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大人になってもハングリーな愚か者でいられるのか

Stay hungry, Stay foolish.

「ハングリーであれ、愚か者であれ」

説明も不要なくらい有名な言葉ですね。
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチで語った言葉。
就活中に聴いたり、のちに誰かが「わたしの座右の銘です」と紹介したり、幾度となく目にし、耳にしてきたこの言葉。

でも、実際にその言葉のように行動できる人はどれくらいいるのでしょうか?

先日、『ミーニングノート』を読み始めた際に、この言葉に触れる場面があったので、久々にこの意味について考えてみたいと思いました。

一人歩きしてもパワフルな言葉

短くキャッチ―、かつインパクトのあるこの言葉。
たった、4つのWordで数えきれないほど世界中の人々の心を動かしたであろうこの言葉がもたらす意味。

もちろん、卒業式のスピーチという前段があっての最後のメッセージなので、一連のストーリーがあってこそですが。
しかしながら、たとえ、そのスピーチを知らなくても、この言葉だけでも、何かしらの問いや気づきを与えてくれるのではないでしょうか。
そんなパワーを持っている言葉のように感じます。

“Stay hungry, stay foolish.”
この言葉自体もともとは、ジョブズが若い頃、60年代後半から70年代前半に流行していたアメリカの雑誌、『全地球カタログ(The Whole Earth Catalogue)』の最終号の裏表紙に書かれていたそうです。
いわゆるヒッピーカルチャーに多大な影響を与えた、当時の若者のバイブル的存在だった雑誌です。
この裏表紙のたった4単語がジョブズのその後の人生において、羅針盤のように心にずっと残り続けていたのですね。

ジョブズのスピーチの最後のメッセージはこちら。

I have always wished that for myself, and now, as you graduate to begin anew, I wish that for you. Stay hungry, stay foolish.
私は常に、自分自身そうありたいと願い続けてきました。そして今、みなさんに対しても、同じことを願っています。ハングリーであり続けよう、おろか者であり続けよう。

言うは易く行うは難し

このメッセージが、言わんとすることはとてもわかります。
ジョブズでも「常にそうありたいと願い続けてきた」ということは、そうでなかったこともあるのかと思います。
この言葉は、まさに大学を卒業し、社会へ飛び出していく若者たちに贈られたものです。
ハタチ過ぎの若者であれば、確かに体現できそうです。
一方で社会の荒波に揉まれ、人生の酸いも甘いもある程度経験し、処世術的なことも学んできて、さらには子どもも持つ親となった今、果たして、“ハングリーな愚か者“で居続けることはできるのでしょうか?

これから先も何か行き詰まった時、悩んで立ち止まった時など、きっとどなたか人生の先輩がジョブズのスピーチを引き合いにだし、この言葉をかけてくることもあるでしょう。

そんなとき、おそらくわたしは、「で、あなたはどうなの??」って聞きたくなっちゃいます(笑)

もちろんこれは個人的な見解ですが、それほど、この言葉の通りに行動するのは実は難しいと思っているからです。

わたしも昔はハングリーな愚か者だった

はたして、わたしはどうだろう?とふと考えました。
すると、ジョブズの”Stay hungry, stay foolish.”を再考する前に書いたnoteの記事がまさに自分の学生時代のハングリーな愚か者の行動だったなぁと繋ったのです。

あの頃、はたから見たらどうにも無謀でちょっとクレイジーな行動を取っていましたが、あれはわたしがどこまでも純粋にただただその世界に興味があって、その世界に立ちたいと思ったから。
あらゆる可能性を考え、愚直に今できることをやり続けたら、当初は無理かもと思っていたことが実現し、さらには人生でかけがえのないものを手に入れられた、というストーリーです。

Connecting the dots

わたしは、ジョブズのスピーチの中でConnecting the dotsの部分が好きです。「当時は意識もしていなかった過去の経験が将来思いがけず役に立った」的な文脈かとは思います。繋がるかどうか、それはあとから分かることなんです。でも、その点が多い方が可能性も増えると思いませんか?

わたしの中では言い換えると「種まき」にあたるのかなと思います。
わたしはよくその時々の興味関心に素直に従って行動するタイプなので、それぞれのジャンルが一見関連性がないように思うことも少なくないです。
興味が変わっていくので、正直、切りがないくらい新たな学びという見えないものにたくさんお金も時間も使ってきました(笑)今もそれは続いていますが…(!)
でも結局、無駄なことは一つもなく、すべて今の生き方に繋がっていると感じています。

大人になると失うのか

さて、年齢を重ね、経験を重ね、大人になっていくにつれ、ジョブズの言うハングリー精神や愚かさは失われていくのでしょうか?
きっと、誰しも本来は、心のどこかには、こっそり生きているのではないかと思います。
それがむくむくと顔を出すのか、出さないのか。
それは意識して呼び出すのか、それとも唐突にやってくるのかー。

でもやっぱり、わたしは何歳になっても自分の中にその精神をずっと持っていたいなぁと、これを今書きながら改めて思いました。

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