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まだ見たことのない景色

わたしはいつも
見たことのない景色を求めている。

それは単に旅行をするというわけじゃなく
(もちろん旅も含まれるのだけど)、あらゆる意味で新しい世界を見ることが、生きることの最大の楽しみの一つではないかと思う。

日常を忙しく過ごしていると毎日同じ景色になってしまって、それはそれで良いことなのだけど、心が渇いてしまうことがある気がする。

新しい人に会ってみたり、行ったことのない駅で降りてみたり、小さなことで良いから普段はしないことをしてみたり(いつもは走って渡る青点滅の信号を待ってみるとか)、そうやってすこーしだけ生活に変化を作ってみると、自分の置かれている場所を客観視できるかも。

あぁわたしの毎日も結構良いじゃん、って思えたりする。あるいは今の自分にはこれが足りていないかもと気づくかもしれない。

ちょっと話は飛ぶのだけど、わたしは闘病中に休職していた期間があり、そろそろ復職というタイミングで、なにか普段はできないことをしようと思って、重度の知的障害を持つ人たちが集う場所にボランティアとして半日手伝いで参加してみた。

自分が病気になってからはいろんな障害や病気には理解があるつもりでいたのに、どう動いて良いか、ひとつひとつ迷ってしまう。自分が彼らにためにやってあげている、というのも違う気がするし、でもできないことを助けているのは事実で、自分の立ち位置がぐらぐらしてきた。

ボランティアはいまのところ継続はできていないのだけど、たったの半日で自分にとって印象的な出来事となった。

障害のない自分は恵まれているから、とか、障害があってもこんなに頑張って生きていてすごい、なんていう上から目線ではなく、生きるってすごく尊いなぁ、やっぱりわたしは生きるとは何かということに興味がある、だからもう少し生きてみよう、って気持ちになった。

誰しも、老いと共にできないことが増えていく。でも最初からできないことも誰だってあって、わかりやすく現れている人もいれば、人間生活を送る上であまり支障がないかたちの人もいるというだけなのかな、というのがいまの答え。でもこの出来事についてはこれから先も何度も思い出すし考えるし、答えも正解もないのかもしれない。

写真はジュネーブの湖畔にて。

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