高齢者の適正体重って?

Hey guys!

施設に入所になると食事を提供する前に必要栄養量の設定を行います。
病院でも施設でもこれは変わりません。
高齢者施設でも週に3〜5回のリハビリがありますし、レクレーションなどもあり
自宅にいるよりも活動量が多いケースもあります。

3年ほど高齢者施設で勤務しておりますが、
高齢者の栄養量の設定は
標準体重(BMI22)×30でいいよに感じます。

理由は3つあります。
Harris-Benedict の式を用いた栄養量の計算よりも簡便であること。
②モニタリングの結果、BMI22付近ではほとんど体重変化がないこと。
③低体重でも体重増加を示しており、過体重では標準体重に近づく変化を示していること。

もちろんこのエネルギー設定に該当しない例もあります。
高度肥満、るいそう、褥瘡、糖尿病など個々の状態に合わせて
栄養量の設定は必要です。

日本人の食事摂取基準ではどうなの?

 日本人の食事摂取基準とは厚生労働省が示している栄養素や食事量の基準のことで、私たちの食事に関するガイドラインのことです。
 H28年度国民健康・栄養調査において、75歳以上ではBMI22.5〜27.4が一番死亡率が低かったと示しています。そこで食事摂取基準2020では、高齢者(65歳以上)では目標とするBMIの範囲を21.5〜24.9としています。
 

糖尿病診療ガイドラインではどうなの?

糖尿病診療ガイドラインでは
 目標体重を
  65歳〜74歳:[身長(m)]²×22〜25
  75歳以上 :[身長(m)]²×22〜25 
 としている。但し75歳以上では現体重に基づき、フレイル、ADLの低下、合併症、体組成、身長の短縮、摂食状況や代謝状態を評価して適宜判断するとされている。

従来の目標体重は死亡率が低いされてた研究に基づきBMI22としていたが、近年の研究でアジア人の死亡率が低いBMIは20〜25とされている。さらに日本人の食事摂取基準においても目標BMIを20〜24.9としている。2型糖尿病でも日本人はBMI20〜25が最も死亡率が低いとされ、75歳以上ではBMI25以上では死亡率の増加は認められないとうデータもある。
 すなわちBMI22を起点として総エネルギーを設定することは一定の目安となりうるが、その根拠を死亡率の低い健康的な体格に求めるならば、望ましいBMIは20〜25の範囲にある。

結論

①BMIの範囲は20〜25の範囲に近づけることを目標とするよう、栄養量の設定を行うことが望ましい。この範囲にいれば、必ずしもBMI22に近づけなくても良い。

②低体重の場合は、BMI18.5以上ではなくBMI20以上を目標とする。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?