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相手に心地よく話してもらうための、聞く技術

前回の記事で、そもそも聞くことは目的を意識することが必要だと述べました。

 今回は、聞くこと、とりわけ相手の本質的な声を聞く”傾聴”には質問する技術が必要だと言うことについて話したいと思います。
 マシンガントークと言われるように、質問をしなくてもスラスラと話ができる人がいます。一方で、何を聞いても一言で返されて話が続かない人がいます。今回は、そんな会話が続かない人に、どんどん話してもらう技術について3点に絞って語りたいと思います。

●閉じた質問と開かれた質問
 あなたとの会話であまり話してくれないと言う場合、とりあえず一言目を話してもらいましょう。「休日は外出してた?」「今日は雨でじめっとしますね」など、「はい」か「いいえ」で答えられるような簡単な質問を投げかけます。これに答えてもらえれば、あとはその話を広げていくだけです。「どこに外出したの?」「雨の日ってどうやって過ごしてますか?」など、今度は自由度の高い質問を投げかけます。ここで私が大事にしているのは、”教えてもらうという態度”です。相手に話させることや、とりあえず話を広げることを目的としていると、相手もなんでそんなことを聞くんだろうとか、無理やり話しているような気になってしまうでしょう。
 また、質問が思いつかないと言う人は、次のリアクションと自己開示でヒントを解説しますのでご安心ください。まずは、相手に一言目を話してもらう。これさえできれば、一貫性の原理・フットインザドアなどと呼ばれる現象によって、相手は少しずつ話すことへの抵抗を減らしてくれます。

●リアクション
 リアクションがない会話を想像してみてください。相手の答えに対して無反応、質問に答えたらすぐに次の質問をされる…。まるで尋問ですね。一方で自分が話したことに頷いてくれたり、笑ってくれたり、質問をしてくれると嬉しくないですか?私は多人数の前で話すことがたまにあるのですが、こういったリアクションをしてくれる人がいると、その人に対して話すようにしています。リアクションがあると「お、この会話は少し引き伸ばそうかな」とか「ここは掴みとしてバッチリ!」と自信が持てます。
 そんな話す人に勇気を与えるリアクションは『相槌を打つ』、『笑う』、『質問する』の3つです。質問するのが思いつかなくても、他の2つは意識さえすれば簡単にできるはずです。簡単だと思いますが、意外とできない人の方が多いので、自分はできていないかも?と思って実践してみてください。

●適度な自己開示
 リアクションにも少し関わってくるのですが、自分のことを話す自己開示は意外と大事です。そして重要なのはその比率です。
 会話とは双方的なもので、相手が話したら自分も話すという流れだと思います。では、自分が話している割合を考えたことはありますか?多くの人が自分はあまり話していないと考えると思いますが、そんなことはありません。人は話していると自己承認欲求が認められて気持ちよくなり、その分時間を短く見積もってしまいます。だから多くの「聞くことについての本」では、8:2で相手の話を聞きなさいと書かれているわけです。
 さて、それを前提としてどんな内容を話すと相手は話しやすくなるのでしょうか。これは、話を聞いて感じた自分の感情・感想、相手に共感するエピソードです。「雨の日は本を読んでます。」という返答に、「私も本が好きで」「○○さんらしい休日」「だから○○さんは物知りなんですね」など付け足してみてください。ただの質問やリアクションに人間味が出てくると思いませんか。
 ちなみに今回の目的は議論ではなく、話してもらうことが目的なので、相手の話を否定したりはしないでください。そして、自分の意見を伝えるときは主語を私に、相手の話をするときは○○さんはと相手の名前を呼ぶとより効果的です。

●おわりに
 今回のテクニック、割と一般的に知られているものなので面白くなかったかもしれませんが、本当にこれが重要だと思います。そしてできていないことの方が多いです。是非、相手の話をもっと聞きたい!話して欲しい!という方は実践してみてください。
 ただし、今回お伝えしたのはあくまで話を聞く技術です。私は話を聞くことが自分なりの愛情表現だと思っているので、聞くことに重きを置いています。一方で自分が面白いことを話して相手を笑わせようと言う価値観もあります。私は技術的に未熟なのでこれができませんが、どちらも大切だなと思います。
 前の記事にも書いた通り、自分の目的や価値観に合った方法を実践することが大切です。この記事を読んで、みなさんがハッピーになれれば幸いです。

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