれまでとはまるで違っていたのですが、それでも前日から僕が mixi の呟きに書いていた一つ一つの話題について、感想を伝えてくれました。これも前に書きましたが、その頃友達は mixi 上でコメントを書くことが出来なくなっていましたから、代わりに口頭で直接伝える…ということでもあったと思います。その時の彼の置かれていた状況にあまりにもそぐわない話題を書いていたからだ…と今なら分かるのですが、その時の電話では友達の苛立ちのようなものが確かに感じ取れました。とてもそんな浮ついた話に乗れる状況になかった…と思うのに、僕の送った話題について、彼は一つ一つ言葉を返してくれました。

離れて暮らしている彼のお父様から「周りの人に感謝しなくちゃいけないよ」と言われたのだそうで、結果的に最後となったこの日の電話で、彼から「ありがとうございます」という言葉を掛けられました。その言葉は、僕には無理をして言っている言葉のように聞こえました。この電話で、彼はもっと違うことを言いたかったのではないか…そう思います。その二時間後ぐらいに、「今までと違う病院に入院します、多分もう終わりです」というメッセージが届いたことを考えたら、この時の彼は本当に辛かっただろうと思います。


彼のお母様は、まだ若い頃に友達と同じ病気で亡くなられたそうです。友達とは離れて暮らしている…というお父様は、僕の母と同じ歳 (昭和14年生まれ) 。迂闊にも、僕はお父様が暮らしているという県の名前を忘れてしまっています。どのような事情で、お父様は離れた土地で一人で暮らしておられるのか、何も分かりません。“彼は東京の人だ…” とAさん (友達のもう一人のマイミク) は言っていましたが、僕は何かの話の時に「上京」という言葉を彼から電話で聞いた覚えがあるので、もしかしたら友達の生まれ故郷に、お父様はいらっしゃるのかもしれません。


これまでTwitter からも、友達にDMを送ってきました。それらは全て、友達との直接的なやり取りは交わせていない、2021年6月以降に送ったものです。

弟さんの連絡先を知りたいこと(2021年7月)、可能であればお見舞いに行きたいこと(2022年2月)…その他色々メッセージを送信しました。一番最後のDMは2022年の10月。その全てが「既読」になっています。友達本人か、或いはそれ以外の人か…それは分かりませんが、誰かが確かに読んでくれている。友達本人であるなら、返事を書けるような状況でない…ということで理解できますが、もしも読んでくれているのが家族の方なのなら、何らかの形で連絡が欲しいな…と、自分は思っています。


友達とのやり取り、関わりの中で、沢山の思い出に残る音楽ができました。

昨年からずっと気に入って聴き続けている歌があります。スタンダードの『Snuggled on Your Sholder』。たまたま以前から家にある、べヴァリー・ケニーのアルバムに入っていました。音楽はその存在が必要な時に、相応しい曲が心にスっと入ってくるものだな…と思います。前に聴いた時には何も感じず通り過ぎていたとしても、その曲が必要な時には不思議と心を捉える。

友達と呟きや電話でやり取りしていた時ではなく、彼の現状について何も分からなくなった時期に聴くようになりました。今もこの歌を聴くと、友達のことをずっと考えていた昨年の心持ちに戻ることが出来ます。

友達と実際にやり取りをしていた時には、同じアルバムに入っている『Tea for Two』を共有しました。友達が最初に入院した4月終わり頃に、僕がYouTube動画のURLを呟きに貼って、それを友達も聴いてくれました。

───二人でお茶を飲みたいね。

「きっと実際に会ってお茶を飲みながら話すと電話とはまた違った会話も出来るんでしょうね。そう出来るよう頑張ります」

いま調べてみたら、一昨年4月29日のやり取りでした。

『🎶Snuggled on Your Shoulder』YouTube動画。
(好きな人とフロアでくるくる廻りながら踊っているような…ロマンティックな楽曲です)


昨年、カマキリの不思議な出来事が三度ありました。どうしても友達のことと無関係には思えなくて…というより、きっと友達のことだ…と思いたい部分もありますが…。先月の終わり頃、可愛い小さなカマキリの幼虫と出会いました。今年も時期になったら、カマキリは又僕に何かを伝えに来てくれるのでしょうか。




駒田徳広さん

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