眠れない夜と淡い夢|ブルゴーニュで借りぐらし
汗をすごくかいたと言って、恋人が夜中に目を覚ました。やがてまた、深い眠りに戻っていった。わたしの睡眠は不本意にも中断されてしまった。
窓からわずかに漏れる月明りに照らされている背中が、穏やかな寝息に合わせてうごく。わたしは山あいの村でたったひとり、取り残されているような気分になった。いや違う、ここはフランスだ。わたしはいま、フランスのブルゴーニュ地方で恋人と暮らしている。
あぁ、今すぐ日本の家族に会いたい...。
ここから先は
644字
¥ 300
エッセイストとして活動することが夢です。自分の作品を自費出版する際の費用に使わせていただきます。