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永代供養の費用はいくら?

「永代供養ってイマイチよくわからない」
「永代供養の費用って大体いくらぐらい?」

最近「永代供養」という言葉を耳にしたことがある人は増えているのではないでしょうか。

お墓・供養の関連で出てくる言葉であることはなんとなく理解されているかもしれませんが、その意味やメリット・デメリット、実際利用する時の金額については、知らない人がほとんどでしょう。

そこで今回は、永代供養とは何か?永代供養がついたお墓の費用相場はいくらか?を紹介します。

永代供養とは?

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永代供養とは、様々な事情でお墓参りができない人に代わり、寺院や霊園が遺骨を供養してくれることを言います。

例えば、将来お墓を継ぐ人がいない…と困っている人は、先祖代々の遺骨を「永代供養」がついたお墓に納骨すれば、将来、誰からも供養されない状態は避けられます。

永代供養はこんな人に選ばれています

✔子供にお墓を管理する手間をかけさせたくない人
✔承継者がいなくなる心配がある人
✔お墓にお金をかけたくない人

「永代供養」と「永代使用」は違うので注意しましょう

永代供養と似ている言葉で、永代使用というものがあります。言葉は似ていますが、意味は異なるものです。

✔「永代供養」… 霊園・寺院が続く限り遺骨の供養をしてくれること
✔「永代使用」… 霊園・寺院が続く限り墓地の区画を使用できること

永代使用は「永代使用料」として使われることが多く、一般墓を購入する人がよく目にする言葉でしょう。

【3つの種類別】永代供養の費用相場

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永代供養にかかる費用は永代供養料と呼ばれ、1遺骨あたり5万円~30万円程度が一般的です。

永代供養料は墓守に代わり寺院や霊園が遺骨を供養してくれる仕組みにかかる料金です。

お墓の種類によっては永代供養料に付随して別途費用がかかる場合があります。

永代供養がついたお墓の種類別に、費用相場を見てみましょう

【種類①】合祀墓:5万円~30万円
【種類②】集合墓:20万円~60万円
【種類③】個別墓:50万円~150万円


【種類①】合祀墓の費用は5万円~30万円

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合祀墓とは、遺骨を他の人と分けることなく、全て一緒の場所に埋葬するお墓です。

永代供養料は1人当たり5万円~30万円ほどで、永代供養のお墓の中では最も費用が安いタイプといえます。なお基本的に費用の内訳は「永代供養料」のみとなります。

安さの理由は、個別に納骨するスペースが不要であること、また他の遺骨と一緒に埋葬されるため、管理する側としても手間がかからないことです。

注意点として、一度合祀墓に遺骨を納骨すると、その後取り出すことができなくなります。

合祀墓に向いている人

✔供養方法にこだわりはく、とにかく安く納骨したい人
✔先祖代々のお墓を墓じまいして、その後の遺骨の納骨先を探している人

合祀墓に向いていない人

✔故人の遺骨に向かって手を合わせたい人
✔知らない人と一緒に眠るのに抵抗がある人
✔数年後に遺骨を移す可能性がある人

【種類②】集合墓の費用は20万円~60万円

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集合墓とは、礼拝の対象となるシンボルは共有しますが、納骨スペースは個々に分かれているタイプのお墓です。

ただし個別安置は決められた一定期間だけで、その期間を過ぎると合祀されます。

相場は20万円~60万円ほどでしょう。

集合墓の場合、合祀墓とは違い、個別に遺骨を保管するスペースが必要ですから、その分費用は少し高くなります。

また霊園の中には、合祀されるまでの期間に年間管理費がかかる場合もあります。

集合墓の場合は後々遺骨を取り出せることが多いですが、場合によっては取り出せないこともあるので、注意しましょう。

集合墓に向いている人

✔なるべく費用は抑えたいが、最初から合祀には抵抗がある人

集合墓に向いていない人

✔一般墓のように家族に1つ礼拝の対象が欲しい人
✔家族だけで同じ空間で眠りたい人

【種類③】個別墓の費用は50万円~150万円

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個別墓とは、形式としては従来の一般墓と近いタイプです。家族ごとに1つのシンボルがあり、その下に遺骨を埋葬します。

一般墓と違う点は、個別で安置できる期間が決まっており、その一定期間を過ぎると、合祀される点です。

夫婦一代限りのお墓や、子供と二世代のお墓として、検討される方が多いでしょう。

相場は50万円~150万円ほどです。

礼拝の対象となる「墓石」や「樹木」にお金がかかりますから、合祀墓や集合墓と比較して金額は上がります。

また、個別墓の場合は、合祀されるまでの間、年間管理費がかかるケースがあります。

「永代供養のお墓=管理費が不要」ではないので、注意しましょう。

個別墓に向いている人

✔夫婦1代、子供と2世代のお墓として使いたい人
✔家族だけで個別に納骨する空間が欲しい人

個別墓に向いていない人

✔年間の管理費は一切支払いたくない人
✔できる限り費用負担を減らしたい人

樹木葬や納骨堂も「永代供養のお墓」の1つ

「樹木葬」や「納骨堂」というお墓の名前を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

実はこれらも「永代供養がついたお墓」で、集合墓や個別墓に該当します。

✔「樹木葬」… 石ではなく樹木を墓標としたお墓のこと
✔「納骨堂」… 屋内に設けられた納骨施設のこと

そのため、永代供養がついた集合墓や個別墓がいいな、と感じられている人は、「樹木葬」や「納骨堂」に該当するお墓を探すと、希望に沿ったお墓を見つけられるでしょう。

永代供養のメリットとデメリット

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【メリット1】お墓の維持・管理の手間がかからない

永代供養の一番のメリットは、お墓の維持・管理の手間がかからないことです。

一般的なお墓の場合、年に数回はお墓参りに行き、お墓を綺麗に保つための掃除・メンテナンスが必要となります。

家族以外でお墓を管理する人はいませんから、家族で誰もお墓参りをしなければ、お墓は荒れていく一方です。なおかつ、墓じまいをしない限り、墓地に支払う「年間管理費」は発生し続けます。

それに対して、永代供養がついたお墓であれば、これらの負担が軽減できます。

合祀墓の場合、お墓のメンテナンスや、年間管理費といった負担は一切かかりません。

また集合墓・個別墓の場合であっても、一定期間を過ぎたら合祀され、合祀されたら管理費もかかりません。

永代供養は、精神的にも金銭的にも負担を減らせる供養方法と言えるでしょう。

【メリット2】一般的なお墓と比べて費用が安い

永代供養がついたお墓は、一般墓と比べて費用を安く抑えられる点もメリットと言えます。

お墓を契約するときに必要となる「初期費用」もそうですし、お墓を維持するための「維持費用」にも言えることです。

費用が安く済む一番の理由は、礼拝のシンボルとなる墓石を購入する必要がないからです。一般墓を購入する場合、費用の約6割が「墓石」にかかるお金だと言われています。

永代供養のお墓の中でも、種類によって料金は異なりますから、一概に安いとは言えません。ただし「合祀墓」「集合墓」であれば、一般墓より安く抑えられるでしょう。

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【デメリット1】一度合祀すると遺骨を取り出せない

デメリットの一つ目は、一度合祀すると遺骨を取り出せないことです。

合祀とは他の人の遺骨も一緒に供養することですから、遺骨の区別をつけられなくなってしまうからです。

永代供養のお墓の中でも、遺骨を個別安置してくれるものであれば問題ありませんが、もし一定期間をすぎて合祀されるタイミングになった時は、「本当に合祀してよいのか?」をしっかりと考えましょう。

【デメリット2】お墓を継承することができない

お墓の継承ができないこともデメリットになる場合があります。

永代供養のお墓は「個別墓」であっても納骨できる人数はほとんど決まっています。子供たちと2世代のお墓の場合、4人~6人ぐらいが一般的です。

そのため、もしも先祖代々の遺骨を同じ場所に埋葬していきたいと考えると、人数オーバーになりかねません。その場合、1つの場所に埋葬できませんから、別の区画を探す必要がでてきます。

先祖代々同じ場所に納骨したい(今後その可能性はある)、と考える人にとっては、お墓を承継できないことはデメリットとなるでしょう。

【デメリット3】人数や個別安置期間によっては、金額が一般墓と同等になる

永代供養のお墓は「安い」と言われていますが、条件によっては一般墓と同等・又はそれ以上の金額になる場合があります。

特に「永代供養付き一般墓」といった、見た目は墓石を用いたお墓で永代供養がついているものは、墓石の金額がかかりますから費用は高くなります。

また個別安置期間を長くすると、その期間の年間管理費がかかってくるため、費用がかさみます。

以上、永代供養のメリットとデメリットを紹介しました。自分には永代供養が合っていそうか、イメージが湧きやすくなりましたでしょうか。

次の章では、永代供養料についてさらに詳しく知りたい人に向けて、永代供養料は「地域」や「宗旨・宗派」によって金額差があるか?を解説します。

「地域」や「宗教」による永代供養料の傾向

結論から申しますと、永代供養料の傾向は以下の通りです。

✔「地域」による差:少しある
✔「宗旨・宗派」による差:ほとんどない
✔「霊園・お寺」ごとの差:ある

まず「宗旨・宗派」による費用の差はほとんどありません。また「地域」による差は少しありますが、それよりも「霊園やお寺ごとの差」が大きいと言えます。

【地域別】永代供養の平均費用

永代供養の費用の差は、地域ごとに傾向があります。

関東の都心部、東京都や神奈川県は比較的費用が高く、地方になればなるほど金額は安い傾向にあります。

参考までに、一部の都道府県の永代供養墓の平均費用を紹介します。

東京都:73万円
神奈川県:61万円
大阪府:57万円
福岡県:49万円

※参考:ライフドットに掲載している各都道府県の「永代供養墓」の費用の平均

しかし、地域による費用の差よりも、各霊園・お寺ごとの費用の差の方が大きいでしょう。

そのため、東京都でも10万円以下で納骨できる永代供養墓は存在しますし、地方だからといってどこでも安い訳ではありません。

宗旨・宗派の違いによる永代供養料の差はない

永代供養の金額が宗旨・宗派によって大幅に変わることはありません。

お寺ごとに、永代供養の費用に差はありますが、宗派による費用の傾向は見られないと言ってよいでしょう。

参考までに、各宗旨における総本山の永代供養(合葬タイプ)の料金をご紹介します。

浄土宗(知恩院) 5万円~
浄土真宗(大谷本廟) 5万円~
曹洞宗(永平寺) 3万円~(永平寺の場合、分骨のみ受け付け)
日蓮宗(身延山久遠寺)5万円~
臨済宗(建仁寺)10万円~

お墓の費用を抑えたい人へ 永代供養以外の選択肢

一般的なお墓でもなく、永代供養でもない供養法は、主に次の2つが考えられます。

✔散骨…海や山に遺骨を撒く供養法です。
✔手元供養…自宅で遺骨を供養する方法です。

散骨の費用は5万円~25万円程度

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お墓を作らず、海や山に遺骨を撒く散骨の費用は、5万円から25万円程度です。
陸地は住民などとのトラブルに発展しやすく、多くの業者は海での散骨を行っています。

一家族だけで船をチャーターする個別散骨は25万円程度ですが、複数の家族で船に乗り入れる合同散骨であれば、費用はぐっと割安になります。

また、業者に遺骨をゆだねて散骨してもらう委託散骨は、5万円ほどから利用できます。

手元供養は0円からできる

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骨壺を自宅に持ち帰り、仏壇や専用のスペースで供養する手元供養は、0円からできます。

ただ、骨壺を素っ気ないものから手元供養用の美しいものへと変えたり、手元供養専用の仏具を揃えたりすると、数万円から数十万円がかかってくることになります。

手元供養は一見リーズナブルな方法ですが、最終的な遺骨の行き先とはいえません。
家を継ぐ人がいなくなってしまえば、遺骨をどこかへ異動せざるを得ないためです。

最後には、やはり永代供養をしたり、散骨をしたりといった方法をとらなければならないことに注意しましょう。

【既にお墓がある方へ】永代供養に変える場合の費用

既にお墓を持っている方が、納骨されている遺骨を永代供養にするには、以下の2つの方法をとることになるでしょう。

①墓じまいをして永代供養にする
②今あるお墓に永代供養を付ける

なお、②今あるお墓に永代供養を付けるという方法は、現状あまりメジャーとは言えません。そのため多くの方が①墓じまいをして永代供養にするという方法をとることになります。

墓じまいをして永代供養にする場合

墓じまいをして永代供養にする場合、費用は大きく2つ、「墓石の撤去にかける費用」と、「新しい納骨先(永代供養)にかける費用」に内訳されます。

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墓石を撤去するのにかかる費用

合計 20万円~40万円ほど(墓地面積2㎡の場合)

✓ 撤去工事費:8万円~15万円 / 墓地面積1㎡あたり
✓ 閉眼供養 :3万円~10万円
✓ 行政手続き:~3,000円

新しい納骨先にかける金額

永代供養これまでにご紹介した通りです。

合祀墓:5万円~30万円
集合墓:20万円~60万円
個別墓:50万円~150万円

今あるお墓に永代供養をつける場合

また記事を読んで下さっている人の中には、今あるお墓に「永代供養」をプラスすることはできないの?と考える方もいるかもしれません。それが可能ならば、墓じまいをする必要もなく、余分な費用もかからない、と思われるでしょう。

結論から申しますと、今あるお墓に永代供養をつけられる霊園が全くない訳ではありません。しかしその数は少なく、多くの方は既存のお墓に永代供養を付けることは難しいと言えます。

ただ、以下のような行動をとることで、既存のお墓に永代供養を付けられることもあります。

僧侶・墓地の運営者に永代供養にしたいことを相談する

現在お墓があるお寺の僧侶や、墓地の運営者に永代供養にしたいことを相談すると、既存のお墓が建ったまま永代供養を付けられる可能性があります。

なぜならば、墓地の管理人やお寺にとって、墓守のいないお墓(無縁仏)が敷地に残ってしまうことは避けたいと思うからです。墓守がいなければ、年間管理費が支払ってもらえない上に、最終的にお寺・霊園側でお墓を撤去しなければなりません。

「永代供養にしたい」ということは、将来的に継承者がいなくなる、お墓参りができなくなる、という理由がある人が多いでしょう。そのため、無縁仏を防ぐためにも「永代供養にしたい」と相談した人には、何かしらの提案をしてくれるはずです。

特に寺院墓地にお墓がある人は、相談をすることは有効です。それは、寺院の場合は住職が墓地運営者として裁量が大きく、その方の考え次第で対応してくれる可能性があるからです。

ただ民間墓地(民営墓地)の場合でも、「永代供養サービスあり」の霊園であれば、対応してもらえます。民間墓地(民営墓地)にお墓をお持ちの人は、一度自分の霊園が該当するかどうか、確認をしてみるとよいでしょう。

まとめ

以上、永代供養の費用について、合祀墓の相場・永代供養付きのお墓の相場などをご紹介しました。

要点をおさらいしていきましょう。

永代供養とは
永代供養とは、様々な事情でお墓参りができない人に代わり、寺院や霊園が遺骨を供養・管理してくれるシステムのことです。

永代供養の費用
合祀墓:5万円~30万円
集合墓:20万円~60万円
個別墓:50万円~150万円

どの方法にするか迷うようなときは、いったん手元供養として、じっくり考えてみるのもおすすめです。

永代供養を行っている霊園を実際に見学してみたり、納骨堂に行ってみたりして、よりしっくりくる供養法を見つけましょう。

引用:
本記事は Life.(ライフドット)が公式サイトにて公開している情報です。
引用元の記事:https://www.lifedot.jp/eitaikuyou-price/

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