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リモートでサポート 認知症my母の新生活 〈アレクサ活用〉

「ここで何をすればいいの?」そう言われてしまうかもしれない…  認知症であるmy母(83)が慣れ親しんだ家を離れ、高齢者向け住宅に移住することにはリスクがありました。しかし思い切ってサ高住へ転居することに。新生活に、アレクサが大活躍しました!

新しい生活習慣を覚えるチャレンジ

新生活では、朝・昼・夕は食堂で食事をする生活になります。my母が自分の力で、

“定期的な時間にメガネをかけて鍵とマスクをして靴に履き替えて歩行器でエレベーターで1階の食堂へ行く”。

これは今までの暮らしにまったくなかったこと。しかし、これができないと、ご飯にありつけないし、生活が成り立たない…

 歩行器を使う生活というのも、転居してからスタートしました。

my母は自宅での壁の伝え歩きに慣れてしまっているため、歩行器を使わずに外に出ようとしてしまいます。もちろん、サービスを利用して朝昼夕と迎えにきてもらうこともできます。でもそうするとどんどん「誰かに頼る生活」に慣れてしまうという、自立から乖離してゆくジレンマがありました。

そこで、朝昼夕ご飯の時間帯を一番目に入るところに書いて貼っておき、確認して食事に行くように伝えました。本人は自分で確認して自立して生活したいという意欲があるので食事の時間はわかるものの、どうしても「マスクをする、歩行器を使う、鍵をもつ」などの一連の新しい動作が覚えられなかったのです。

 1日3回、アレクサで「ご飯だよ」と伝える

まずは前の生活と同じく、Echo Show 8を1台、母の生活の定位置から目の前に見えるところに設置しました。リモートでサポートできるかチャレンジです。私は母の3食の時間をiPhoneのアラームでセット。時間になるとビデオ通話して、母を見ながら会話をします。

 おはよう、ご飯だよ!元気そうだね!メガネするといいよ。マスクをして、鍵をネックレスみたいにかけてね。そうすると、「ああこれね!」ときちんとマスクをしているところが見られるこの安心感!「靴を履き替えて、歩行器で1階だよー!」というと「いってきまーす」とmy母。

しかし。アレクサの画面は固定のため、その後写っているのは my母が消えた白い壁のみ、そしてゴソゴソとした物音が聞こえるのみ。実にシュールです。しかも、ちゃんと靴を変えたのか歩行器を使ったのかよくわかりませんでした。

そして早速、サ高住の方から焦った口調で連絡がありました。
「○○さん(my母)、歩行器なしで食堂にいます!」とのこと。
どうやら歩行器なしで食堂へ行ってしまったようです。やっぱり…!そして歩行器を使わない方を部屋に戻すには身体介助といって家族の許可がないとできないなど、いろいろとご面倒をおかけすることがわかりました。

2台づかい・元祖アレクサちゃん登場!

このような事件が続くようだと困るので、なんとかしなければ、と、急いでもう一台の使っていなかった元祖アレクサちゃん(既に絶版のEcho Spot・上の画像)を部屋の入り口近くに設置しました。この小さいアレクサとの2台使いで、「外に出るには歩行器使うんだよ!」という入り口での会話と視認が実現できたのです。

入り口近くにも元祖アレクサを設置!

毎日、粘り強く朝昼夕にアレクサ通話しました。メガネ・マスク・鍵をもったか、靴に履き替えて歩行器を使用しているか。こう人に伝えると、毎日連絡するなんて大変ですね、と言われることがあるのですが、1日3回、たった5分か10分、ビデオ通話するだけです。my母の元気な顔も見られるし、失敗はないし、スタッフの皆さんも焦ることなく、いいことづくしです!

そして、なんと転居してから3週間ほどで、アレクサ通話がなくても一人で問題なく食堂へ行けるようになりました。時間通り、メガネ・マスク・鍵を持って、靴を履き替えて歩行器で1階へ。きちんと習慣化できたのです! 

認知症が進んでも、小さなサポートだけで新しいことを覚えられたmy母。ビデオ通話に慣れていたからこそ実現できました。周りを見ると、80代の方はテレビ電話も拒否する方が多いのですが、やっぱり早めにデジタル慣れしておくと老後便利な暮らしが待っていると確信しています。 

それから今ではEcho Show10という人の動きに合わせて画面が動くタイプのアレクサがあります。

出先からも中が見渡せるというスグレモノ! ただ、動きがあるという変則的な動作というのは認知症には相性が悪い気がして選びませんでした。どうなのでしょう… 買い換えてみようか、とても気になっています。

※2月20日の投稿を修正して再投稿しています。


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