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キャリアの概念が180度違う!田舎の仕事の作り方

2022年現在では、複数回の転職も当たり前になっており、キャリアアップしていくのが当たり前の感覚です。しかし、僕が新卒で働き始めた頃は『第2新卒』というワードが出始めた時代で、キャリアを変えることに対して少しずつ認められるようになってきていました。

僕より数年上の先輩方はまだ終身雇用が主流の時代だったので、最初の1社目が非常に重要であったし、複数回キャリアを変えていると、転職癖があるとみなされて就職に不利になりがちでした。

今も、東京など都会ではどこに勤めていたか、どこの企業に転職したのか、肩書きはどうだったのか、ネームバリューが価値だったりします。ところが、田舎に行ってみると、キャリアの概念が180度違うことに気付かされたのです。

田舎の転職の仕方

僕は東日本大震災をきっかけに、働いていた東京の広告代理店をやめて被災地である地元に帰ることに決めました。
そして地元で仕事を作っていくことになるのですが、仕事の仕方がちょっと違うなと感じました。

都会の場合、転職においても所属していた企業のバリューは大きいと言えるでしょう。次にそこでどんな仕事に携わっていたのかを面接時に問われます。

一方田舎の場合、概ね人手不足感は否めず、とりあえずやれるなら明日来て、というような感じ。面接というような大仰なものは新卒くらいのもので、転職の場合はほぼ縁故か出会いです。飲み屋で隣にいた社長にスカウトされることも。
田舎の転職は人のつながりや紹介がほとんどで、驚くほど軽いのが特徴です。

「何か仕事紹介して」
「今無職なの?じゃあ、うちで働きなよ」

くらいの軽い感じです。

田舎のキャリアの違い

転職すると、職歴を履歴書に書くことになりますよね。それがずらずらとたくさん並ぶとやっぱり転職市場ではイメージが悪いわけです。
「なんでやめたの?」
「次は長く勤められるの?」
というような面接での質問を想定して答えを用意していかなければいけません。

ところが、田舎で30代にもなれば、職歴欄に書ききれないみたいな人が多々います。それも正社員ばかりでなく、アルバイトを挟んでいたりするものだから、履歴書見ても統一感が全くなく、キャリアって何?って言わんばかり。
そう、田舎ではキャリアの一貫性なんてものはあまり気にされていません
友人らからも
「手が空いたならちょっと手伝って」
と言われて、手伝いのつもりが数ヶ月働いていたとか、数年働いていたなんてことはザラ。

なので、面接でもいちいちそんなところは突っ込まれません。そこを突っ込んでいったら面接にいくら時間があっても足りません。重要なのは人柄と能力。
人柄は紹介者や周りの人たちから評判を聞くので、本人からの聞き取りは不要。能力は資格などわかりやすいものがあればもうそれでよくて、そうじゃなければ過去の仕事内容を聞いて判断。

わかりやすく人脈がものいう世界です。

田舎の仕事事情

田舎は基本人手不足です。とにかく手が動かせる人、体を使える人が重宝がられます。キャリアとも言えない「草刈り」や「魚の網外し」といった仕事もあります。1つ1つの仕事では食っていくのは困難なため、複業は基本。季節によって仕事を変えるのも当たり前。
夏に草刈りをしていた人が秋には農家の収穫を手伝って、冬には雪かきとスキーのインストラクターというような感じです。

そのため、キャリアを積み上げるという感覚自体がありません。もっとざっくりと「農家」「漁師」「役場職員」というようにカテゴライズされて暮らしています。もっと細かく言えば、「Webが得意な農家」「デザインができる農家」みたいなイメージを持たれている場合、得意分野に関する別なお仕事が来る場合も。あくまでも基本ジョブは農家であり、デザイナーなどは副業で、となります。

田舎では依頼できる専門業者もなく、人的リソースも限られています。だからこそ、できる人ができる仕事を請け負う。クオリティうんぬんは二の次。予算の範囲内で長期的または定期的に提供できることの方が重宝がられます。まずは地元に定住することが、信頼と仕事獲得につながります。

ありがとうございます!これを励みに執筆活動頑張ります!