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中国留学記-渡航準備編:その他-

国庆节快乐!今日は10月1日、中華人民共和国建国なので街の至るところに国旗が掲揚されている。しかも75周年という節目の年だ。

さて、渡航準備編もこれにて最終回。前回は留学準備で最も 複雑かつ最も重要なビザ申請についてつらつらと書いた。

今回は7月初旬に中国政府奨学金の選考結果が通知されて以降、ビザ申請と並行しながら7月~8月にかけて行っていたその他の準備について書いていこうと思う。個人的には留学準備に関する記事やブログを一番探しにくい部分であると思っている。


寮の確認と航空券の手配

寮について、個人的には「本当に私はこの大学に留学できるのか」という実感をもたせるために確認したという面もあるが、航空券の手配にあたり「いつから入寮できるか」も確認しなくてはならないのでやはり必須である。中国政府奨学金の場合は基本的に寮の予約は不要とのことだが、いざ現地に着いたら部屋がなかった案件も毎年発生しているようなので、学校のホームページで入寮可能日が確認できる場合でも必ず留学生課に確認した方がよい。また、留学生課の対応が遅い場合には何度か同じ内容のメールを送るのもひとつの手である。

私の場合は留学生課の回答どおり、(それでも到着までは不安だったが、)無事に寮の部屋が容易されていた。また入寮日については基本的に「入学手続きに来るよう指定されている日」と考えた方がよい。これについては、渡航後の居留許可申請に関わってくるので、またの機会に書きたい。入寮日に合わせて航空券を予約し、気分的にはもう7割くらい準備が終わったような気分だった。

※一人暮らし社会人の留学準備で気を付けたいのが、現在の住居の退去日である。契約書に従い、退去日はなるべく早く決め、その旨を管理会社に連絡したり引っ越し業者の手配をしたりする必要がある。場合によってはビザ申請の準備よりも先に寮の確認と航空券の予約をし、退去日を固め、そこから逆算して準備を進めていく手順の方がスムーズなこともある。考えることが多く、かなり大変だった。

渡航準備

長期で海外に行くのは初めてだったため、どこから手をつけたらいいやらという感じで、うだるような暑さの中で手探りで荷造りをしていく。

一人暮らしで現住居を引き払う場合、留学に持っていくものとそうでないものを選別していく必要がある。やりやすいのではないかと思う方法としては、持っていくものをまずピックアップして残りはすべてダンボールに詰めていくというものだ。といいつつ、結局スーツケースとダンボールの間を行ったり来たりして過ごすことになる。

現地に来て3週間。持ってきてよかった、持ってきた方がいいと思うものを以下に記す。
洗面用具や洗濯洗剤:住むところの近くにスーパーやドラッグストアがあるとは限らず、すぐに日用品を買い揃えることができるかわからないため、旅行用の小分けのシャンプーや洗顔料、洗剤、歯磨き粉あたりは数日~1週間くらいもつ量はあると安心。
洗濯ネット:寮の洗濯機は共用であるため複数あると良い。また終わったものは勝手に出されてしまうこともあるので、下着用に中身の見えにくいものを用意するとなお安心。
虫よけ用品:9月はまだまだ蚊が多いため虫よけスプレーとかゆみどめは必須。一応こちらでも探せばあるが、日本よりもドアの隙間や換気扇から虫が入りやすいためブラックキャップも必須。
常備薬:日本では普段から常備していないズボラだったが、環境が変わって思わぬタイミングで体調を崩すことがあるので風邪薬は何か持ってくることを強くおすすめする。(風邪を引いて現地の病院に行くのは大変だった)
100均で買ったサンダル:寮の室内用。スリッパ代わり。最悪渡航後に現地調達も可能だが、日本から用意すれば入寮初日から履ける。
クリアファイル数枚:こちらに来てからの手続きに必要な書類を追加でもらうことがあるため。
日本で使っていた語学テキストなど:授業開始まで2週間ほどあった&授業が始まってからの補完教材としてあると良い。
大きめのエコバッグ複数:日用品や食品を買ったときに袋がついてくることもあるがそうでないこともある。また、ひとつにまとめて運べた方が楽。他に洗濯物をまとめてランドリースペースに持っていくなど用途は多岐に渡るので、2~3個あると便利。
変換プラグ:中国大陸は基本的に日本と同じA型。しかし、たまにBF型(香港などで使われる型)もあるので念のため持っておくと良い。ちなみに私の寮ではA型とBF型がセットになっているため、ベッド横のプラグを2つ使いたいときは変換プラグも使用している。
延長コード:部屋によっては欲しいところ(ベッド横など)にコンセントがないこともあるため。
お気に入りの本やマスコットなど:寮のデスク周りが殺風景になるので飾っている。ただの癒し(これがかなり重要)。

※コンタクト愛用者への余談
コンタクト愛用者の悩みどころとしては「どのくらいの量が必要か」があるだろう。途中で一時帰国も可能なのでそのときに追加するのもアリだが、念のため約1年分持っていくことを検討する人もいるだろう。
私は今回「2week半年分+1day半年分」で持ってきたわけだが、正直言って洗浄液がかなり重かった。コストパフォーマンス的にあまり良くない気がしてしまうが、「1dayのみにする」もしくは「たまにメガネで過ごすことを想定して減らす」のが良いと思われる。

再びの体格検査

奨学金出願編でも言及した体格検査だが、入学手続きに必要な書類として录取通知书に記載がある。奨学金出願時のものを使い回せば……と思うが、実は6カ月という有効期限がある。そのため、泣く泣くもう一度受けに行くことにした。結果の受け取りに1週間かかるため、なるべく早めに受診したい。

渡航後の今だから言えることだが、私の学校では渡航してから留学生をまとめて病院に連れていってくれる機会があったため受けなくてもよかった。しかし、すべての学校がこうとは限らないと思うので、いきなり現地の病院に飛び込むのは不安ということであれば日本で受診していくことをおすすめする。ちなみに渡航前に受診する場合、血液検査の結果の提出を求められている場合には日中友好医院がかなりおすすめである。なぜなら結果に英語の略語が付されているからである。私は協和医院を受診したが、体格検査の結果を提出する際に血液検査のみ再度受けることになったのである。また、レントゲンの写真も念のため渡航時に持参することを勧める。

予防接種

中国渡航において、予防接種は必須ではなくあくまで推奨である(2024年8月時点)。渡航先により推奨されている米納接種は異なるが、打っていなくても渡航および入国は可能なため、個人の判断で検討する。何週間かあけて複数回打つ必要があるワクチンや、同時接種が不可なものもあること、保険適用にならずかなり高額になるため、迅速かつ慎重に検討されたい。

いくつになっても注射が苦手な私は「任意だしいいか……」と最後まで目をつぶっていたのだが、まったく異なる環境に身をおくことや衛生面を考慮して破傷風とA型肝炎のみ受けた。破傷風については、幼少期に予防接種を打ったことがある場合は1回の接種で済むので比較的楽ではあった。

海外渡航の予防接種を受けられるところは限られてくるが、日比谷クリニックは海外渡航の対応にも慣れている様子であること、英語で書かれた予防接種記録をもらえること、何より予約なしで予防接種に行けることがメリットである。渡航予定に合わせて接種のスケジュールや接種するワクチンについても相談ができることも大きい。

役所での手続き

社会人留学に限った話だが、税金や年金の手続きも念のため確認しておく必要がある。退職して留学となると、収入がなく日本にもいないのに税金や年金の支払いは発生し、貯金が削られてしまうため、なるべく手続きは済ませておきたい。

退職日を過ぎ、勤務先から離職票と退職証明を受け取ってから手続きを行う。
管轄の市役所や区役所に行き、海外転出の手続きをして住民票を抜く。これにより住民税の支払い義務がなくなる。一般的な転出届を提出して実家などに住所を移した場合は、その市町村での住民税を支払う義務が発生するため要注意である。

住民票を抜くと、自動的に年金の方でも海外転出者としての扱いに切り替わるという。ただし、退職当月分の年金支払いは発生するため、必要に応じてこの1カ月分の免除申請を行うこともできる。手続きをすれば任意で年金の支払いを継続することもできるため、将来の受給額を減らしたくない場合にはこの措置をとると良い。

寮の確認以降、学校からの連絡の有無

寮の予約について問い合わせて以降、特に留学生課や中国政府奨学金の機関から連絡はなかった。
CSCにログインしてみると「手続き期間を過ぎています」というような表示が出ており、また留学生課からの自動返信メールに書いてあったPre-Departure Loungeなるものについて何も連絡がなかったりして、出国直前にかなりバタついたのだが、結果としては何もないのが正常だった。

他の奨学金の場合や院進の場合はおそらく説明会のようなものがあるのだが、中国政府奨学金の場合はなく、指定された期間内にきちんと手続きを済ませれば構わない。CSCのページについては、9月に入ってから再度確認したところ、連絡先メールアドレスを入力する欄ができていたので問題なかった。まったく、紛らわしいことこの上ない。

なお、渡航して入寮手続きをしたあとに、在中国日本大使館へ規定の書式にて連絡先等を登録する必要があるため、事前に確認して書式をダウンロードしておくと良い。

***

長くなったが、これにて渡航準備編を完結とする。

長期留学準備については、留学エージェントなどでも情報を得ることができるため比較的調べやすい。ビザ申請に比べると、例えば持ち物の面など渡航先によって左右される部分も少ないので、参考にすることもできる。だが、社会人+一人暮らし+中国留学というわりとレアなケースのため、似たような境遇でこれから留学を考えている人の参考になればと思う。

買い物、手続きなどやることが多いため、リストをつくってひとつひとつ消化していくのが良い。9月から留学というケースが多いと思うが、8月半ばにお盆休みがあるため、病院の受診や役所の手続きなどスケジュールに注意が必要であることも頭の片隅に置いておくことを勧める。

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