企業 vs 個人!?これからの働き方戦略。
今回は、これからの働き方として、
価値創造や生産活動やニーズの向かう先というものについて、時代の流れのようなものを整理しつつ書いてみます。
これからの需要は、どこに向かう?
旧モデルの生産活動の図というのは、多くの場合は大企業から中小企業に仕事が降りてくるという感じで、こんなふうにピラミッド型の構造で成り立っている業界が多かったんじゃないかなと思います。
さらに、このピラミッドの中には「会社」という小さなピラミッドがあります。某国の大統領ではありませんが、トランプで作ったタワーのようにも見えますね(笑)
ここでは別に、どのポジションがエライんだ、とか、「搾取が〜」みたいなことを言いたいわけではなくて、事実として、これまでの時代はそういう成り立ちでみんなの力で「モノ」を生み出すという「生産活動」が行われていたわけです。
だからこそ、国としても金融緩和をするなどして、大企業からシャンパンタワーのようにお金を流通させよう。
というようなことを考えて、リーマンショックからなんとかここまできたわけですよね。
この図を仮に、『 労働力のピラミッド 』と呼ぶとしましょう。
労働力のピラミッド
しかし、ご存知のとおり、いまの世の中では労働力というものは、機械化やアウトソーシング、外国人労働者に委ねてしまうという選択肢が増えたために、「労働力」というものは社内で抱える必要性がどんどん無くなってきているなと感じます。
こんなふうに企業の中に「必要な人材」としては、経営者に近いところで企画・販売・製造・広告の戦略を考えたり、取りまとめたりできるような、マネージャーやリーダーやディレクターなどで構成された「少数精鋭」の状態になっていくのが望ましくなりますので、会社の組織図としては先がとんがった形になっていくのが自然な形なのではないかなと思います。
むしろ、いまでは企画や経営ですら、外部の専門家を交えながら一緒に考えて会社を運営していくのが普通になってきています。
「労働」や「生産活動」そして「専門知識」というものは、ピラミッドの外側にアクセスすることで、会社としてもたくさんの人を抱えずに景気の波に左右されにくくなりますし、コア組織としては、重要となる部分の企画や経営や販売活動に集中できてスピーディーに動けたりします。
そして、
外部の人たちにとっても自分の得意とする分野に特化していくことができ、自分ができないことがあればさらに他の人と繋がることで、専門性の高いチームを作ることができます。
こうしてあらためて書いてみると、ニーズというものがオープンな世界に向けて広がっていってる感じがしますよね。
所有から利用へ
これはIT業界でクラウドというものが流行った時に生まれた言葉ですが、あらためてIT業界だけでなく、これからの社会の在り方を、上手く言い表わしている言葉だなと感じます。
インターネットツールや回線速度が飛躍的に良くなったこともあり、外部との連絡もスムーズに行えるのでそもそも社内に人が居る必要もなくなりつつあります。
こんなふうに、企業という"枠"や、オフィスという”場所”や”時間”の制限は、徐々に、確実に、取り払われてきています。
これからの生産活動とは?
また、上記のピラミッドの図は労働力を表しているだけでなく、上述したように「モノ」を生み出すための『 生産力のタワー 』だとも言えます。
大量生産でモノを作ったりチェーン店などのサービスを作ったりというのは、やはり、大企業ならではの強みと言えます。
その恩恵を受けるようにして、我々は生活に必要なモノを安価に手に入れることができています。
が、
いまではもうモノは溢れすぎていて、生活必需品というものは各家庭にひととおり揃っています。
家電量販店とかに行っても、そんなに大きなテレビなんていらないな。と、少なくとも私は感じてしまうのです(笑)
これはおそらく私だけでなく多くの人が感じていることであり、ピラミッドで生産すべき「モノの需要」が低くなってきているのは間違いありません。
「断捨離」や「ミニマリスト」という言葉が流行るように、モノを持たないことを美徳とする人も増えているし、大量生産でないもの、人と違うものに価値を感じる人が多かったり、機能性よりもデザイン性であるとか、「日々の気持ちを高めてくれるもの」が求められおり、それをクリエイティビティに生み出せる人が求められる時代なんだと思います。
前述した家電製品を例にしても、機能よりも「デザイン」や「コンセプト」のほうが重要になっています。
たとえば、掃除機の吸引力なんて、ホントはもう十分に足りてるんだけど、吸引力を"買い換える理由"にしながら、ホントは「見た目のカッコよさ」や「コンセプトフレーズ」の響きが欲しくて、みんながダイソンを買っていくという購買行動になっているのだと言えます。
個人や専門部隊に求められているもの
いま、企業から我々個人や専門部隊に求められるものも、モノを生産する力よりもそういった「コンセプト」や「デザイン」、それらを「伝える力」というものが求められているなと感じます。
また、
近年モノの代わりに高まった需要としては、娯楽や嗜好品というものがあります。
たとえば、ネイルアートやまつげエクステなんかは衣類にも属しませんので、これは言い訳する余地もなく「嗜好品」にあたります。
一時期、ネイリストという職業を始める人が爆発的に増えましたが、これは個人時代のニーズととてもマッチした職業だったと感じます。
つまり、生活必需品ではないんだけれど、「気持ちを高めてくれるもの」というものだからこそ、この時代に、爆発的なニーズが増えたわけです。
また、ネイリストとして個人開業するというのは、
女性の働き方のスタイルとしても、今の時代にとても合っていますよね。
モノ以外の「ニーズ」を考察
その他にも、モノ以外のニーズがたくさん生まれています。
いまは「遊ぶように稼ぐ」「好きを仕事に」などのキーワードが流行っていて、胡散臭く聞こえるような言葉でもありますが、これはこれで、これからのニーズが向かっている方向に沿った言葉というか、特に意識をしていなくても、自分の好きなことが仕事として成り立ちやすい。という世の中になってきているんだと思います。
もちろん、上記のようなことは当てはまらない業界もあるでしょうし、いろんな反対意見や別の見解ももちろんあるとは思います。
それこそ時代の流れなんてあっという間に変わるので、未来予測なんてものじたいはあまり意味がない部分もあるでしょう。
「肌感覚」を磨け。
しかし、たとえ仮説だったとしても、現在と少し先を可視化してみることで、今、刻一刻と流れている「時流」や「ニーズ」を捉えるための肌感覚を磨くことができるはずです。
そうすることで、フットワーク良く・タイミング良く、時代に合わせること。また時代に惑わされたりすることなく、自分の「得意どころ」を活かせる場所にボールを投げることができるようになる。
そういった肌感覚を鋭敏に養うことのほうが、これからは特に意識すべきことなんじゃないかな。と思っています。
企業 VS 個人 !?
私自身は、個人ビジネスをしていく人が少しでも増えれば良いなと思っているのですが、かといって「みんな、会社を辞めて独立しよう!」と言っているわけではありません(笑)
実際、会社という"インフラ"をうまく活用して、活躍している人というのは山ほどいるわけですから。
ただ、多くの人にとっては(特に「労働者」と呼ばれる人にとっては)、会社や時間や場所といった境界線というものがどんどん取り払われていく中で、何も気付かないままに外界から閉ざされた境界線の中に居続けることはとても危険ではないかとも感じます。
テクノロジー化やグローバル化によって、上述してきたように境界線が完全に無くなった時に「自分1人の単位で稼ぐ力」を持っていないということは、とても「危うい思考」なのではないかな、と思うのです。
反対に、企業経営者の方にとっても、従業員を増やすことで売上を上げてきたビジネスモデルから、最小単位で売上を伸ばすビジネスモデルに変わってきているしそうするべきだろうなと感じます。
この記事では、具体的な代替案や解決案を提示するところまでは言及しませんが、ピラミッド型のタワーという境界線を取っ払ってみれば、ありとあらゆる可能性がそこかしこに眠っているということは見えてくるのではないかと思います。
私自身も、そういう可能性やニーズに気づける視点を持ち続けたいと思いますし、たくさんの人がそういう可能性を拾い上げることで「自分らしさ」が溢れるユニークネスな商品やサービスを生み出していけると、少子化の世の中でも先細りすることなく、きっと面白い世の中になるんじゃないかなと思っています。
ということで、長文にお付き合い頂きましたが、あなたの"これから"にとって、あなたらしい"働き方"や"生き方"というものを「考えるきっかけ」になりましたら幸いです。
それでは、また。
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