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いずれは、実家のある福岡に移住したい。なんとなく、こう考えていたが、どうやら本気で考えるときが来たらしい。

ベビちゃんが、おなかにやってきてくれたのである。

移住を考えるときの理由の一つとして大きかったのが、子どもが小さいときは田舎で育ってほしいという思いだった。こんな思いがあるのも、自分自身が田舎で育ったことが、今の価値観に大きく影響しているからであろう。

双方の祖父母は、農家。両親が共働きだったため、いつも祖父母に預けられ、物心がついたときには既に一人で畑や山で遊んでいた。特におもちゃはなくとも、自然の葉っぱや木の実、小さな虫たちが遊び相手となってくれたのだ。

しかし、年を重ねるにつれ、田舎にないものをねだり出した。おしゃれなお店で買い物がしたい、都市に住んでみたい、海外で暮らしてみたい・・・。そんな欲望を実行した先に求めたものは、住み慣れた田舎の風景だった。

大きな影響を受けたのは、ワーキングホリデーで、オーストラリアに1年間滞在し、様々な片田舎を車で巡ったことだ。そこには、裕福でないながらも、自然の恵を享受しながら、仲間とのの暮らしを楽しむオージーたちの姿があった。私には、彼ら自身が自然の産物にみえたのだ。

『人は自然の中に生きてこそ人である。』私の中で一つの確信が起こったのを覚えている。

それから、瞬く間に10年の歳月が過ぎてしまった。日本のどこにでもある田舎をブランディングしたい。そんな、夢を掲げて東京に出てきた田舎娘は、まだ一度もそんな仕事はしたことがない。ただ、自分なりにこの10年間で様々な経験をする中で、生き方の軸を築いてきたはずだ。これからは、日常の感覚を研ぎ澄まして自分の生き方をセルフブランディングしていきたいと思う。

子どもができるという大きな転換期を迎えた今、自分のライフプランを再設計する最大のチャンスが訪れたのだ。

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